夢の果て

ゆう

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第7話

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「俺に何か用か」
「はい」
「お話だけってわけじゃないさそうだな」
「いいえ、貴方次第では、お話だけで解決できますよ」
「俺に何をしろと」
「私に連行されればいいんですよ」
「そんなもん誰が受けるかよ。お前も能力者なんだろ。なら、能力で白黒つけようや」
「やはり、そうなりますか。いいですよ始めからそのつもりでたし」
 金塚さんは男の方へ一直線に走って向かっていった。発火の能力を使うつもりだろう。男は立ったままそれを迎えていた。
「お前の能力が何かは知らないが、触れた時点で私の勝ちだ」
「いいよ、触れてみろよ」
「自分の能力を過信しているのか。触れられたら負けだとわかっているのか」
男は不敵な笑みを浮かべ、以前として、ただ立っているだけだった。もし、俺が金塚さんの立場だったらあんなに堂々と立っている奴には近づかない。間違いなく何かあるからだ。
「ふ、お前の負けだ。燃えてなくなれ」
 金塚さんが男の体に触れた瞬間、激しい光とともに手を弾かれた。
「っ、何をした」
「お望み通り触らしてやったのに、なにか不満があるのか」
「クソが」
 また、金塚さんは男に突っ込んでいった。
「また、弾かれただと。いや、この感覚,弾かれたのではなく私が反射的に離したと言うのか」
「そういうことだ。そりゃ、誰だって電気を触ったら手を離すだろうな」
「電気だと」
「ああ」
 男の体から何か鳥のようなものが出てきた。黄色く輝いている。あれは電気をまとっているのか。
「サンダーバード、やつを倒せ」
男が命令すると、黄色い鳥は金塚さんに向かって飛んでいった。
「ぐあああああ」
「お前が喧嘩売るから行けないんだぜ」
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