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第89話 目覚めた翼
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「シンゴが、治してあげる!」
パクッ――
「ぎゃあああっ!
シンゴーー! 食べちゃダメでしょうーー!」
「待って、ヨシヒロ様。もう少し様子を見ましょう」
「ええっ?! でもさすがに……!」
「もぐもぐ……んー……このお花、泣いてるよ、パッパ。」
「……え?」
「このお花、咲きたいって泣いてるの。
だから、シンゴが治してあげるね」
シンゴは何の躊躇もなく、シキナの蕾をパクリと口にした。
予想通りの行動に、俺は思わず悲鳴を上げ、止めに入ろうとしたけど、
ルーナが静かに「もう少し様子を見ましょう」と制してくる。
ドキドキしながら見守っていると、シンゴは「お花が泣いてる」と言い、悲しそうな表情を浮かべた。
どうしてそんなふうに感じ取れるのかは分からない。
だけど、シンゴは本気で、この花を助けようとしている――
それだけは伝わってきた。
「助けてあげる」って……一体どうするつもりなんだ?
グリフォンには、そんな力が備わっているというのか?
分からないことばかりで頭が追いつかない中、
シンゴは、まだ十分に飛べないはずの翼を、懸命にパタパタと羽ばたかせ始めた。
「シンゴ……助けるから……助けるよー!」
ピカッ――
「えっ……? シンゴ?!」
何度も、何度も翼を羽ばたかせていたシンゴ。
「助ける」と言った、その直後――シンゴの体が、眩い光に包まれた。
目を開けていられないほどの強烈な光に、思わず目を閉じる。
次の瞬間、耳に届いたのは、先ほどとは比べものにならないほど力強い翼の羽音だった。
ゆっくりと目を開けると――そこにいたのは。
立派な成体のグリフォンとなり、巨大な翼を優雅に羽ばたかせるシンゴの姿だった。
……え?
どういうことだ?なんで突然、大人に?
成長速度、加速しすぎじゃない?!
混乱する俺をよそに、他のみんなは驚きつつも穏やかな表情で、シンゴの成長を喜ぶように微笑んでいた。
「パパ! 僕が、ユキお兄ちゃんの願いを叶えるからね!」
そう言って、シンゴはもう一度、大きく翼を羽ばたかせる。
すると、翼から金色とも銀色ともつかない光の粒子が溢れ出し、蕾の群れへと降り注いだ。
それはまさに、“光の雨”。
無数の光の粒がシキナの蕾を包み込み、次の瞬間、蕾たちはそれを花びら全体で吸収し始めた。
すると――
蕾という蕾から、黒いモヤのようなものが、ぶわっと噴き出した。
「なっ……なにあれ?! 怖いんだけど……!」
「あれは……邪気、でしょうか」
「邪気……ですか?」
「ええ。神聖魔法によって邪悪なものを浄化する際、対象から黒い煙が立ちのぼることがあります。
私どもは、それを“邪気”と呼んでおります」
「じゃあ……今、シンゴが降らせている光の雨が、蕾にまとわりついていた邪気を排除している、ということですか?」
「そうなりますね……
さすがは聖獣でもあるグリフォンです。
その力は、いかなる邪悪も邪気も祓う光を宿しているのですね……」
「ほえー……シンゴって、すごいんだなぁ」
セシリア様の説明を聞いて、グリフォンがこの国で“聖獣”と呼ばれる理由が、少しだけ分かった気がした。
今回のことで、シンゴは覚醒し、急成長を遂げた――そういうことなのだろう。
初めて目にする成体のグリフォンは、空の王者と呼ばれるにふさわしい風格を備え、気高く、威風堂々と佇んでいた。
つい先ほどまで、俺の腕にすっぽり収まっていた小さな背中が、今は空を抱けるほどに広がっている。
急激な成長に戸惑いながらも、シンゴが立派になったという事実が、胸の奥をじんわりと温かくした。
「主、蕾が!」
「えっ?」
クロの声に、慌てて蕾へ視線を戻す。
すると、光の雨をたっぷりと吸収した蕾が、ぷるぷると小刻みに震え始めていた。
やがて、蕾に溜め込まれた光が、丸い粒となって次々と飛び出し、空へと昇っていく。
まるで逆再生のような、不思議な光景。
粒が天へと溶けるように消えた、その瞬間――
「わぁ……!」
「シキナが……!」
「綺麗ですわね」
「おお……」
「ヨシヒロ様、すごいです!」
「これが……シキナ……?」
蕾は、1枚、また1枚と、静かに花びらを開いていく。
その光景はあまりにも美しく、誰もが言葉を失った。
気づけば、辺り一面が、半透明の白い花――シキナで満たされ、生き生きと咲き誇っていた。
それはまさに、奇跡と呼ぶにふさわしい光景だった。
「パパ! これでシキナは元気になったね!」
「シンゴーー! すごいよ、シンゴー!」
「へへっ! 僕、がんばっ――」
シンゴは嬉しそうに「シキナが元気になった」と言いながら、地上へ降りてこようとした。
だけどその瞬間、シンゴの体が再びピカッと強く輝き、一瞬で“大人の姿”から“いつもの子供の姿”へと戻ると、ふわりと力を失い、そのまま地上へ落ち始めた。
「シンゴォォ!」
「我が行く――」
突然の出来事に悲鳴を上げると同時に、ロウキが地面を蹴って跳躍し、そのふわふわの背中でシンゴをしっかりと受け止めた。
ホッと胸をなで下ろしながらロウキのもとへ駆け寄ると、シンゴはスヤスヤと眠っていた。その寝顔は達成感に満ちていて、思わずそっと頭を撫でる。
「シンゴ、偉かったね。お疲れ様」
「むにゃむにゃ……」
「はは、すっかり子供に戻ったなぁ」
「シンゴは、この先もこうしたことが起きるかもしれんな」
「確かにね。あとで、ゆっくりシンゴについて調べよう」
ロウキの言葉を聞いて、俺はきちんとグリフォンについて調べておかなければならないと改めて思った。
命に関わるようなことにはならないだろうけど、種族ごとの特性を知っておくことは大切だ。
シンゴを護るためにも、きちんと理解しておきたい。
「フェンリル様、そしてヨシヒロ殿……何とお礼を申し上げればよいのか……」
「セシリア様?」
シンゴの頭を撫でていたその時、女王セシリア様が俺たちの前に進み出て、両膝をついて深く頭を下げた。
震える声、大粒の涙を浮かべた瞳――
シキナという存在が、この村にとってどれほど大切なものなのかが、痛いほど伝わってくる。
「まさか、もう一度この目でシキナを見ることができようとは……
これで、この村の民の願いを、また叶えることができます……
そして、私自身も……あの人との再会を、再び叶えていただけるのですね……!」
「すごいです、ヨシヒロ様!これでまた父に会うことができます!」
「……お父さん、亡くなられていたんですね……」
「はい……」
「……夫は、魔物から私どもと民を護ってくれました。
もう100年ほど前の話ですが……
シキナを捧げることで、年に一度、私と娘のデイジーは夫と会うことができていたのです。
ですが、もう一度シキナが咲くことがあれば、話したいことが山ほどありました。
それはもう……叶わぬ願いだと、思っておりました。
そして、我々妖精にとって、シキナは命の源なのです。
この地の妖精は、シキナを通じて魔力を得ています。
村の中央にある泉へシキナを落とし、祈りを捧げることで、我々は魔力を得て、この命を長寿へと導いてきました。
咲かなくなってからは、私の魔力を皆に分け与えておりましたが……限界を感じておりました。
これで、私どもは身も心も救われます。
本当に……本当に、ありがとうございます……」
セシリア様から語られた、シキナの存在意義。
それは、妖精たちにとって命を繋ぐための、かけがえのない花だった。
今回、シンゴが覚醒して助けてくれたことで、妖精たちとセシリア様の命は、確かに繋がれた。
もしこのまま、咲かない状態が続いていたとしたら……そう思うと、背筋が冷える。
そんなことを考えていると、セシリア様が俺たちに提案してくれた。
「ヨシヒロ殿、フェンリル殿、そして皆々様……
今宵はこちらでゆっくりお休みいただき、明日改めてお礼の場を設けさせていただけないでしょうか?」
「うむ。有り難い話だが、我々は早々に帰らねばならぬ。
今宵は休ませてもらうが、明日の朝にはこの地を発ちたい。
こやつにはまだ従魔がおってな。皆、帰りを待っているのだ」
「そうでしたか……
では、日を改めて感謝の気持ちを形にさせていただけないでしょうか?」
「そうしてもらえると助かる。」
「承知いたしました。では、今宵はこちらでゆっくりお過ごしください。
デイジー、案内を頼みましたよ」
「はい! お任せください!」
セシリア様の提案はありがたかったけど、俺が長居するのがあまり得意ではないことを、ロウキはきちんと理解してくれていた。
ロウキの言葉にセシリア様は優しく微笑み、日を改めて何かしてくださることになった。
――ということは、もう一度ここに来るのかな?
それとも、セシリア様たちが俺の領地に来てくれるのだろうか。
もし来てくれたら、皆きっと喜ぶだろうなぁ……
そんなことを考えながら、無事にシキナを咲かせることができて本当に良かったと、しみじみ感じる。
デイジーさんに案内されたゲストハウスのベッドへ、俺はそのまま思いきりダイブした。
今日は、すごい奇跡を見せてもらった夜だった。
これでユキの願いも、王都の人たちの願いも、きっと叶えられる。
心の底から、シンゴの行いに感謝しながら、
俺はゆっくりと瞼を閉じていった――……
パクッ――
「ぎゃあああっ!
シンゴーー! 食べちゃダメでしょうーー!」
「待って、ヨシヒロ様。もう少し様子を見ましょう」
「ええっ?! でもさすがに……!」
「もぐもぐ……んー……このお花、泣いてるよ、パッパ。」
「……え?」
「このお花、咲きたいって泣いてるの。
だから、シンゴが治してあげるね」
シンゴは何の躊躇もなく、シキナの蕾をパクリと口にした。
予想通りの行動に、俺は思わず悲鳴を上げ、止めに入ろうとしたけど、
ルーナが静かに「もう少し様子を見ましょう」と制してくる。
ドキドキしながら見守っていると、シンゴは「お花が泣いてる」と言い、悲しそうな表情を浮かべた。
どうしてそんなふうに感じ取れるのかは分からない。
だけど、シンゴは本気で、この花を助けようとしている――
それだけは伝わってきた。
「助けてあげる」って……一体どうするつもりなんだ?
グリフォンには、そんな力が備わっているというのか?
分からないことばかりで頭が追いつかない中、
シンゴは、まだ十分に飛べないはずの翼を、懸命にパタパタと羽ばたかせ始めた。
「シンゴ……助けるから……助けるよー!」
ピカッ――
「えっ……? シンゴ?!」
何度も、何度も翼を羽ばたかせていたシンゴ。
「助ける」と言った、その直後――シンゴの体が、眩い光に包まれた。
目を開けていられないほどの強烈な光に、思わず目を閉じる。
次の瞬間、耳に届いたのは、先ほどとは比べものにならないほど力強い翼の羽音だった。
ゆっくりと目を開けると――そこにいたのは。
立派な成体のグリフォンとなり、巨大な翼を優雅に羽ばたかせるシンゴの姿だった。
……え?
どういうことだ?なんで突然、大人に?
成長速度、加速しすぎじゃない?!
混乱する俺をよそに、他のみんなは驚きつつも穏やかな表情で、シンゴの成長を喜ぶように微笑んでいた。
「パパ! 僕が、ユキお兄ちゃんの願いを叶えるからね!」
そう言って、シンゴはもう一度、大きく翼を羽ばたかせる。
すると、翼から金色とも銀色ともつかない光の粒子が溢れ出し、蕾の群れへと降り注いだ。
それはまさに、“光の雨”。
無数の光の粒がシキナの蕾を包み込み、次の瞬間、蕾たちはそれを花びら全体で吸収し始めた。
すると――
蕾という蕾から、黒いモヤのようなものが、ぶわっと噴き出した。
「なっ……なにあれ?! 怖いんだけど……!」
「あれは……邪気、でしょうか」
「邪気……ですか?」
「ええ。神聖魔法によって邪悪なものを浄化する際、対象から黒い煙が立ちのぼることがあります。
私どもは、それを“邪気”と呼んでおります」
「じゃあ……今、シンゴが降らせている光の雨が、蕾にまとわりついていた邪気を排除している、ということですか?」
「そうなりますね……
さすがは聖獣でもあるグリフォンです。
その力は、いかなる邪悪も邪気も祓う光を宿しているのですね……」
「ほえー……シンゴって、すごいんだなぁ」
セシリア様の説明を聞いて、グリフォンがこの国で“聖獣”と呼ばれる理由が、少しだけ分かった気がした。
今回のことで、シンゴは覚醒し、急成長を遂げた――そういうことなのだろう。
初めて目にする成体のグリフォンは、空の王者と呼ばれるにふさわしい風格を備え、気高く、威風堂々と佇んでいた。
つい先ほどまで、俺の腕にすっぽり収まっていた小さな背中が、今は空を抱けるほどに広がっている。
急激な成長に戸惑いながらも、シンゴが立派になったという事実が、胸の奥をじんわりと温かくした。
「主、蕾が!」
「えっ?」
クロの声に、慌てて蕾へ視線を戻す。
すると、光の雨をたっぷりと吸収した蕾が、ぷるぷると小刻みに震え始めていた。
やがて、蕾に溜め込まれた光が、丸い粒となって次々と飛び出し、空へと昇っていく。
まるで逆再生のような、不思議な光景。
粒が天へと溶けるように消えた、その瞬間――
「わぁ……!」
「シキナが……!」
「綺麗ですわね」
「おお……」
「ヨシヒロ様、すごいです!」
「これが……シキナ……?」
蕾は、1枚、また1枚と、静かに花びらを開いていく。
その光景はあまりにも美しく、誰もが言葉を失った。
気づけば、辺り一面が、半透明の白い花――シキナで満たされ、生き生きと咲き誇っていた。
それはまさに、奇跡と呼ぶにふさわしい光景だった。
「パパ! これでシキナは元気になったね!」
「シンゴーー! すごいよ、シンゴー!」
「へへっ! 僕、がんばっ――」
シンゴは嬉しそうに「シキナが元気になった」と言いながら、地上へ降りてこようとした。
だけどその瞬間、シンゴの体が再びピカッと強く輝き、一瞬で“大人の姿”から“いつもの子供の姿”へと戻ると、ふわりと力を失い、そのまま地上へ落ち始めた。
「シンゴォォ!」
「我が行く――」
突然の出来事に悲鳴を上げると同時に、ロウキが地面を蹴って跳躍し、そのふわふわの背中でシンゴをしっかりと受け止めた。
ホッと胸をなで下ろしながらロウキのもとへ駆け寄ると、シンゴはスヤスヤと眠っていた。その寝顔は達成感に満ちていて、思わずそっと頭を撫でる。
「シンゴ、偉かったね。お疲れ様」
「むにゃむにゃ……」
「はは、すっかり子供に戻ったなぁ」
「シンゴは、この先もこうしたことが起きるかもしれんな」
「確かにね。あとで、ゆっくりシンゴについて調べよう」
ロウキの言葉を聞いて、俺はきちんとグリフォンについて調べておかなければならないと改めて思った。
命に関わるようなことにはならないだろうけど、種族ごとの特性を知っておくことは大切だ。
シンゴを護るためにも、きちんと理解しておきたい。
「フェンリル様、そしてヨシヒロ殿……何とお礼を申し上げればよいのか……」
「セシリア様?」
シンゴの頭を撫でていたその時、女王セシリア様が俺たちの前に進み出て、両膝をついて深く頭を下げた。
震える声、大粒の涙を浮かべた瞳――
シキナという存在が、この村にとってどれほど大切なものなのかが、痛いほど伝わってくる。
「まさか、もう一度この目でシキナを見ることができようとは……
これで、この村の民の願いを、また叶えることができます……
そして、私自身も……あの人との再会を、再び叶えていただけるのですね……!」
「すごいです、ヨシヒロ様!これでまた父に会うことができます!」
「……お父さん、亡くなられていたんですね……」
「はい……」
「……夫は、魔物から私どもと民を護ってくれました。
もう100年ほど前の話ですが……
シキナを捧げることで、年に一度、私と娘のデイジーは夫と会うことができていたのです。
ですが、もう一度シキナが咲くことがあれば、話したいことが山ほどありました。
それはもう……叶わぬ願いだと、思っておりました。
そして、我々妖精にとって、シキナは命の源なのです。
この地の妖精は、シキナを通じて魔力を得ています。
村の中央にある泉へシキナを落とし、祈りを捧げることで、我々は魔力を得て、この命を長寿へと導いてきました。
咲かなくなってからは、私の魔力を皆に分け与えておりましたが……限界を感じておりました。
これで、私どもは身も心も救われます。
本当に……本当に、ありがとうございます……」
セシリア様から語られた、シキナの存在意義。
それは、妖精たちにとって命を繋ぐための、かけがえのない花だった。
今回、シンゴが覚醒して助けてくれたことで、妖精たちとセシリア様の命は、確かに繋がれた。
もしこのまま、咲かない状態が続いていたとしたら……そう思うと、背筋が冷える。
そんなことを考えていると、セシリア様が俺たちに提案してくれた。
「ヨシヒロ殿、フェンリル殿、そして皆々様……
今宵はこちらでゆっくりお休みいただき、明日改めてお礼の場を設けさせていただけないでしょうか?」
「うむ。有り難い話だが、我々は早々に帰らねばならぬ。
今宵は休ませてもらうが、明日の朝にはこの地を発ちたい。
こやつにはまだ従魔がおってな。皆、帰りを待っているのだ」
「そうでしたか……
では、日を改めて感謝の気持ちを形にさせていただけないでしょうか?」
「そうしてもらえると助かる。」
「承知いたしました。では、今宵はこちらでゆっくりお過ごしください。
デイジー、案内を頼みましたよ」
「はい! お任せください!」
セシリア様の提案はありがたかったけど、俺が長居するのがあまり得意ではないことを、ロウキはきちんと理解してくれていた。
ロウキの言葉にセシリア様は優しく微笑み、日を改めて何かしてくださることになった。
――ということは、もう一度ここに来るのかな?
それとも、セシリア様たちが俺の領地に来てくれるのだろうか。
もし来てくれたら、皆きっと喜ぶだろうなぁ……
そんなことを考えながら、無事にシキナを咲かせることができて本当に良かったと、しみじみ感じる。
デイジーさんに案内されたゲストハウスのベッドへ、俺はそのまま思いきりダイブした。
今日は、すごい奇跡を見せてもらった夜だった。
これでユキの願いも、王都の人たちの願いも、きっと叶えられる。
心の底から、シンゴの行いに感謝しながら、
俺はゆっくりと瞼を閉じていった――……
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