おっさんの俺が美少女になって高校生からやり直したら人生クッソチョロかった件

司真 緋水銀

文字の大きさ
154 / 268
第5節 女子高生(おっさん)の日常と、いとも愛しい夏休み

142.女子高生(おっさん)と美容室

しおりを挟む

「ね……ねぇ、めらぎ……東京の美容室って本当にマイシャンプー持ってかなくていいのかな……?」
「わ……わかりませんわ……わたくしはいつも専属の美容師に整えてもらっていますもの……ですが、アシュナのお友達がそう言うのであれば間違いないのでは?」
「そうだけど……ヒナヒナ達も地元の美容室らしいし場所によってルールが変わるのかも……都会だし」
「……あり得ますわね、ネットで調べてみましょう」
「嘘つきの巣窟(すくつ)のvipだけはやめてね?」



〈東京 青山〉

 休日──遂に翌週に迎えた小説発売に伴い、編集長から『一度、サロンとブティックに顔を出してあげて頂戴』と頼まれたので東京へとやって来た。そういえば契約の時に無料で利用できるサロンやらを紹介されたが……いかんせん遠いし、なによりおっさん全然美容に興味ないので一度も行ってなかった。さすがに悪いので小説発表の機に利用してみることにしたのだ。

 その話をめらぎにしたら『修学旅行だったのでアシュナ成分が足りない、ご一緒しますわ』と強く言うので同行してもらったわけである。

「コクウさんは美容室のルール知らない?」
「すみません……俺も髪は自分で切っているので美容室には行った事が……」
「そういうアシュナも一度も行った事がないんですの?」
「うん、地元の床屋しかないよ(前世の話だけど)」 
「……同年代の女子が床屋と言っているのを初めて聞きましたわ……」
「お嬢、あの店です」

 オシャンティな店の立ち並ぶ通りに、更に王室御用達みたいな綺麗な建物がコクウさんの指す場所に存在していた。赤青白のくるくるもなく、一見するとまるで宝石店。
 一層の覚悟を持って挑まねばならないようだ、はっきり言ってスターボックスよりも怖い。美容室のルールなんて誰も教えてくれてないし、カリスマ美容師なんて陽キャの権化みたいなやつだし(※偏見です)、きっと陰キャの客に『仕事なにしてるんスか~w彼女とかいるんスか~ww』とか悪意を持って聞いてくる奴等の集団だし(※そんな事ありません)関わりたくない。

 そんな思いで入店を尻込みしていると、ガラス越しに見られたのか……店員らしき人が扉からこちらを隠れ覗いていた。

「あ……あの…………ア、アシュナさんですょね……?」
「え……あ……はい……」
「ぉぉぉ会いで……光栄でです……わ……私が……のまえ編集長……紹介……預りました専属……師の………【初音(はつね)……】です……どぅぞょろしく……」
「え……ごめんなさい……なんて?」
「そ……そそぅ……ょね……わ私……かが……あなた様……なリア…………………………………………………………ね」

 出てきたのはめっちゃ親近感を覚えるけども何を言ってるのか全く聞き取れない……確実に同属性の美容師だった。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

処理中です...