53 / 101
第五十三話 すぐに去った新人
しおりを挟む
Rさんは会社に勤めてそこそこの年月が流れ、今や中堅どころだ。
彼の部署に新人が入ったのだという。
少し覇気がない感じの大卒1年目の男性。
Rさんは新人が辞めないように、とりあえず最初は簡単な仕事から与えていくことにした。
まだ新人用の机がないため、Rさんがいるオフィスの隣にある小さな会議室で仕事の話をする。
「じゃあ、こっちの伝票のお客様名を1つずつこのエクセルに登録していってね」
「あ、はい、わかりました」
新人が返事し、Rさんは伝票の束を渡す。
「では私はあっちの部屋にいるから、もしわからないことがあったら呼んでね」
「あ、はい」
簡単な仕事だから、30分もあれば終わるだろうとRさんは思った。
まさかいきなりさぼる新人もいないだろうとは思うが、会議室のドアの窓の部分から中が覗けるため、ちょくちょく様子を見ることにした。
20分ほど経った。
ペースの速さによっては、新人がもうエクセル入力を終わっている可能性もある。その場合、暇させておくよりも次の仕事を渡した方がいいだろう。
Rさんは会議室の入り口の方に近づいていき、窓から中を覗き見た。
新人は熱心にパソコンに向かって登録を行っているようだ。
しかし、いきなりその動きが止まった。
「ん?」
新人が突然上半身を震えさせ始めた。
口を半開きにしながらがくがく、がくがくと前へ後ろへ上半身が揺れる。
局地的に地震が来たかのようだった。
「あ、がっ」
そのまま机に突っ伏してしまう新人。
顔面をしたたかに机に打ち付けていたが、目覚める様子はない。
「ちょ、これ、まずいな」
Rさんはドアを開けて会議室の中に入る。
すると、新人の後頭部から黒い霧のようなものが上に向かって生じ始めるのが見えた。
「え……?」
黒い霧は新人の真上で雲のようにまとまったかと思うと、そのまま天井に向かって移動し、消えてしまった。
しばらくその様子を見ていたRさんだったが、我に返って救急車を呼んだ。
「結局その新人は命に別状はなかったのですが、会社が嫌になったと言って休職した末に、退職しました」
Rさんはこの会議室を何度も利用しているが、今回のような事象を見たのは初めてだそうだ。
何が原因で何が起きたのか、定かでない。
彼の部署に新人が入ったのだという。
少し覇気がない感じの大卒1年目の男性。
Rさんは新人が辞めないように、とりあえず最初は簡単な仕事から与えていくことにした。
まだ新人用の机がないため、Rさんがいるオフィスの隣にある小さな会議室で仕事の話をする。
「じゃあ、こっちの伝票のお客様名を1つずつこのエクセルに登録していってね」
「あ、はい、わかりました」
新人が返事し、Rさんは伝票の束を渡す。
「では私はあっちの部屋にいるから、もしわからないことがあったら呼んでね」
「あ、はい」
簡単な仕事だから、30分もあれば終わるだろうとRさんは思った。
まさかいきなりさぼる新人もいないだろうとは思うが、会議室のドアの窓の部分から中が覗けるため、ちょくちょく様子を見ることにした。
20分ほど経った。
ペースの速さによっては、新人がもうエクセル入力を終わっている可能性もある。その場合、暇させておくよりも次の仕事を渡した方がいいだろう。
Rさんは会議室の入り口の方に近づいていき、窓から中を覗き見た。
新人は熱心にパソコンに向かって登録を行っているようだ。
しかし、いきなりその動きが止まった。
「ん?」
新人が突然上半身を震えさせ始めた。
口を半開きにしながらがくがく、がくがくと前へ後ろへ上半身が揺れる。
局地的に地震が来たかのようだった。
「あ、がっ」
そのまま机に突っ伏してしまう新人。
顔面をしたたかに机に打ち付けていたが、目覚める様子はない。
「ちょ、これ、まずいな」
Rさんはドアを開けて会議室の中に入る。
すると、新人の後頭部から黒い霧のようなものが上に向かって生じ始めるのが見えた。
「え……?」
黒い霧は新人の真上で雲のようにまとまったかと思うと、そのまま天井に向かって移動し、消えてしまった。
しばらくその様子を見ていたRさんだったが、我に返って救急車を呼んだ。
「結局その新人は命に別状はなかったのですが、会社が嫌になったと言って休職した末に、退職しました」
Rさんはこの会議室を何度も利用しているが、今回のような事象を見たのは初めてだそうだ。
何が原因で何が起きたのか、定かでない。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【電子書籍化】ホラー短編集・ある怖い話の記録~旧 2ch 洒落にならない怖い話風 現代ホラー~
榊シロ
ホラー
【1~4話で完結する、語り口調の短編ホラー集】
ジャパニーズホラー、じわ怖、身近にありそうな怖い話など。
八尺様 や リアルなど、2chの 傑作ホラー の雰囲気を目指しています。現在 150話 越え。
===
エブリスタ・小説家になろう・カクヨムに同時掲載中
【総文字数 800,000字 超え 文庫本 約8冊分 のボリュームです】
【怖さレベル】
★☆☆ 微ホラー・ほんのり程度
★★☆ ふつうに怖い話
★★★ 旧2ch 洒落怖くらいの話
※8/2 Kindleにて電子書籍化しました
『9/27 名称変更→旧:ある雑誌記者の記録』
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/2/6:『きんようび』の章を追加。2026/2/13の朝頃より公開開始予定。
2026/2/5:『かれー』の章を追加。2026/2/12の朝頃より公開開始予定。
2026/2/4:『あくむ』の章を追加。2026/2/11の朝頃より公開開始予定。
2026/2/3:『つりいと』の章を追加。2026/2/10の朝頃より公開開始予定。
2026/2/2:『おばあちゃん』の章を追加。2026/2/9の朝頃より公開開始予定。
2026/2/1:『かんしかめら』の章を追加。2026/2/8の朝頃より公開開始予定。
2026/1/31:『うしろ』の章を追加。2026/2/7の朝頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
(ほぼ)1分で読める怖い話
涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話!
【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】
1分で読めないのもあるけどね
主人公はそれぞれ別という設定です
フィクションの話やノンフィクションの話も…。
サクサク読めて楽しい!(矛盾してる)
⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません
⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる