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第四章
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しおりを挟む今目の前にいるのは間違いなく私の兄、セランスト・オルティアナ。オルティアナ家長男で跡継ぎ。
顔も父様と母様のいいとこ取りをした綺麗な顔をしてる。
しかしこの兄様、少し怠惰なところがありまして。
私と同じでのんびりするのが好きではあるが、それに加え面倒くさがりや。
やる事はやってくれるのだが、それ以上は兄様に求めてはいけない。
これはオルティアナ家では有名なことだ。
そんな性格のせいか、あまり同い年の女子にはモテないそう。
兄様曰く、自分と同じくらいやそれ以上に顔が整っている人は他にもいる。だとしたら怠惰な自分には女子は何も求めてこない、だそうだ。
彼は確かに怠惰ではあるが、オルティアナ家の未来を父様が安心して任せられるほどの頭脳の持ち主でもある。
兄様はとても家族を大切にしてくれる。私とは気が合って関係も良好なのだが、妹のエルミラのことは若干苦手らしい。
なんでも、家に帰るたび婚約関係の小言を言われるのだとか。
少し前までは母様に言われていたのだが、話がわかるようになったエルミラがそれに加勢してくるようになったのだ。今では諦め気味の母様よりも小言がうるさいらしい。
もちろんエルミラのことはちゃんと好きらしいが、一緒にいると婚約の話ばかりで息が詰まると言っていた。
さて。
兄様のざっとした紹介はこれくらいにしよう。
本題に入らなくては。
「ここにいる理由は大切な妹に会いたかったからだよ」
「さらりと嘘を言うのはやめてください。怠惰な兄様がそんなことする筈がないのは重々承知です」
「何か酷いなぁ…」
「で?本当は何なのですか」
「うーん…長くなるんだよね、話すと」
「そうですか。では頑張ってください」
「俺があまりそういうの好きじゃないの知ってるくせに」
「はい。だからといってじゃあ説明無しでとなると話が見えなくなりますから。……言うつもりがないなら今すぐ学園か家にお帰りください」
「気のせいかな……シアが冷たい…。変に敬語つけるし。…寂しいなぁ」
私こそ気のせいかな?
いつもの兄様ならそんなこと言いませんよね。
寂しいなぁなんて、こんなに感情こもってない声
何か企んでるんですかね?
「…そんな睨まないでよ」
「何企んでるのかなと思って」
「……企んでないけど」
「本当に?」
「シア相手に企むことなんて何も無いよ。ただ…」
「?」
「自分の妹が王妃になるなんてなぁと思って」
「え」
「婚約者候補に選ばれたって母様から手紙が来て、候補は他に一人しかいないって聞いたから婚約者に選ばれるかどうか気になって聞いてきたんだよね」
「そうだったんですか……ん?聞いてきた?誰に?」
「ん?誰ってルディから」
「ルディ…」
ルディ…?
えっと……誰だ。
待って、兄様が親しくしてる人ってこと?
ルディ…ルディエル…。
あの執事のことか!
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