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第4節 巻き起こる様々な試練と それをいともたやすく乗り越える女子高生(おっさん)の日常
115.女子高生(おっさん)の修学旅行~プロローグ~
しおりを挟む「アシュナ……荷物少なくない?」
「……そう?」
「凄いね~、わたしなんかケースぱんぱんだよ~」
「……たぶんアシュナ女子にとって大事なものとか入れてないでしょ……?」
「大丈夫、腹巻きとももひきは忘れてないよ」
「違うよ?! 化粧品とか生理用品とかアイロンとかもっと大事なものあるでしょ!?」
「アシュナ、あと今時の女子高生はももひきなんて言わないからね?」
「いいじゃんアシュナちゃんらしくて~」
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〈PM13:00 沖縄 那覇空港〉
6月下旬、梅雨がほぼ終わりを迎え……おっさんにとって最高の時期がやって来る。薄着の女性達を合法的に眼に焼きつける季節だ。
それを象徴する──照りつける太陽を国内でいち早く迎えた沖縄に俺達は舞い降りた。待ちきれなかったかのように、ヒナ達は集合時点で既にはしゃぎまくっていて飛行機の中でも寝かせてくれなかったのでとても眠い。
「お嬢、初めての飛行機と仰っていましたが……気分はいかがですか?」
「ありがとう、大丈夫です……というか当然のようについてくるんですね……」
「ご安心下さい、俺も夜のSPも邪魔にならないように影から見守りますので」
コクウはそう言って、遠くから俺を見守る態勢に入った。凄い気になるけど……自分のためにしてくれてる仕事なんだから仕方ない。
「ついにボディーガードまでついたんだねアシュナっち、しかもイケメン。テンマっちー、こりゃあうかうかしてると取られるかもよー」
「ふん、アシュナは容姿で男を選別などせん。そもそも男に興味が無いのだからな」
「それだとアンタも望み無いじゃん」
「………」
「あぁ……私のアシュナちゃんにどんどん男が群がってくる……アシュナちゃんが汚される前になんとかしないと……」
「なんや物騒なこと呟いてへんでせっかくの沖縄やでエナちゃん、楽しまんと!」
ヒナ達だけではなく、ミクもエナもキラカも、あのテンマさえも浮き足立っている様子だ。クラスのみんなも、陽キャ男子達は言うまでもない。まだ空港だというのになんて迷惑な奴らだ。
一方──ケンら陰の組と一部の男子達はうってかわって沈んだ表情をしていた。
「……」
「元気ないねケン」
「……ぅふぉう……アシュナ殿……当然でござろう……我らが見知らぬ者共と団体行動などできるはずないであろう……唯一の救いは三日目にアシュナ殿と同伴であることのみ……」
「同伴は意味が違うでしょ」
そう──校長の愚策により全部の班が二日目と三日目でグループ総入れ替えとなり、なんか滅茶苦茶な班編成になってしまったのだ。
女子は仲の良いメンバーで固められているため、俺にとっては良い政策だったが……陰の男子達にとっては地獄だった。
「アシュナちゃんと一緒になれなかったうえにリア充達と同じ班……鬱だ死のう……」
「台風で中止になれ台風で中止になれ……」
──などとあちこちから呪詛が聞こえてくる始末……気持ちは良く理解るが沖縄の晴れやかな舞台が台無しである。
「……」
「ヤソラちゃん、ぅひひ……班行動の時は宜しくね」
「……ふん」
そして、女子にも浮かない顔が一人……転校生である未来のアイドル【ヤソラ】ちゃん。彼女は転入したてという事で両日ともに俺と一緒の班になった、というか俺が買って出た。なんとかしてこの娘をアイドルデビューさせなければならないからだ。
とにもかくにも波乱がありそうでなさそうな修学旅行がスタートする。
〈二日目班編成〉
~女子~
・【波澄アシュナ】・【三久ミク】・【早苗エナ】
・【七海ヤソラ】
~男子~
・【鳳凰天馬】・【来栖亜璃修】・【金子ユウタ】
〈三日目班編成〉
~女子~
・【波澄アシュナ】・【朝比奈ヒナ】・【樋廻ヒマリ】・【姫廻ヒメ】・【七海ヤソラ】
~男子~
・【猿渡ケン】・【鈴木タケル】・【小間イオリ】
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