【箱庭(ラインクラフト)】~お荷物として幼馴染みに殺されかけた俺は転生の創造主の力で世界を創り変える、勿論復讐(ざまぁ)も忘れずに~

司真 緋水銀

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チュートリアル

#004~箱庭入門『課金』

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 俺は立ったまま視点を下にして【アイテムスロット】に右手を伸ばし、収納された床ブロックを取り出した。

「っと……!!」

 取り出した際の振動により、俺の体も少し揺れる。そう、視点を下にしてアイテムを取り出すと……手の中に収まらない掴めないような大きさの物は足下と地面の間に現れる。
 今、俺の身長は二メートルほどプラスされた。足下に取り出した床のブロックによって。視線を下にしてブロックを取り出すと自動で俺の体はブロックの上に乗るらしい。

「まるで召喚獣を扱う召喚士の気分だな……現れたのがブロックっていうのが味気ないけど」

 この要領でどんどんブロックを積み重ねれば、あの穴を登る事ができる。
 
「登るという表現が正しいかはわからないが……正確にはブロックをどんどん出現させ積み重ねて自動で俺は上に上がっていけばいいだけだ、エレベーターみたいに垂直に」
<なはは、地球の知識を得たからって早速地球かぶれしてやがる>
「別にいいだろ……なんとなく使ってみたかったんだよ」
<好きにすりゃあいいがよ、ところでブロックはそんだけで足りんのか? そうとう深いんだぜここは>
「考えてあるから平気だ」
<そりゃ結構なことで>

----------------------------
--------------

-1時間後-

 今、どのくらいの高さにいるのだろうか。
 下に積み重った箱と周囲の壁の隙間を見る勇気はない、かなり高い場所にいるだろう事は隙間を通る冷たい風の音で理解できる。
 俺は間違っても『左手』で足下のブロックに触れないように松明を握りしめていた。
 どうやらブロックの形状ではない物はアイテムスロットから取り出して触っても壊れないらしい。

 ブロックのストックがそろそろ無くなってきたので俺は通り抜けている穴の周囲の壁に触る。

「クラフト!」

 触れてブロック化された壁は即座にアイテムスロットに収納。これで周囲の壁をブロック化で削りながら収納して進めばブロックの残量は心配いらない。

<どーでもいいけど何だ今の「クラフト!」って叫びは? 中二病全開か?>
「俺は病気じゃない。いいだろ別に? 『ブロック化』じゃ味気ないし」
<なはは、だっせぇ。ま、いいさ。大分要領は掴んだみたいだしな>

 俺はハコザキと軽口をたたきながらクラフトで収納&出現させて縦穴を進む。段々と作業化して慣れてきた俺はハコザキに色々聞いてみる事にした。

「……なぁ、そういえばアンタは一体何なんだ? あの箱だらけの世界で生活してるのか? 本当は神なのか? それとも悪魔なのか?」
<くだらねぇ質問してんじゃねぇよ。今はチュートリアルだぜ?【箱庭】の力以外の質問にゃあ答えねぇからそのつもりで>
「………じゃあ、この【箱庭】の力……他にもまだあるのか?」
<そうそう、そーゆー質問なら受けつけてんぜ? もちろんあるに決まってんだろ? だが……お前さんの言う【クラフト】がこの力の肝であってその他は付随する力にすぎねぇよ。教えてやってもいいが……その前に【課金】して貰わなきゃな>
「………?【課金】……?【課金】って何だ? 確か地球語だったっけ?」
<単純明快に直訳すると【金払え】ってこった>
「金!? お前神だとか何だとか言っといて金欲しいの!?」
<たりめぇよ、金は天下の回り物。いや、天上でも金の力が全てさ>
「…………」

 ハコザキが神なのか悪魔なのか知らないが……そんなに俗物的なのものだったのか、と勝手に幻滅する。こんな不思議な力を持ってる神様なら金なんて直ぐに稼げるんじゃないだろうか。

<ちなみにお前さんの世界の通貨でかまわねぇぜ? 俺がこっちで使えるように勝手にするからよ。まぁ交換レートは割高だが>
「よくわからんけど……払うったってどうすりゃいいんだよ。まさか教会に寄付でもすりゃいいのか? それともお前に直接渡すのか?」
<なはは、やなこった面倒くせえ。んなしち面倒な事しなくても平気さ。『項目』の中に【スキルボックス】っつーもんがある。開いてみろや>

 俺は作業を止め、言われた通りに項目を開いてその【スキルボックス】とやらを押してみる。
 すると視界から項目は消え、変わりに大小様々な光った箱が突然飛び出してきた。

「うわわぁぁぁっ!?」

 びっくりした俺はバランスを崩し床のボックスから落ちそうになった。
 飛び出した箱は現実の物ではなかったらしく俺の視界いっぱいに広がる。光ってはいるが透明なので向こうの暗闇や壁も透けて見える。

(ただの映像みたいなものか……先に言ってくれよ)
<なははは!! そいつはお前さんがこれから習得できる力の入った箱さ。新たなスキルを得たけりゃあそこに金を入れろ、そうすりゃお前さんは更に便利な力を手に入れられるぜ>

 透明の箱を見てみると確かに硬貨を入れるような小さな鍵穴が空いていた。
 鍵穴の下には何やら名称と長い説明文のようなものが記載されている。これは……得られる力の名前とその効果が書かれているらしい。
 更にその下にはご丁寧にも俺の世界の貨幣の値段らしき数字の羅列が書いてあった。

<【アイテムスロット】と【クラフト】の力は俺からの出血大サービスで無料にしてやる。だが、言っちまえば今はその二つしか使えずに他はロックされてる。【クラフト】をもっと活かすためには他のスキルは欠かせねぇぜ?>
「………あそこにある一番でかい箱は……?」

 数多くの箱が並ぶその最奥にある、まるで山のような箱に自然に目が引かれる。

<ありゃあ気にすんな、まだお前さんには到底払えねぇバカ高いお値段の能力だ……だが、それに見合うだけの価値があるまさに無敵の能力よ>

 そんな事言われたら余計に気になるが、遠目に僅かに見える値段の0の桁の多さを見て気にしない事にした。一生どころか百回生まれ変わっても稼げそうもない、何かの冗談みたいな金額だった。
 
<お前さんの所持金で今開けられる箱は一つだけさな、しけてやがんなお前>
「……所持金? 俺は落とされる時に装備品ごと身ぐるみ剥がされて今何も持ってないぞ?」
<お前さんのホームにはあんだろーが。さっき俺が回収してきてやったぜ>

 どうやらハコザキは不思議な力で俺の住まいに貯めてあった金を勝手に徴収したらしい。何でもありだなこいつ。

<さ、どーするよ? すぐに開けるか?>
「勿論だ、全部突っ込んでくれ」

 どうせ大事に持ってたってもう俺には何もない。だったら悪魔にくれてやる、そして、生まれ変わるんだ。

 必ず、あいつらに報いを受けさせてやる。

<はっ! いい決断力だ、そらっ! 受け取れ! こいつは名称【インベントリ】……お前さんの世界でいやぁ……【収納魔法】ってやつだな。だが、魔法なんざとは比べもんにならねぇ! その数は33×33合計1000とんで89種類ものアイテムを貯めておける代物さ!>







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