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第8話 大義において聖、俗世にありて魔
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「おはようエリシア!」
「ニーナ……どうしたの、その荷物」
登校したエリシアは一瞬言葉に窮した。ニーナは鞄の他に、中がぎっしり詰まった手提げを持っている。首を傾ぐエリシアに、胸を張りニーナは語った。
「近頃物騒らしいから、備えあれば憂いなしって色々買い込んで来ちゃった! 傷薬に包帯に……怪我したらすぐ言って!」
ニーナの行動力と用心深さに、エリシアは舌を巻く。何より、独り占めする為に買い溜めたのではなく、怪我人を手当する為なのが心憎い。
翳りのない笑顔に、エリシアは引け目を感じてしまう。
「……ニーナは優しいのね。聖女様みたいだわ」
「まさか。それを言うならエリシアこそよ。そうだ、これあげる!」
ニーナがごそごそと取り出したのはチャーム。しっかりした紐で括られたパーツには、透明感のある貴石が並ぶ。水晶と孔雀石だ。
「綺麗ね、ニーナの手作りかしら」
「実はそうなの。魔除けのお守りのつもり。お揃いで付けよう?」
「ありがとうニーナ」
一緒に鞄にチャームを括り付け、可愛いねと笑い合う。和やかな気持ちで教室に向かい、級友とも挨拶を交わした。
翌日エリシアは焼き菓子を渡してニーナに礼をし、結局二人で一緒に食べた。
そんな平和な日々も長くは続かず。二ヶ月も経つ頃、学院の雰囲気は一変してしまう。妙な噂が立ったせいだ。
「先輩が魔法陣の紙が挟まった本を、図書室で見付けてしまったって……」
「そういえばこの間、階段で足を滑らせた人が……」
「やっぱり呪われているのかしら」
今日も不穏な話が耳に入る。今では魔法陣の落書きが、死刑宣告か何かのように恐れられていた。エリシアも浮かない顔でニーナに耳打ちする。
「もうすぐ最初の試験なのに、皆それ所じゃないみたい」
「ピリピリするにしても、こういうのは嫌ね」
挨拶もそこそこに席に着いたエリシアは、偶然気付く。自分の机の裏側に、紙が貼り付けられていると。
「……」
そっと指先を這わせる。メモくらいの紙片、糊が少しだけ角に塗ってあるようだ。急いで済ませようと全面には塗らなかったのだろう。
そっと剥がす。ビリッと小さな音と感触、人目を忍んで掌に握り込む。エリシアはその場で見ずに、机の中へと押し込んだ。
こんな小細工をして寄越された紙に、素敵な内容が記されているはずがない。自分の出自を思えば、十中八九嫌がらせと分かる。
──もし酷い内容だったら、ニーナの目に触れさせたくないもの。
何故か自然とそう思った。ニーナの弱みを握ろうと、友達のふりをしているくせに……と口の中が苦くなる。妙にやるせない気持ちだ。エリシアはじっと、そのまま休み時間までをやり過ごした。
「ニーナ、私ちょっと……」
「あ、お手洗いなら私も行く」
「口に出すのは淑女らしからぬって、叱られてしまうわよ」
「ごめん、内緒にしてね!」
「ええ」
チョロッと舌を出すニーナと連れ立った。個室の中でエリシアは紙片を開く。どんな罵倒が並んでいるのかと思いきや、魔法陣が書かれているだけだった。
「え?」
正直拍子抜けしてしまう。同時に、噂の影響がここまで蔓延っているのかと驚く。いや噂話の内容からして、エリシアは誰かの恨みを買っているのだ。喜ばしくはない。
恨みか、嫌がらせか、相手を認識していない行きずりの犯行かも定かでないけれど。
「これは……下手に被害を訴えると不味いかしら」
もし知られたら逆に、あいつは恨まれるようなことを誰かにしたのか、と邪推されかねない。結果としてエリシアやイース家の評判に傷が付くと困る。
証拠だけ確保して、知らん顔をすべきだろう。エリシアはそう結論付けた。それにエリシアは、本物の魔法使いと魔法陣を両方知っている。
──それっぽく書かれてるだけよね。本物は有無を言わさぬものよ、この目で見たわ。
「だから怖くはないけど……不愉快かも」
紙片にくしゃりと皺が寄った。
***
「一緒に帰ろうエリシア」
「図書室へ行くから、ニーナは先に帰っていて?」
「試験勉強? じゃあ私もするよ」
すると近くの席にいた男子生徒が声をかけて来た。
「付いて行こうか?」
「どうするエリシア」
私が決めていいのかなと思いつつ、エリシアは首を振る。
「……ううん大丈夫。ここからなら近いし、二人でいるもの。ご親切にどうもありがとう」
やや残念そうにそっかと応じる男子生徒に挨拶し、二人で鞄を手に図書室へと。
「空いてるわね」
「試験前でこれじゃあ、よっぽどよね」
やはり人が少ない。偶然手にした本に、もし魔法陣の紙が挟まっていたら怖いからか。無理もない。
エリシアはお題目の試験勉強を小一時間こなすと、書架の前で試験とは関係ない本を幾つか抜いて見た。
パラパラ捲るが何もない。偶然引き当てる確率は低いか、と見切りを付ける。
「聖火学院は宗教科目もあるし……教義に反する悪魔についても、少しは記述があるはずだわ」
次に悪魔自体の情報収集。エリシアはベルダートについてほとんど知らない。魔法使いと悪魔はどう違っていて、両者の繋がりは如何なるものなのか。関係性を知りたかった。
「神話と……宗教史、これも」
本を抱えて戻ると、ニーナも勉強を終え読書に励んでいた。熱心な表情、邪魔をしないよう声はかけない。エリシアも手にした本を開く。
「……魔法使い」
魔法使いとは正しき信仰に背き、邪な力で人心を惑わす存在である。悪魔と通じ契約を交わす者、または悪魔に魅入られ不徳を行う者を指す。
悪魔は強大で、下手に呼び出そうものなら、たちまち心狂わされるという。
つまり成功すれば対等、失敗すれば隷属。後者が悪魔の手下なら、少なくとも自称悪い魔法使いのベルダートは前者。契約を交わした方に違いない。
──でも、それだとニーナは当て嵌まらないような。ニーナはむしろ……
「使徒」
神のご意思に基き、奇跡の片鱗たる御技を揮う許しを得た代行者。遍くご威光を謳い知らしめ、邪悪を退ける。堕落した魂に鉄槌を下す存在である。
そう表記されていた。エリシアの認識とほぼ変わらない内容だ。世間では魔法使いと使徒は真逆にあたる。
──でも魔法は魔法よね。神の名の下にあれば使徒で、それ以外は魔法使い……異端者なのかしら。所属が力の主体で、どこに属するかで質や所業は異なって当然、とする考え方?
恐らくこれは後世の人の曲解。信仰が違えば邪悪扱いとは。ここでは悪魔とされていても、余所では神や精霊と崇められているかもしれないのに。宗派で善悪を振り分けるのは偏見だ。
──信仰の有無で人は変わらないわ。孤児だった頃の私は、世界も神も恨んでたもの。お祈りで空腹は消えない。神様は全然優しくないし、ちっとも救われないって。私を助けてくれたのは信仰でも神でもない、ベルダート様だわ。
ふうと息をつき、エリシアは別の本を開く。聖ブランカの神話だ。
「聖火の乙女と雪の悪魔……」
簡単にまとめるとこうだ。神の恵み多き人の世を妬み、世界を雪と氷に閉ざそうとした悪魔を、乙女が神より授けられた白き火で退けた。神に祝福されし乙女ブランカは聖人として祀られた、である。
一般的な信徒なら、ブランカの白き火は神に授けられた奇跡の御技で、邪な魔法とは考えない。
──白き火も魔法のようだけど。教義において聖ブランカは神の使徒で、聖人だものね。
きっと古代と現代で魔法使いの定義は大きく乖離している。近代の宗教家が異教の聖人を指して、悪魔の力を用いる魔法使いだと排斥したいだけ。
それが罷り通る程、勢力を増した証だろう。もしかしたら雪の悪魔も。単に余所の神や精霊に、人間が善悪を押し付けただけなのでは。エリシアはそう考える。
──魔法使いは異教徒への揶揄。本当に悪魔かどうか、本物の魔法使いかどうかは関係ないのね。
エリシアの知る自称悪い魔法使いは邪悪ではない。もしかしたら人間じゃなくても、それは変わらない。
「エリシア、利用時間終わりだって」
「もうそんな時間?」
肩を揺するニーナの声にハッとして本を閉じる。外はとうに日が沈んでいた。
「ニーナ……どうしたの、その荷物」
登校したエリシアは一瞬言葉に窮した。ニーナは鞄の他に、中がぎっしり詰まった手提げを持っている。首を傾ぐエリシアに、胸を張りニーナは語った。
「近頃物騒らしいから、備えあれば憂いなしって色々買い込んで来ちゃった! 傷薬に包帯に……怪我したらすぐ言って!」
ニーナの行動力と用心深さに、エリシアは舌を巻く。何より、独り占めする為に買い溜めたのではなく、怪我人を手当する為なのが心憎い。
翳りのない笑顔に、エリシアは引け目を感じてしまう。
「……ニーナは優しいのね。聖女様みたいだわ」
「まさか。それを言うならエリシアこそよ。そうだ、これあげる!」
ニーナがごそごそと取り出したのはチャーム。しっかりした紐で括られたパーツには、透明感のある貴石が並ぶ。水晶と孔雀石だ。
「綺麗ね、ニーナの手作りかしら」
「実はそうなの。魔除けのお守りのつもり。お揃いで付けよう?」
「ありがとうニーナ」
一緒に鞄にチャームを括り付け、可愛いねと笑い合う。和やかな気持ちで教室に向かい、級友とも挨拶を交わした。
翌日エリシアは焼き菓子を渡してニーナに礼をし、結局二人で一緒に食べた。
そんな平和な日々も長くは続かず。二ヶ月も経つ頃、学院の雰囲気は一変してしまう。妙な噂が立ったせいだ。
「先輩が魔法陣の紙が挟まった本を、図書室で見付けてしまったって……」
「そういえばこの間、階段で足を滑らせた人が……」
「やっぱり呪われているのかしら」
今日も不穏な話が耳に入る。今では魔法陣の落書きが、死刑宣告か何かのように恐れられていた。エリシアも浮かない顔でニーナに耳打ちする。
「もうすぐ最初の試験なのに、皆それ所じゃないみたい」
「ピリピリするにしても、こういうのは嫌ね」
挨拶もそこそこに席に着いたエリシアは、偶然気付く。自分の机の裏側に、紙が貼り付けられていると。
「……」
そっと指先を這わせる。メモくらいの紙片、糊が少しだけ角に塗ってあるようだ。急いで済ませようと全面には塗らなかったのだろう。
そっと剥がす。ビリッと小さな音と感触、人目を忍んで掌に握り込む。エリシアはその場で見ずに、机の中へと押し込んだ。
こんな小細工をして寄越された紙に、素敵な内容が記されているはずがない。自分の出自を思えば、十中八九嫌がらせと分かる。
──もし酷い内容だったら、ニーナの目に触れさせたくないもの。
何故か自然とそう思った。ニーナの弱みを握ろうと、友達のふりをしているくせに……と口の中が苦くなる。妙にやるせない気持ちだ。エリシアはじっと、そのまま休み時間までをやり過ごした。
「ニーナ、私ちょっと……」
「あ、お手洗いなら私も行く」
「口に出すのは淑女らしからぬって、叱られてしまうわよ」
「ごめん、内緒にしてね!」
「ええ」
チョロッと舌を出すニーナと連れ立った。個室の中でエリシアは紙片を開く。どんな罵倒が並んでいるのかと思いきや、魔法陣が書かれているだけだった。
「え?」
正直拍子抜けしてしまう。同時に、噂の影響がここまで蔓延っているのかと驚く。いや噂話の内容からして、エリシアは誰かの恨みを買っているのだ。喜ばしくはない。
恨みか、嫌がらせか、相手を認識していない行きずりの犯行かも定かでないけれど。
「これは……下手に被害を訴えると不味いかしら」
もし知られたら逆に、あいつは恨まれるようなことを誰かにしたのか、と邪推されかねない。結果としてエリシアやイース家の評判に傷が付くと困る。
証拠だけ確保して、知らん顔をすべきだろう。エリシアはそう結論付けた。それにエリシアは、本物の魔法使いと魔法陣を両方知っている。
──それっぽく書かれてるだけよね。本物は有無を言わさぬものよ、この目で見たわ。
「だから怖くはないけど……不愉快かも」
紙片にくしゃりと皺が寄った。
***
「一緒に帰ろうエリシア」
「図書室へ行くから、ニーナは先に帰っていて?」
「試験勉強? じゃあ私もするよ」
すると近くの席にいた男子生徒が声をかけて来た。
「付いて行こうか?」
「どうするエリシア」
私が決めていいのかなと思いつつ、エリシアは首を振る。
「……ううん大丈夫。ここからなら近いし、二人でいるもの。ご親切にどうもありがとう」
やや残念そうにそっかと応じる男子生徒に挨拶し、二人で鞄を手に図書室へと。
「空いてるわね」
「試験前でこれじゃあ、よっぽどよね」
やはり人が少ない。偶然手にした本に、もし魔法陣の紙が挟まっていたら怖いからか。無理もない。
エリシアはお題目の試験勉強を小一時間こなすと、書架の前で試験とは関係ない本を幾つか抜いて見た。
パラパラ捲るが何もない。偶然引き当てる確率は低いか、と見切りを付ける。
「聖火学院は宗教科目もあるし……教義に反する悪魔についても、少しは記述があるはずだわ」
次に悪魔自体の情報収集。エリシアはベルダートについてほとんど知らない。魔法使いと悪魔はどう違っていて、両者の繋がりは如何なるものなのか。関係性を知りたかった。
「神話と……宗教史、これも」
本を抱えて戻ると、ニーナも勉強を終え読書に励んでいた。熱心な表情、邪魔をしないよう声はかけない。エリシアも手にした本を開く。
「……魔法使い」
魔法使いとは正しき信仰に背き、邪な力で人心を惑わす存在である。悪魔と通じ契約を交わす者、または悪魔に魅入られ不徳を行う者を指す。
悪魔は強大で、下手に呼び出そうものなら、たちまち心狂わされるという。
つまり成功すれば対等、失敗すれば隷属。後者が悪魔の手下なら、少なくとも自称悪い魔法使いのベルダートは前者。契約を交わした方に違いない。
──でも、それだとニーナは当て嵌まらないような。ニーナはむしろ……
「使徒」
神のご意思に基き、奇跡の片鱗たる御技を揮う許しを得た代行者。遍くご威光を謳い知らしめ、邪悪を退ける。堕落した魂に鉄槌を下す存在である。
そう表記されていた。エリシアの認識とほぼ変わらない内容だ。世間では魔法使いと使徒は真逆にあたる。
──でも魔法は魔法よね。神の名の下にあれば使徒で、それ以外は魔法使い……異端者なのかしら。所属が力の主体で、どこに属するかで質や所業は異なって当然、とする考え方?
恐らくこれは後世の人の曲解。信仰が違えば邪悪扱いとは。ここでは悪魔とされていても、余所では神や精霊と崇められているかもしれないのに。宗派で善悪を振り分けるのは偏見だ。
──信仰の有無で人は変わらないわ。孤児だった頃の私は、世界も神も恨んでたもの。お祈りで空腹は消えない。神様は全然優しくないし、ちっとも救われないって。私を助けてくれたのは信仰でも神でもない、ベルダート様だわ。
ふうと息をつき、エリシアは別の本を開く。聖ブランカの神話だ。
「聖火の乙女と雪の悪魔……」
簡単にまとめるとこうだ。神の恵み多き人の世を妬み、世界を雪と氷に閉ざそうとした悪魔を、乙女が神より授けられた白き火で退けた。神に祝福されし乙女ブランカは聖人として祀られた、である。
一般的な信徒なら、ブランカの白き火は神に授けられた奇跡の御技で、邪な魔法とは考えない。
──白き火も魔法のようだけど。教義において聖ブランカは神の使徒で、聖人だものね。
きっと古代と現代で魔法使いの定義は大きく乖離している。近代の宗教家が異教の聖人を指して、悪魔の力を用いる魔法使いだと排斥したいだけ。
それが罷り通る程、勢力を増した証だろう。もしかしたら雪の悪魔も。単に余所の神や精霊に、人間が善悪を押し付けただけなのでは。エリシアはそう考える。
──魔法使いは異教徒への揶揄。本当に悪魔かどうか、本物の魔法使いかどうかは関係ないのね。
エリシアの知る自称悪い魔法使いは邪悪ではない。もしかしたら人間じゃなくても、それは変わらない。
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