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第8話
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金塚さんは微動だにせず横たわっている。どうやら死んでしまったようだ。
「そこの草むらにいるお前はさっきのやつの味方か」
俺のことに気づいていたのか。どうする、飛び出すか、それともこのまま身を潜めているか。
「出てこないなら、俺からいってやるよ」
「俺はお前の敵じゃない」
あのまま隠れていたら殺されるかもしれないと思い、姿を見せた。
「では、なぜ隠れていた」
「それは、」
「なんだ、言えない理由でもあるのか」
「金塚さん。あそこに横たわってる人が死ぬことがわかっていたから、助けにきたんだ」
「なんだ。やっぱり、味方なんじゃないか」
「違う。俺は金塚さんが悪い人だとは知らなかったから、助けにきたんだ」
「なら、少年。悪い人なら見殺しにしてもいいと言うのか」
答えが詰まってしまった。違う、と言えばいいだけなのに。
「意地悪だったな。さっきの質問は。少年、名はなんという」
「月影悠だ」
「月影はあの放送どう思った。お前も能力者だろ」
「おかしいと思ったよ。だから俺はあの放送したやつを探して、この異常現象を止めるために旅に出た」
「なら、目的は俺と似たようなものだな。ここは協力しないか。お互いにあの夢の楽園に用があるみたいだしよ」
彼が仲間になってくれるなら心強い。せっかくのお誘いだ。俺は彼の差し出したを手を握った。
「交渉成立だな。俺はマックイーン、気軽にマックとでも呼んでくれ」
「そこの草むらにいるお前はさっきのやつの味方か」
俺のことに気づいていたのか。どうする、飛び出すか、それともこのまま身を潜めているか。
「出てこないなら、俺からいってやるよ」
「俺はお前の敵じゃない」
あのまま隠れていたら殺されるかもしれないと思い、姿を見せた。
「では、なぜ隠れていた」
「それは、」
「なんだ、言えない理由でもあるのか」
「金塚さん。あそこに横たわってる人が死ぬことがわかっていたから、助けにきたんだ」
「なんだ。やっぱり、味方なんじゃないか」
「違う。俺は金塚さんが悪い人だとは知らなかったから、助けにきたんだ」
「なら、少年。悪い人なら見殺しにしてもいいと言うのか」
答えが詰まってしまった。違う、と言えばいいだけなのに。
「意地悪だったな。さっきの質問は。少年、名はなんという」
「月影悠だ」
「月影はあの放送どう思った。お前も能力者だろ」
「おかしいと思ったよ。だから俺はあの放送したやつを探して、この異常現象を止めるために旅に出た」
「なら、目的は俺と似たようなものだな。ここは協力しないか。お互いにあの夢の楽園に用があるみたいだしよ」
彼が仲間になってくれるなら心強い。せっかくのお誘いだ。俺は彼の差し出したを手を握った。
「交渉成立だな。俺はマックイーン、気軽にマックとでも呼んでくれ」
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