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同棲の始まり
生と死の狭間
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一方、その頃、ルカは。
感情のまま、ひとしきり部屋で暴れまわって、ようやく落ち着いたところだった。
そのままベッドにダイブすると、仰向けに大の字になる。
――何なんだよ、アイツっっ!勝手に生き返らせておいて、今度はオレに好きにしろって!
生きるか、死ぬかで言えば、当然、生きたいに決まっている。
けれど、そのためには。
――冗談じゃねぇ!そんなの絶対にお断りだっ!
既にもう二度も身体を奪われているらしいが、それはルカの知るところではない。
この先、生き続けるために自分から身体を差し出すなんてマネは、死んでも御免である。
――ってか、オレ、もう死んでるんだよな。
だったら。
いっそ死んでしまおうかと、そんな気持ちにもなる。
本当は一週間前に絶命していたのだと思えば、今更、死ぬ事くらい何でもないような気がした。
人魚に抱かれなければ、保てない命なんて。
そんな風にして、ずっと人魚に生かされるなんて。
――それなら、死んだ方がマシだ!そうだ!死んでやる!!
どうぜ、放っておいても七日で消える命だと言われた。
いや、七日を待たずして、「死にたい」と言えば、今夜にでも死ねるのだろう。
けれど、あの人魚と一緒に海に沈むなんて、まっぴらだ。
それなら、今、ここで。
思わず、ルカは拳銃へ手を伸ばした。
頭に銃口を突きつけ、引き金に指をかける。
ぎゅっと目を閉じて、歯を食いしばった。
簡単な事だ。
ここで引き金を引きさえすれば、全てが終わる。
なのに。
結局、ルカはその引き金を引くことはできなかった。
ゴトリと音を立てて、拳銃が床へと落ちる。
――情けねぇ。自分じゃ、死ぬ事もできねぇのかよ。
あの時は。
一週間前のあの夜、まさに死を覚悟したあの時。
ボロボロの身体で、目の前に迫る炎を見ても、特に何も思わなかったのに。
ただ漠然と。
もう助からないと悟って、呆気ない人生だったとがっかりはしたけれど、それ以上の感慨はなかった。
でも、それはきっといろいろな事を考えたり、感じたりする余裕がなかっただけに過ぎない。
けれど、今は違う。
様々な思いや感情が、ルカの胸の中に渦巻く。
もし、今、ここで死んだら。
こんなところで終わる人生に、未練がないはずもない。
やりたい事もしたい事も、まだまだたくさんあった。
残していく家族や仲間、友人の事だってそうだ。
自分の無事を、心から喜んでくれた大事な人達。
彼らをまた悲しませる事になると思うと、胸が締め付けられる。
それに、あの日、病院で目を覚ました時、ルカ自身が思ってしまったのだ。
生きていて、本当に良かったと。
――どうすりゃ、いいんだ?
“生きたい”
“死にたい”
そんな二つの思いが交錯して、ルカはその顔を両手で覆った。
感情のまま、ひとしきり部屋で暴れまわって、ようやく落ち着いたところだった。
そのままベッドにダイブすると、仰向けに大の字になる。
――何なんだよ、アイツっっ!勝手に生き返らせておいて、今度はオレに好きにしろって!
生きるか、死ぬかで言えば、当然、生きたいに決まっている。
けれど、そのためには。
――冗談じゃねぇ!そんなの絶対にお断りだっ!
既にもう二度も身体を奪われているらしいが、それはルカの知るところではない。
この先、生き続けるために自分から身体を差し出すなんてマネは、死んでも御免である。
――ってか、オレ、もう死んでるんだよな。
だったら。
いっそ死んでしまおうかと、そんな気持ちにもなる。
本当は一週間前に絶命していたのだと思えば、今更、死ぬ事くらい何でもないような気がした。
人魚に抱かれなければ、保てない命なんて。
そんな風にして、ずっと人魚に生かされるなんて。
――それなら、死んだ方がマシだ!そうだ!死んでやる!!
どうぜ、放っておいても七日で消える命だと言われた。
いや、七日を待たずして、「死にたい」と言えば、今夜にでも死ねるのだろう。
けれど、あの人魚と一緒に海に沈むなんて、まっぴらだ。
それなら、今、ここで。
思わず、ルカは拳銃へ手を伸ばした。
頭に銃口を突きつけ、引き金に指をかける。
ぎゅっと目を閉じて、歯を食いしばった。
簡単な事だ。
ここで引き金を引きさえすれば、全てが終わる。
なのに。
結局、ルカはその引き金を引くことはできなかった。
ゴトリと音を立てて、拳銃が床へと落ちる。
――情けねぇ。自分じゃ、死ぬ事もできねぇのかよ。
あの時は。
一週間前のあの夜、まさに死を覚悟したあの時。
ボロボロの身体で、目の前に迫る炎を見ても、特に何も思わなかったのに。
ただ漠然と。
もう助からないと悟って、呆気ない人生だったとがっかりはしたけれど、それ以上の感慨はなかった。
でも、それはきっといろいろな事を考えたり、感じたりする余裕がなかっただけに過ぎない。
けれど、今は違う。
様々な思いや感情が、ルカの胸の中に渦巻く。
もし、今、ここで死んだら。
こんなところで終わる人生に、未練がないはずもない。
やりたい事もしたい事も、まだまだたくさんあった。
残していく家族や仲間、友人の事だってそうだ。
自分の無事を、心から喜んでくれた大事な人達。
彼らをまた悲しませる事になると思うと、胸が締め付けられる。
それに、あの日、病院で目を覚ました時、ルカ自身が思ってしまったのだ。
生きていて、本当に良かったと。
――どうすりゃ、いいんだ?
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そんな二つの思いが交錯して、ルカはその顔を両手で覆った。
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