一級警備員の俺が異世界転生したら一流警備兵になったけど色々と勧誘されて鬱陶しい

司真 緋水銀

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二章第三節.イシハラナツイ、〈続〉〈続〉借金返済の旅

番外編.【海の男と不思議な男】※イシハラナツイ視点

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〈ツブ海 船上〉

 俺は船上で釣りをして吊った魚をストーカーヤンキーの口にねじ込んだ。

「んぐぶぉあっ!!? ペッペッ!! いきなり何してんだテメェ!!?」
「怠惰で堕落している魔女が儚い少女風に旅の無事を祈ってそうな感じがして癪にさわったから」
「なに一つ何言ってんのかわかんねーんだよテメェは!!」

 なんか各地で番外編と称したシリアスななにかが起こっていそうな気がした俺がほのぼのゆるふわな空気に戻してやったというのにヤンキーは何故か怒っていた。

 いい塩梅で空腹になったその時、ちょうど現れた巨大イカを退治したら(空腹なので感想、バトル描写なし)なんかこの船の船長らしきやつが途端にはりきり出した。なんだあいつ、なにを急にテンション上がってるんだ? 危ない奴かもしれん、無視しよう。

「いえ、単にイシハラさんに魔物を退治してくれたお礼をしているだけだと思いますが……それよりもイシハラさん。『イカの方舟』とは一体どんな料理なのでしょうか? まったく聞いた事がないのですが……」

 ムセンは俺に『イカの方舟』の作り方を聞いてくる、まぁムセンが知らないのは仕方ない事だろう。地球にある某ファミレス人気メニューの独特なネーミングだからな。イカにマヨネーズとタレをかけるだけのシンプルな料理だが一度口にすればやみつきになるほどの絶品、無性に食べたくなる時がある。

「マヨネーズ……聞いた事ニャいニャ」
「おい、それよかさっきの飛べないイカがなんちゃらってどーいう意味だよ? 飛ぶイカなんざ聞いた事ねーぞ?」
「ただ言ってみたい台詞ランキングから抜粋しただけだ。意味はない、あんまり使わない頭を使うと毛が抜けるぞストーカー野郎」
「そうニャよストーカー、女の子の敵ニャ。ムセンにゃんが優しいから許してあげてるけどマジきもいニャ。しばらく話かけるニャよ」
「オレがいつストーカーなんざしたんだこの野郎!? テメーら好き勝手言ってんじゃねぇぞ待ちやがれ!!」
「ほっほっ、ワシはスルメが食べたいのぅお嬢さん……酒のつまみじゃ」
「わかりましたジレさん、けどそのお尻を触ろうとしている手をひっこめてください。触ったら許しません」
「ほっほっほっ……意外と隙がないのぅ……」

 こうして釣りをしたり、イカを食べたり、おかしな船長に厚意を向けられたり、ほのぼのしたりして俺達は新大陸へと到着した。




 
 

 

 
 



 
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