たのしいたのしい日記

嵐山ノキ

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手術の不安

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 久しぶりに会社の有給を取った。遊びではない。病院に行くためだ。
 目を患っていて、はっきり言うと白内障である。まだ40歳にもなっていないのに。30代だとなかなか珍しいようで、目をぶつけるとかの物理的要因について尋ねられたが、全く思い当たることがない。不可解なことに進行したのが右目だけで左目はまだ発症していないのである。

 白内障は水晶体が濁るという症状で、自然治癒しない。そのため治そうと思うと手術するしかない。かかりつけの眼科で紹介状をもらい、今日は大病院で手術の予約をしてきたというわけだった。人工レンズを目に入れるとピント調節機能が失われる。私の場合右目だけ手術するため、右目だけは遠くがよく見えるようになるようだ。
 しかし術後に左目と右目とで視力の差が出てきてしまう。そのため左目にその差を補うコンタクトレンズをしつつ、眼鏡をかけて近くも見られるようにするらしい。よくわからなくなってきたが、もうコンタクトレンズを外してしまうとほぼ片目が機能しなくなりそうなので、寝る直前までしていなければならなそうだ。考えるだけでもしんどい。

 悲観的なことばかり考えていると気が滅入ってくる。今日休んだ分明日は仕事が溜まっているだろうとか、精神的に疲れたから小説は全く進められなかったとか、マイナス要素ばかりが頭に浮かぶ。手術後はそういう気を紛らわすために小説を読んだりすることすら難しくなりそうだ。病むかもしれない。

 たまに子どもがクソガキムーブをかます。こちらから話しかけても目を合わせずにほとんど無視してくるのだ。何が気に入らないのかは知らない。今日は母親の方に懐いているのか、私の言うことは全く聞かずに妻とだけ話している。普段は遊んでほしいとこちらにせがんでくることが多いのだが。
 今日のようなクソガキな対応はそこまで珍しいわけでもないので、その状況下では私からも極力子どもに話しかけないようにするのだが、今日は寝る直前にこちらに話しかけてきた。だが知らん。もう遅いのだ。塩対応だけして去る私である。こうやって世の中の仕組みを学んでほしいという野は建前で、実のところは私が不快だからそうしているだけだ。ポリシーはない。

 せっかくの休みだったがどうもいいことがない。雨が降って気温が低かったのが拍車をかけている。憂鬱な一日だった。
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