従魔と異世界スローライフのはずが、魔王と噂されていく日々

ソラリアル

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第9話 はじめてのアイテムと料理

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クロの後ろを追って、城の1階奥にあるキッチンへ向かった。
扉を開けると、そこはキッチンというより「厨房」と呼んだ方がしっくりくる広さだった。
真新しい棚がずらりと並び、その中にはたくさんの食器が整然と収められている。
さらに、ガスコンロのようなものまで勢揃いしていた。
聞けば、魔法で火をつけて調理するらしい。
ライターで火をつける感覚に近いのかもしれない。


「クロ、冷蔵庫はどこ?」

「冷蔵庫ってなんだ?」

「あー、食べ物や飲み物を冷たいままにしておいたり、凍らせたりできる箱みたいなやつだよ」

「ああ、それならこれだよ! 前の主が、よくこの箱に飲み物を入れてたぞ」

「へぇ。この黒い箱がねぇ。なんかオシャレ家電っぽいな。
電源コードないけど、どうやって冷やしてるんだ?」


コンロの使い方は、何となく分かった。
冷蔵庫は? と聞くと、クロが壁と一体化した黒い箱を指さした。
その箱に触れると、小さな魔法陣が現れ、扉が開く。
中身は空だったけど、しっかりと冷えているのが分かる。
だけど、どうやって?


「この箱には魔石が入ってるんだ! ほら、これ!
こっちが冷たくするやつで、こっちが凍らせるやつ!
魔石に氷魔法と冷気が付与されてるから、ずっと冷えたり凍ったりできるんだ」

「なるほど。さすが異世界だな」


電源もないこの世界で、どうやって冷やしているのかと思っていたら、
クロが箱の奥にある“魔石”を見せてくれた。
白っぽい魔石が冷蔵庫の役割、水色の魔石が冷凍庫の役割を果たしているらしい。
異世界らしい仕組みに、少しワクワクした。


「食材が揃えば、なんとか料理はできそうだな!」

「そうだな! それで、食材はどこにあるんだ?!」

「うっ……」


この状況なら、食材さえあれば料理下手な俺でも何か作れるはずだ。
そう思って気合を入れた瞬間、クロにそう聞かれて、ガクッと肩を落とした。
そうだよ……食材がないから悩んでたんだった。


「はぁ……俺が食材だけでも魔法で出せたらなぁ」

「え? 出せるんじゃないか? 前の主は出してたぞ。果実とか」

「え?! そうなの?!
……でもクロの前の主って、偉大な魔法使いだったんだろ?
だから何でもできたんじゃないの?」

「いや、なんかこう……アイテムボックスってやつから出してた」

「ああ……あの噂のアイテムボックスかぁ。
それって異世界じゃ、けっこうレアなアイテムじゃないの?」

「確かに、みんながみんな持ってるわけじゃないな!」

「ちぇっ……」


楽しくなってきたのも束の間、結局食材がない。
「出せたらいいのに」と言うと、クロは希望をくれたけど、
詳しく聞けば、それはアイテムボックスから出していたらしい。
そんなレアアイテム、俺は持っていない。
仮にあったとしても、中身は空っぽだろう。

これは本当に困ったぞ……
腕を組んで悩んでいると、クロが突然声を上げた。


「アッ!」

「どうしたんだ、クロ?」

「思い出したんだ、主! 前の主のアイテムボックス!」

「え?」

「書斎にあると思う! 行こうぜ!」

「あ、おい、ちょっと待てって!」


俺の服を引っ張りながら、翼をパタパタさせて2階へ向こうとするクロ。
そうか……
城が復元されたということは、前の家主が残した物があっても不思議じゃない。
もし本当にアイテムボックスが見つかれば、他にも何か残されている可能性は高い。

だけど、物には意思が宿るとも言うし、俺が使えるかは分からない。
それでも、少し希望が湧いてきて、自然と元気が出てきた。


「ちょっと待ってろよ! すぐに見つける……
あ、あった! これだよ! この鞄から、いつも何か出してたんだ!」

「へぇ、古風な鞄だな。レトロ感あっていいな」

「確か、このアイテムは所有者の登録がされてるから、所有者変更しなきゃいけないんだ」

「あー、名義変更ってやつね。レアアイテムには、そういうのもあるのか」


ドタバタと書斎を探し回ったクロが見つけてくれたのは、
高級感漂う、こげ茶色の革製ショルダーバッグだった。
キラリと光る革の質感が、何とも言えない雰囲気を醸し出している。

どうやらこの鞄には所有者の登録がされているようで、名義変更が必要らしい。
どうやって変更するんだろう? と思いながら鞄に手を伸ばすと、
バチバチッと静電気のようなものが走り、思わず手を引いた。


【警告:アイテムボックスは所有者とその眷属しか開けられません】

「そうなのか……クロ、名義変更のやり方とか知ってる?」

「えっとー……魔力を流し込んだら所有者変更の手続きが始まるはず!
前の主も使う前にそんなことやってた気がするぞ!
あ、でもこの鞄が拒否したら、所有者の変更はできないんだって。
でも、主ならきっと大丈夫だよ!
この城を直したんだから、きっと認めてくれるよ!」

「へぇ……そういうもん? 何だか難易度が高いけど……
まぁ、とりあえずやってみるかな?」


クロに所有権変更の手続きについて教えてもらった俺は、
拒否される可能性もあることを知り、不安が襲った。
でもクロは「主なら大丈夫」と、呑気に笑っていた。
城を直したことと、認めてもらえることは、絶対に違うと思うんだけどな。
そう思いながら、掌に魔力を込めて鞄の上にかざす。

すると、鞄から青い光の文字が空中に浮かび上がった。
この世界の文字だったけど、すぐに俺が読める言葉へと変換されて表示される。


【所有者の変更手続きを行いますか?
“はい”もしくは“いいえ”を選択してください】


現れた文字にある“はい”を、指先で押してみた。
すると青い光の文字が消え、指紋認証のような手の形をした光が現れる。


「え、これに手を当てればいいの?」

「そうだよ! そしたら鞄が判断してくれて、OKだったら“登録完了”って出るぜ!」

「この世界にも指紋認証みたいなのがあるんだな。……あ、魔力認証か?」


クロの言葉に従って、光の手形に手を当てると、光が手から全身へと広がっていった。
まるで体中をスキャンされているような感覚だ。

数秒後、光が一度消え、ゆっくりと青い文字が空中に刻まれた。


「お、登録完了しました。所有者はヨシヒロに変更されました、だって!
これで……俺に変更できたってことだよな?」

「うん! やったな、主! レアアイテムゲットだな!」

「はは! そうだな。初めてのアイテムだ!」


無事に登録が完了し、俺はホッとしながら鞄を手に取った。
恐る恐る鞄を開けてみると、今度は何も起こらず、スッと開いて一安心する。

さて……
この中に、何か食べ物が入っているだろうか?

アイテムボックスの空間の中は腐らないって言うし、
もしかしたら、何か残っているかもしれない。
そんな期待を胸に、俺はゆっくりと鞄の中に手を伸ばした。


「なーんか、いろいろ入ってるぞー。
お? これ、なんか食料っぽい! ……なんか、むにゅって……」

「あ、それ、オークの肉だ!」
「……オーク」
「これは?」
「大蛇の肉。皮は剥いでもらってるやつ」
「大蛇……うーん、肉だけ見るとそうでもないけど、名前聞くと食欲失せるな……」


アイテムボックスを覗いてみると、意外にも食料がストックされていることが分かった。
ただ、前世とは違う“異世界の肉”は、どうにも食欲が湧かない。

こういう時、調味料があればいいんだけど……
魔法で出せたりしないだろうか?
そう思った俺は、調味料を頭に思い描きながら唱えてみた。


「えーっと……クレオ!」


カタンッ——


「おおっ!」

「主、それ何?」

「これか? これは俺の前世で使ってた“調味料”っていう、味をつけるためのものなんだ。
ひとまず、これで肉を焼いてみるかな!」

女神アイリスに、「魔法はイメージ。前世の記憶はアドバンテージになる」と言われたことを思い出す。

調味料をイメージしてから“クレオ”を唱えると、
小瓶に入った塩コショウと、肉にかけるタレらしきものが、カタンッとテーブルの上に現れた。

これがちゃんとした調味料だったらいいけど……
そう思いながら、俺はキッチンへと移動した。

まず、まな板と包丁らしきものを探し出し、
先ほど見つけたオークの肉を、ステーキ用に2切れ切り分けた。
トントンッと包丁の背で肉を叩き、塩コショウを両面に振りかける。

残りの肉はアイテムボックスに戻すか、冷凍庫に入れるか悩んだけど、
この城で暮らすなら冷凍庫でいいか、と判断した。


「火をイメージ……ガスコンロをイメージ……フンッ!」


ボオオオオッ!


「おお! できた!」


キッチンのコンロらしき場所に立ち、ガスコンロの炎をイメージする。
どうすればいいか分からず、とりあえず指先に魔力を集中させて「フンッ!」と気合を入れると、運よく火がついた。


「主! なんかもういい匂いがする! 前の主が肉食べる時、こんな匂いしなかったぞ!」

「あー……はるか昔には、塩コショウとかタレとか無かっただろうからな。
これは日本に住んでた俺の特権かもな?」

「へぇ! すげぇ!」


肉を焼き始めてしばらくすると、豚肉のような香りが漂い始めた。
オークって、やっぱりそっち系なのか?
なんて思っていると、クロがよだれを垂らしながら焼けるのを待っていて、ちょっと笑えた。

そんなクロを横目に、ある程度焼けたところでタレを投入する。
ジュワワワッと音を立て、食欲をそそる香りがキッチン中に広がった。

これは、結構いいんじゃないの?
……あ、でも肉しかないな。
米もスープもないな。
まぁ、でも仕方ないか。
何も食べられないよりは、ずっとマシだ。

そう思いながら、焼き上がった肉をお皿に移し、テーブルまで運んだ。


「よし。……あ、水! えーっと……飲み水よ、来たれ!」


カタンッ——


「はい。クロ、これ飲み水な」

「主すげぇなー! ちゃんと魔法使いじゃん!」


テーブルに料理を運んだところで、飲み物がないことに気づいた俺は、
ペットボトルの水をイメージしてみた。
すると、瓶に入った水が2本、カタンッと目の前に現れた。

クロが飲みやすいように、深皿に注いで渡す。
どうなることかと思ったけど、意外と俺、ちゃんとできたじゃん?

なんて自分を褒めながら、両手を合わせて、いつものように「いただきます」をした。


「いただきます!」

「いただきますって、なんだ?」

「あ、そうか。そういう文化、ないか」

俺の前世では、当たり前のように口にしていた言葉。
当然、クロはそれを知らない。

どう説明したらいいか少し考えて、言葉を選びながら教えてみた。

「あのな。この世界じゃ“弱肉強食”が基本で、こういう考え方はないかもしれないけどさ。
俺たちが今こうして食事できるのは、動植物の命をいただいたからだろ?
それに対する感謝の気持ちなんだ。あとは、作ってくれた人への感謝も込めてる。
だから、食事の前に“いただきます”っていうんだ。
そして、食事が終わったら、“ごちそうさま”っていうんだ」

「ごちそうさま?」

「そう。食事が終わったら“ごちそうさまでした”っていう。
“いただきます”と同じような意味だけど、
食に関わってくれたすべての人への感謝の気持ちを込めてる。
手間暇かけて作ってくれてありがとう、って。
……まぁ、俺も詳しいわけじゃないけどさ。
こういう感謝の気持ちって、常に持ち続けることが大事なんだ。
自分が生きてるこの状況は、当たり前じゃないってことかな」

「へぇ。そんな感じなのか、主がいた世界って。じゃあ、俺も感謝する!」


俺の説明が正しいかどうかはともかく、クロは素直に「分かった」と言って、
可愛らしい手を一生懸命合わせて「いただきます」と口にした。

素直で可愛らしい悪魔って、なんだよ。
好きだな、チクショー。
そんなことを思いながら、俺も改めて「いただきます」をして、食事を始めた——
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