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第九十六話 予告された死
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Uさんが友人と神社に初詣に行った際に、手水場の前で写真を撮ったという。
日中であったが手水場の周囲に人はおらず、コートを着たHさんの友人がひしゃくで水をすくう。
彼がチラチラとUさんの方を見ながら自分の手に水をかけているところを、Uさんは撮影した。
「これ、作法は合ってるよな」
「間違ってたら恥の記録だね」
特に深い意味はなく思い出の一つとして撮影しただけだったが、それがやたらと恐ろしい写真となってしまった。
初詣を終え友人の住むアパートでしばらく話をしていた。その中で先ほど撮った写真を見返してみた。
「うわっ、これ、気持ち悪っ」
半笑いでUさんのカメラの方を向く友人。手にはひしゃくを持ち、そこから水がこぼれようとしている瞬間だ。
友人の首元におぞましいものが写っていた。
赤黒い、ひしゃげた円のようなものが何重にも首から顎にかけて広がっている。
毒キノコのような色合いと形状のそれが、首から生えているようにすら見えた。
「多分、何かゴミみたいなのが写ったんだよ」
ショックを受けた様子の友人に対し、Uさんはそうフォローするしかなかった。
「結局その数ヶ月後だったかと思いますが、彼に食道癌が見つかりました」
発見時にはすでに末期の状態であり、年末を待たずして友人は亡くなってしまったという。
謎の赤黒い円は、友人の異変を示していたのだろうか。
日中であったが手水場の周囲に人はおらず、コートを着たHさんの友人がひしゃくで水をすくう。
彼がチラチラとUさんの方を見ながら自分の手に水をかけているところを、Uさんは撮影した。
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「間違ってたら恥の記録だね」
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