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第4節 巻き起こる様々な試練と それをいともたやすく乗り越える女子高生(おっさん)の日常

102.100話目で何かが起きそうなフラグをたてられる女子高生(おっさん)②

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〈2-A教室〉

 窓の外を眺める──雨が少し強くなってきているのを目視と音で捉(とら)えた。果たしてそれは俺(アシュナ)の行く路(みち)に待ち受ける運命を知らせてくれているものなのか……答えは100イベント目となった誕生日の最中には判明するだろう。

「では改めまして……アシュナ、17歳の誕生日おめでとうございます。あなたがこの世に産まれてきてくれた奇跡の恩恵を……私(わたくし)やご令妹はじめ、ここにいる皆一同が一身に受けています。今日はその身に余る感謝をアシュナに少しでも御返しするのが赦された日なのです……アシュナ、ここに在(い)てくれて本当にありがとう。それでは、乾杯」
「「「「かんぱ~いっ!! おめでとうー!」」」」

 めらぎの前口上によりアシュナバースデーパーティーは盛大に幕を開けた。黒板前の教卓は取り払われ、壇上にはプレゼント箱が並べられた長机と玉座のような椅子──そこに半ば強制的に座らされる。目立ちすぎて恥ずかしい。

「一時間しかとれませんでしたので、余興は無しにして早速皆さんからのプレゼントタイムとさせて頂きますわ。では最初は【姫廻陽女】さんからですわね」
「はい、あたしからはバースデーケーキだよ」
「ヒメさんには皇家の専属パティシエに一週間程度弟子入りしてもらって最高のケーキ造りの腕を仕込んで頂きましたわ、因みにですが彼女自ら志願してきたんですのよ」
「あたしは物選びのセンスが無いからさ、これなら喜んでもらえると思って」
「ヒメ……ありがとう」

 テーブルにあったクローシュ(料理に被せる銀のボウルみたいなやつ)を取るとそこにはまるで王室御用達といった感じのお洒落極まりないケーキがあった。この齢になると生クリームを見ただけで胃もたれするので種類とか材料とかよくわからないが……とにかくsns時代の女子高生ならイン●タ用に二千枚くらい保存しそうな出来映えだった。
 しかし、やっぱりこれ全部食べるとリバースしそうなので皆で分けあう事にした。

 その後──プレゼントタイムは滞りなく進んだ。
 ヒナヒナやヒマリ、ミクミクやエナやキラカ、イズミちゃんやキラホシちゃんの女子チームからは可愛い洋服類や化粧品や、学校で使う女の子らしいペンケースや手帳など……女子高生らしい様々なプレゼントを貰った。おっさんには不用なものではあったが……『女子高生がくれた物』というだけで絶大な付加価値があるので別の用途で使おう、と喜んだ。

「では……続いて野獣どもからのプレゼントですが……下卑た物があるかもしれないので私たちで検閲させて頂きますわ」
「そうですね、下品な物があれば即座に破壊しますからそのつもりで」
「そういった物を贈りつけて反応を見たいっていう変態もいますもんね」

 初対面のはずなのに『男大嫌いチーム』を即座に結成させためらぎとイズミちゃんとマナが絶妙なコンビネーションで抗菌仕様の手袋をつけて前に出た。

「さ……さすがにそれは酷くないかな……?」
「お姉ちゃん、男はケダモノなんだよっ。これ以上お姉ちゃんの身体をキズモノにするわけにはいかないんだからっ!」
「流石、アシュナの御令妹ですわ」
「大丈夫だよマナちゃんっ、お姉様に近づく男は私が殺すから」

 息ぴったりの三人に、男の心を宿している俺はなにも言えなかった。

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