一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい

司真 緋水銀

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序章第二節 石原鳴月維、身辺警備開始

■番外編.女子風呂談義 ※ムセン視点

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チャプッ………

「はぁ……生き返りますね……まさかこんな山奥に天然の温泉が湧いているだなんて……」

 私達は洞窟の魔物騒動の後、一夜を明かして森の奥にあった山脈にたどり着きました。もちろん目的はエミリさんの依頼であるこの山脈にしか咲かない『マタゴ花』なんですけど……その道中、山脈の麓に温泉を見つけたので私達の希望で温泉で汗を流す事にしたのです。

 昨日は汗もかきましたし……魔物の糸のせいで身体中ベトベトで……あまり眠れませんでしたから……凄くリフレッシュしています!

「…………」
「エミリさん? どうしたのかな? 熱いのかな?」
「………ムセンもシューズもどうしたらそんなに大きくなるなのよ……身体も細いのに……おかしいなのよ……」
「どっ……どこ見てるんですかっ!? 私は別にそこまで大きくありませんし……!そもそもエミリさんはまだ発育期でもないでしょう?」
「……そうだけど……あと10年かそこらでそこまで育つ気がしないなのよ……」
「大丈夫ですよ、ちゃんと育ちます。それにこんなものなくてもエミリさんは可愛いですから……きっと大丈夫です!」
「………フォローなのかなんなのかわからないけど……ありがとなのよ」

 私達は女子談義に華を咲かせます。

「あーあ、イシハラ君も一緒に入ればよかったのに」
「無茶苦茶言わないでくださいシューズさん! ふしだらですよ! 男女が同じ湯に裸で浸かるなんて………………裸で……………」

~~~~~~~~~~~
◇ムセン・アイコム妄想

「い……いいお湯ですね……イシハラさん…」
「確かに」
「お……お背中……お流し……しましょうか……?」
「頼む、俺も洗ってやろう。こっちを向け」
「だっ……だめです……イシハラさん……えっちな事は……あっ……」

~~~~~~~~~~~

「…………そこは……敏感なので……だめっ……落ち着いてください……っ……そういう事は……順序良く交際をしてから……」
「あんたが落ち着くなのよムセン」

(……はっ! 私は一体何を考えて……ふしだらです!)

 私は赤くなった顔を隠すように口元まで湯に潜りました。そこへバサバサと音を立てながら一羽の鳥さんが乱入してきました。

「ぴ! ムセン様は御主人様の事が好きなのぴ?」
「ごぼっ!? げほっげほっ!! ぴ……ぴぃさん! 突然現れて何を言っているんですか! 今は女子の時間ですよ!」
「ぴぃっ! ぴぃは性別はメスなのぴ!」
「そ……そうだったのですか……失礼しました。ぴぃさんもゆっくり浸かってください! 見張りをしてお疲れでしょうから!」

 すると、それを聞いたエミリさんの顔がなにかを企むような顔つきに変貌していきます。私はとても嫌な予感を感じました。エミリさんはシューズさんに話しかけます。

「シューズはイシハラの事が好きなのよ?」
「うん、もちろんだよー♪」
「ちなみに……あいつのどこがいいなのよ?」
「全部だよー、カッコいいし優しいし面白いし」
「…………あたしにはわからないなのよ……とことん正反対な気がするのは気のせいなのよ……?」

 私はエミリさんのその言葉に思わず立ち上がります。

「そ、そんな事ありません! イシハラさんはっ……それは普段はそう見えるかもしれませんが……いざという時はっ………はっ!」
「……むふふ、どうしたなのよ? ムセン……そんなに必死に」

(エミリさんがニヤニヤしながらこっちを見ています! 謀られました!? まだ年端もいかない子供に!?)

 私はおとなしく再度口元までお湯に浸かりました。

「……」
「まぁいいなのよ、それで……シューズは告白はしたなのよ?」
「うん、結婚の約束はしたよー」
「色々とびすぎなのよ! そうじゃなくて……まずは交際したいって告白をしなきゃダメなのよ!」
「うーん、交際かぁ。イシハラ君も同じような事言ってたしー……やっぱりそうした方がいいかなぁ?」
「当たり前なのよ! 交際しないと相手の嫌な部分とか色々見えてこないなのよ! 結婚は一生の問題なのよ!」

(エミリさんが凄くはりきってます!?)

 私は更に嫌な予感を感じてエミリさんにやんわりと止めるように促します。

「あの……エミリさんその辺で……」
「何よりイシハラを狙うやつが多いなのよ! 警備協会の試験官だったり王国騎士だったり……美人が狙ってるなのよ!? もしイシハラが他の女と交際しちゃったらもう何もできないなのよ!?」

(!!!……そうです……イシハラさんは凄く……おモテになるんです……
もし、イシハラさんが正式に誰かとお付き合いを始めてしまったら……私は……私……そんな……そんなの…………っ!)

「うーん、でもアタシ交際とかした事ないからわかんないなぁ。何をすればいいんだろう?」
「えっ?……えーと……なのよ………………手を繋いだり……なのよ!」
「手はもう繋いだよー」
「そうなのよ………えーと………」

 シューズさんと同じく交際経験のない私はエミリさんの答えに興味津々に聞き耳を立てました。

「ぴぃ! ちゅーしたり交尾すればいいっぴ!」
「交尾っ!?!?」

 (またもや思わず叫んで立ち上がってしまいました……何て事を言うのでしょうこの鳥さん……)

「交尾って何なのよ? ムセン」
「知りませんっ!」
「交尾かぁー、イシハラ君してくれるかなぁ?」
「ダメですシューズさんっ! 女性から誘うものではありませんからっ! 絶対誘ってはダメですからね!?」

「ぴぃ! ムセン様は御主人様と交尾したくないのぴ?」
「し、したいなんて言うわけないじゃないですか! はしたないです! そういうものはきちんと結婚してからと何度も言ってます!」

(それに『あの』イシハラさんですよ!? そんないかがわしい事に反応すると一切思えませんし……そうですよ!『あの』イシハラさんですからっ!! きっと村での騎士さんとの事も何かの誤解だったんです! 私の早とちりだったんですね! 良かったです、何せ『あの』イシハラさんですからね!)

……けど、もしも……私が誘ったら……イシハラさんはどんな反応をしてくれるでしょうか……と、私は考えます。

~~~~~~~~~~~
◇ムセン・アイコム妄想

「イシハラさんっ……」
「綺麗だな、俺は綺麗なものは好きだ。食べたくなる、ムセン、食わせろ」
「あっ……そんなっ……ダメですイシハラさんっ……それは食べものじゃありませっ……んっ!」

~~~~~~~~~~~

「あっ……」

 ふしだらな妄想をした私は立ちくらみに襲われて思い切りお湯の中へと倒れました。

「ムセン!?」
「どうしたのムセンちゃん?」
「ぴぃ! 大変だっぴ! ムセン様が真っ赤だっぴ! きっとのぼせたのぴ!」

(私は何て事を考えているのでしょうか……最近自分でもわからない感情に振り回されてばかりですね……もっとしっかりしなければいけません………まだ依頼試験の途中なのですから………)

 この後周囲を見張っていてくれたイシハラさんに「風呂が長すぎる」と怒られてしまいました……ごめんなさい、イシハラさん。
 お風呂の事もそうですけど。

 貴方に対するこの感情が何かはっきりさせるまではもう少し時間がかかりそうです。










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