4 / 13
序章
プロローグ4「クラウサス宮殿襲撃」
しおりを挟む
ーPM6:45ー
日没後、市民達は再び一点に集まった。
皆、険しい顔をしていた。
既に覚悟は出来ていたのだろう。
ヴィナスティーユにいる市民のうち、約1000人が革命に参加する事になった。
その戦闘には、例の武装した8人の戦士達が立っている。
銀髪の少年は、冷酷な表情で市民達の方へ振り向き、
「本当にお前らも来るのか?奴等は俺達だけで十分だぞ?」
「あんたらだけカッコつけるなよ。俺達だって、自分の手で変えたいんだからな‼︎」
「……好きにしろ。」
銀髪の少年は呆れた顔をしながらも、市民の答えに了承した。
「でも女は残れ。両方死んだら、子供を育てる奴がいなくなるからな。」
その言葉により、参加するのはその約半分の500人程となった。
女性は不安かつ険しい顔をして、
「あんた達‼︎もし失敗したらあんた達の墓に犬の糞をぶち込んでやるからね‼︎…………絶対、生きて帰るんだよ。」
「……おう‼︎」
男達は少し震えながらも、頼もしい笑顔を女性達に見せた。
そして、8人の戦士を含む市民達は、目的の場所に目を向けた。
ユレイジアのヴィナスティーユの中心にそびえ立つ巨大な宮殿。
これを襲撃しようならば朝が来てもおかしくない。
「覚悟は、いいな?」
「……おう!」
「行くぞ‼︎‼︎最後に勝つのは……」
「「「「「「「「俺達だ‼︎‼︎‼︎」」」」」」」」
銀髪の少年の後に、男達が野獣のような声を力一杯上げる。
それと同時に走り出した。
「「「「「「「「オオオオオオオオオオオ‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」」」」
約500人の大人数が軍の襲撃により殺風景と化した街を駆け抜ける。
「まずは魔道具屋だ‼︎」
走り続けて見えたのは、石造りの立派な店だった。
その魔道具屋に着くと、銀髪の少年が店主に魔道具を要求した。
「おい、店の魔道具をありったけ寄越せ‼︎」
「はあ?何言ってんだおめえ?見ねえ顔だな、つか何だ?その格好は……って、うお⁉︎」
店主は店の外の大人数の市民を見て目を丸くした。
「な、何する気だおめえら?」
「革命だよ‼︎」
「ハァ⁉︎や……止めとけ‼︎殺されるだけだぞ‼︎それに、魔道具が欲しいなら国王様に許可貰え‼︎」
その言葉を聞いた銀髪の少年は、店主の胸倉を掴んだ。
「……あのなぁ、お前も国王に対しては不安があんだろ⁉︎おい‼︎」
「そりゃあ……そうだけどよ。革命なんて起こしたら今度こそ殺されるぞ?俺は巻き添え喰らうのはごめんだ‼︎」
「だから、その国王も王族も、全員殺すんだよ。」
「……‼︎」
店主の顔はみるみる青ざめていった。
「も……もう好きにしてくれ‼︎俺ぁ知らねえぞ‼︎‼︎」
そう言うと同時に、店主は逃げるように店の外に出ていった。
銀髪の少年はそれに構わず店の魔道具を持ち出していく。
衝撃緩和のマントや力を増幅させる指輪など。
魔道具を順番に次から次へと市民に渡していく。
ほぼ全員に行き渡ったのを確認すると、今度は武器屋に向かう。
しかし、武器屋に店主はいなかった。
それどころか店員が1人もいない。
「おい、店主は何処だ‼︎」
すると、市民の1人が声を上げた。
「ああ俺だ‼︎俺も革命に参加するんだよ‼︎武器は好きなだけ持ってけ、泥棒‼︎‼︎」
「へっ……!」
市民はまた次から次へと武器を取り、取った者から宮殿へと走り出していった。
ヴィナスティーユの街には市民の勇ましい雄叫びが響く。
「「「「「「「「オオオオオオオオオオオ‼︎‼︎‼︎」」」」」」」」
しばらく走り続けると、宮殿が見えてきた。
決めていた覚悟は強い重圧に変わり、再び市民の体に襲いかかった。
しかし、ここまで来たらもうやるしかない。
殿門の前まで来た市民達は武器を上げ、力強く叫んだ。
「門を開けろ‼︎‼︎」
「出て来いラナサス‼︎‼︎」
ークラウサス宮殿ー
宮殿の外の騒音にいち早く気づいたのは王室のアンティース王女だった。
「外が騒がしいわね。何かしら。……え⁉︎何なの、あれ⁉︎」
その言葉に反応したのは、ガナン大臣だった。
「どうされました?」
「ガナン‼︎あれ何よ⁉︎」
王女が窓越しに指さしたのは、殿門の外に待ち構える市民達だった。
「これは……まさか‼︎」
ガナンは慌てて何処かへ行ってしまった。
王女は不安そうに再び窓越しに市民達を見る。
ガナンは王の間に向かい、扉を勢いよく開けた。
扉を勢いよく開けた事により、ラナサス国王は激怒した。
「こ……この愚か者めが‼︎王の間の扉をそんなに力強く開けるものが何処にいる‼︎」
「も……申し訳ありません‼︎大変な事態になっておりまして‼︎」
ガナンのあまりの慌てように、国王は一旦冷静になった。
「な……何が起きたと言うのだ?」
「殿門の外に100人以上の市民が‼︎恐らく“革命“を起こすつもりです‼︎」
「何だと⁉︎」
衝撃の報告に、王は動揺と怒りを隠せなかった。
日没後、市民達は再び一点に集まった。
皆、険しい顔をしていた。
既に覚悟は出来ていたのだろう。
ヴィナスティーユにいる市民のうち、約1000人が革命に参加する事になった。
その戦闘には、例の武装した8人の戦士達が立っている。
銀髪の少年は、冷酷な表情で市民達の方へ振り向き、
「本当にお前らも来るのか?奴等は俺達だけで十分だぞ?」
「あんたらだけカッコつけるなよ。俺達だって、自分の手で変えたいんだからな‼︎」
「……好きにしろ。」
銀髪の少年は呆れた顔をしながらも、市民の答えに了承した。
「でも女は残れ。両方死んだら、子供を育てる奴がいなくなるからな。」
その言葉により、参加するのはその約半分の500人程となった。
女性は不安かつ険しい顔をして、
「あんた達‼︎もし失敗したらあんた達の墓に犬の糞をぶち込んでやるからね‼︎…………絶対、生きて帰るんだよ。」
「……おう‼︎」
男達は少し震えながらも、頼もしい笑顔を女性達に見せた。
そして、8人の戦士を含む市民達は、目的の場所に目を向けた。
ユレイジアのヴィナスティーユの中心にそびえ立つ巨大な宮殿。
これを襲撃しようならば朝が来てもおかしくない。
「覚悟は、いいな?」
「……おう!」
「行くぞ‼︎‼︎最後に勝つのは……」
「「「「「「「「俺達だ‼︎‼︎‼︎」」」」」」」」
銀髪の少年の後に、男達が野獣のような声を力一杯上げる。
それと同時に走り出した。
「「「「「「「「オオオオオオオオオオオ‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」」」」
約500人の大人数が軍の襲撃により殺風景と化した街を駆け抜ける。
「まずは魔道具屋だ‼︎」
走り続けて見えたのは、石造りの立派な店だった。
その魔道具屋に着くと、銀髪の少年が店主に魔道具を要求した。
「おい、店の魔道具をありったけ寄越せ‼︎」
「はあ?何言ってんだおめえ?見ねえ顔だな、つか何だ?その格好は……って、うお⁉︎」
店主は店の外の大人数の市民を見て目を丸くした。
「な、何する気だおめえら?」
「革命だよ‼︎」
「ハァ⁉︎や……止めとけ‼︎殺されるだけだぞ‼︎それに、魔道具が欲しいなら国王様に許可貰え‼︎」
その言葉を聞いた銀髪の少年は、店主の胸倉を掴んだ。
「……あのなぁ、お前も国王に対しては不安があんだろ⁉︎おい‼︎」
「そりゃあ……そうだけどよ。革命なんて起こしたら今度こそ殺されるぞ?俺は巻き添え喰らうのはごめんだ‼︎」
「だから、その国王も王族も、全員殺すんだよ。」
「……‼︎」
店主の顔はみるみる青ざめていった。
「も……もう好きにしてくれ‼︎俺ぁ知らねえぞ‼︎‼︎」
そう言うと同時に、店主は逃げるように店の外に出ていった。
銀髪の少年はそれに構わず店の魔道具を持ち出していく。
衝撃緩和のマントや力を増幅させる指輪など。
魔道具を順番に次から次へと市民に渡していく。
ほぼ全員に行き渡ったのを確認すると、今度は武器屋に向かう。
しかし、武器屋に店主はいなかった。
それどころか店員が1人もいない。
「おい、店主は何処だ‼︎」
すると、市民の1人が声を上げた。
「ああ俺だ‼︎俺も革命に参加するんだよ‼︎武器は好きなだけ持ってけ、泥棒‼︎‼︎」
「へっ……!」
市民はまた次から次へと武器を取り、取った者から宮殿へと走り出していった。
ヴィナスティーユの街には市民の勇ましい雄叫びが響く。
「「「「「「「「オオオオオオオオオオオ‼︎‼︎‼︎」」」」」」」」
しばらく走り続けると、宮殿が見えてきた。
決めていた覚悟は強い重圧に変わり、再び市民の体に襲いかかった。
しかし、ここまで来たらもうやるしかない。
殿門の前まで来た市民達は武器を上げ、力強く叫んだ。
「門を開けろ‼︎‼︎」
「出て来いラナサス‼︎‼︎」
ークラウサス宮殿ー
宮殿の外の騒音にいち早く気づいたのは王室のアンティース王女だった。
「外が騒がしいわね。何かしら。……え⁉︎何なの、あれ⁉︎」
その言葉に反応したのは、ガナン大臣だった。
「どうされました?」
「ガナン‼︎あれ何よ⁉︎」
王女が窓越しに指さしたのは、殿門の外に待ち構える市民達だった。
「これは……まさか‼︎」
ガナンは慌てて何処かへ行ってしまった。
王女は不安そうに再び窓越しに市民達を見る。
ガナンは王の間に向かい、扉を勢いよく開けた。
扉を勢いよく開けた事により、ラナサス国王は激怒した。
「こ……この愚か者めが‼︎王の間の扉をそんなに力強く開けるものが何処にいる‼︎」
「も……申し訳ありません‼︎大変な事態になっておりまして‼︎」
ガナンのあまりの慌てように、国王は一旦冷静になった。
「な……何が起きたと言うのだ?」
「殿門の外に100人以上の市民が‼︎恐らく“革命“を起こすつもりです‼︎」
「何だと⁉︎」
衝撃の報告に、王は動揺と怒りを隠せなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる