従魔と異世界スローライフのはずが、魔王と噂されていく日々

ソラリアル

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第92話 過去の傷を抱いて

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夢のような時間を過ごした翌日。
俺たちは朝から王都へと出かけていた。

今回は俺が“魔王”として警備にあたるため、ロウキには黒い毛色になってもらい、
ユキ、クロ、ミル、ルーナにも同行をお願いしている。
ラピスたちは、万が一いじめられたりしてはいけないから、今回はお留守番だ。
モモとシンゴの世話も含め、その辺りは皆に任せることにした。


「おお? 今日は魔王様って感じじゃねぇか!
その仮面と鎧はどうしたんだよ?いっぱしの魔王様だな!」

「なかなかの力作ですよ! 俺のデザインで作りました!
仮面をつけた方が魔王っぽいかなって。
鎧は王城の皆さんが着ていたものを参考にして生成しました!」

「笑えるな? でも雰囲気はバッチリだろ。
それに黒いロウキってのも、やっぱりカッコいいな?
その横にミルがいるのも映えるしよ。
ユキもクロも、それっぽい衣装を着ちゃってさ。仮装パーティみたいだな!」

「似合うだろー? 主が今日のために作ってくれたんだ!」

「僕たちのお気に入りです!」


朝からギルドの別館へ向かうと、ガーノスさんは俺たちの姿を見て大笑いしていた。
俺はもともと顔を出すのがあまり得意じゃないし、今回は雰囲気作りも兼ねて仮面を生成している。
普段は絶対に着けないから、正直違和感はすごい。
でも“魔王としての威厳”とか色々考えた結果、こうなった。

この仮面は、黒いフェンリルをモチーフにしたデザイン。
もちろん、ロウキをイメージしている。
頭部にはうねった二本の角を生やし、これはクロの角を参考にしたものだ。
鮮やかな青い紋様をあしらったのは、完全に俺の趣味。
顔全体を覆うとさすがに怖すぎるので、鼻から下は素肌が見える仕様にしている。

鎧も同じく黒系で統一し、マントを組み合わせて重厚感のある“魔王の鎧”に仕上げた。
もちろんシトリンに補強してもらい、市販の鎧と遜色ない強度を確保している。
これで俺の“魔王なりすまし”は完璧だ。
そう思いながら、今日という日を迎えたのだった。


「今日は我も、本来の大きさに戻るからな」

「あんまり皆を脅かさないでくれよ? ロウキ」

「シキナを護るためだ。手段は選ばん」

「まぁ……それは頼もしいんだけどな」


今日はロウキが本来の姿に戻れることもあって、どこか機嫌がいい。
それは単に姿を戻せるからというより、
昨日ユアさんと再会できたことが大きいのだろう。

あんなにも穏やかな表情をするのかと思うほど、昨日のロウキは優しかった。
ユアさんが、ロウキにとってどれほど大きな存在だったのか。
その
ことを、改めて実感した気がした。


「あ、そういえば昨日の抽選会、大変でしたね?」

「ああ、もうな……本当に大変だったぞ。
シキナの数は足りていたが、祭りの時間を考えると抽選にするしかなくてな。
事前に通達は出していたけど、王都内外から人が集まるだろ?
しかも平民・貴族関係なしの“完全運任せ”だ。
そりゃあ貴族連中から苦情の嵐になるわけだ」

「ですよねぇ……
前夜祭から始められていれば、もう少し落ち着いたかもしれませんね。
そこは申し訳ないなって思います」

「それはヨシヒロのせいじゃないだろ。
そもそもこの祭りには“大司祭の祈りの言葉”が必要だしな。
その大司祭が不在だったんだ。昨日はどうやっても無理だったさ。
まぁ……来年は前夜祭から始めてもいいかもな」

「確かに。
来年はもっと計画的に進めた方が、さらに盛り上がりそうですね」


今回の花冥祭は、シキナが存在するという情報が事前に広まっていたこともあり、
前夜祭の段階から非常に多くの人々が集まっていた。
王都以外の村や町からも人が訪れ、まさにごった返している状況だ。

この混雑を予想していたアーロンさんたちは、
身分に関係なく抽選で“死者との対話”を行うことを決定した。
昨日行われたその抽選は、案の定というべきか、賛否両論。
ただし、アーロンさんが
「異議を唱える者は王への反逆とみなす」
と声明を出したことで、騒ぎはすぐに収束したらしい。

本来であれば、2日間かけて儀式を行うのが理想だろう。
だけどこの祭りには、神聖光教団・セレスティア大聖堂の頂点に立つ
ハリソン大司祭が、献花の際に祈りを捧げる必要がある。
本人が不在では儀式そのものが成立しないため、
結局今日は1日で“死者との対話”を行うことになった。

今回用意された献花台は全部で三つ。
それぞれに特別な結界が張られ、結界内に入った瞬間、外からは姿が見えなくなる。
個室のような形で、周囲を気にせず対面できる仕組みだ。

昨日、準備の様子を見ていたけれど、
献花台に結界が張られた瞬間、台そのものが見えなくなって――
「魔法ってすげぇな……」と、一人で感心していた。


「何はともあれ、今日という日が、皆にとって幸せな時間になればいいですね」

「そうだな。じゃあ、シキナを供えに行くか」

「はい! 行きましょう!」


問題が起きそうな気配は、正直ある。
それでも今日は、誰もが「幸せだった」と思える日にしてほしい。

そんな祈りを胸に、俺はガーノスさんやロウキたちと共に、
中央広場へ向かうためギルドの別館を出た。

――その瞬間、響き渡る悲鳴とどよめき。
でも、不思議と何とも思わなかった。
たぶん、仮面をつけているからだろうな。

そんなことを考えながら、
知らぬ存ぜぬ顔で、俺は堂々と歩いていった。


「あれが魔王?」

「雰囲気、やばくない?」

「ていうか、あのデカいフェンリルとミノタウロス、ヤバすぎだろ……」

「本当に襲ってきたりしないよな?正直怖いんだけど」

「あの魔王、絶対ヤバい奴だろ!
何だよあの仮面! 鎧も悪魔的すぎる!」

「あ、でも魔王の横にいるドラゴンみたいな子と、
子供のフェンリルは可愛くない?」

「確かに! しかも白くて角の生えたフェンリルって、
めちゃくちゃ珍しい個体だろ? 前に魔物図鑑で読んだぞ!」


中央広場へ向かう途中、そんな声ばかりが耳に入ってきた。
気にしないようにはしていたけど……まぁ、すごい言われようだ。
人気があるのはクロとユキだけで、
俺とロウキとミルは完全に“嫌われ枠”。

トホホ……と思いながら中央広場へ到着すると、
そこにはすでにルセウスさん、アトスさん、ダニエル神父、
そしてマリンさんの姿があった。


「ヨシヒロ!」

「皆さん、おはようございます!」

「ヨシヒロよ! 今回は本当にすごい仕事をやってのけたな!
私は心底、驚いているよ!」

「ルセウスさん、俺も……あー、また“俺”って言っちゃった」

「いい、いい。いつも通りで構わんよ」

「すみません……
いや、今回は俺たちも驚きの連続でした。
でも、シキナを譲り受けることができて、本当に良かったです。
そういえば、これから教会でアーロンさんがお祈りを捧げるんでしたっけ?」


ルセウスさんは、俺を見つけるなり嬉しそうにシキナの話をしてくれた。
皆が頑張ってくれたおかげだ。そう言ってもらえると、素直に嬉しい。
そんなことを思いながら、アーロンさんの予定について尋ねてみた。


「そうだな。教会には私たちは誰一人入らず、兄上とガーノス殿、そしてご家族だけで過ごすようだ。
……そういえば、ヨシヒロにも来てほしいと言っていたぞ?」

「え? 俺もですか?」

「ああ。今回、兄上の願いが叶ったのはヨシヒロのおかげだからな。
見届けてほしいそうだ。
これからガーノス殿と一緒に、エトワール教会へ行ってくれないか?」

「分かりました……では、行ってみますね。
そのあとで、改めてシキナを供えます」

「ああ、そうしてくれ。待っているよ」


もともとアーロンさんは、皆が集まる前に儀式を行う予定で準備を進めていた。
今日はエトワール教会を閉め切り、ずっと会いたかった仲間と過ごす大切な時間になる――
それは分かっていた。

それでも、まさか俺まで呼ばれるとは思っていなかった。正直、驚いた。
俺はただ、シキナを譲り受けてきただけだ。
本当に、呼ばれていいのだろうか?

そんなことを考えていたけど、ガーノスさんも「一緒に来い」と言ってくれた。
断る理由もなく、俺はそのままエトワール教会へと向かった。


「そういえば、ちゃんと話してなかったよな?俺たちのこと。
俺たちは5人組のパーティでな。
アタッカーの俺、タンクのガイセル、魔法士のアルファ、支援系魔法士のギコル、
そしてヒーラーのクリスティーナ。
これが俺たちのパーティ――
“ガーディアン・ロイヤル”。ちょっとキザな名前のチームだった。

今日、アーロンと一緒に祈りを捧げるのは、そのヒーラーだったクリスティーナの両親なんだ。
俺たちは全員、平民出身だったが、彼女はとても優秀なヒーラーでな。
その名を轟かせていた。
自分で言うのもなんだが、それぞれの分野で腕の立つ奴らが集められて結成されたのが、
“ガーディアン・ロイヤル”だったんだ」


教会へ向かう途中、ガーノスさんは過去に組んでいた冒険者パーティの話をしてくれた。
これだけの人材が揃っていたのなら、きっとSランク冒険者だったのだろう。
それでも、命を落とす瞬間があった。
そう思うと、世の中の厳しさを痛感する。

本来は後方で仲間に護られながら、皆を癒すはずのヒーラーが命を落とした――
それはきっと、アーロンさんを護ろうとして、体が先に動いてしまったのだろう。

護るべき相手が、自分を庇って命を落とす。
それを目の前で見てしまったら、シキナを探し続ける理由も、痛いほど分かる。
きっと俺には想像もつかないほどの苦しみを抱えながら、今を生きている。
そう思うと、胸が締め付けられるようだった。


「よし。入るぞ」

「はい。あ、ロウキたちは小さくなってよね。入らないよ?」

「分かっておる。大丈夫だ」


話をしているうちに、教会へと到着していた。
アーロンさんがいるだけあって、警備は尋常ではないほど厳重だ。
これがすべて、彼が作り出した人造体だと思うと、その能力には驚かされるばかりだった。

ガチャリ、と静かに扉を開ける。
奥の献花台には、アーロンさんと、クリスティーナさんの両親と思われるご夫婦がいた。
俺は慌てて仮面を外し、ぺこりと頭を下げる。

――そういえば、他のパーティメンバーは来ていないのだろうか?
そんな疑問が浮かんだ瞬間、ガーノスさんが小さな声で教えてくれた。


「……他の皆は? って思ったろ。今回は呼ばなかったんだ。
あの後、パーティは解散してな。
ガイセルたちも、クリスティーナの死を受け入れられず、王都を離れちまった。
それもまた運命だ。仕方がねぇ。今はどこにいるのかも分からない。
……けど、俺だけはアーロンから離れちゃいけねぇって思った。
王都を離れた仲間の分も、あいつのその後を見守る責任がある。
だから、あいつを護るって決めたんだ。
王になったタイミングで、ギルドの依頼を受けながら裏方の仕事も覚えて、
最終的に責任者を務めるようになった」

「……そういうことだったんですね」


俺の考えを察してくれたのだろう。
ガーノスさんは、静かにすべてを話してくれた。

あまりにも辛い現実。
誰もが背を向けたくなる瞬間。
それを責めることなんて、誰にもできない。

そして、それでも堪え続け、アーロンさんを支えてきたガーノスさんを――
俺は心から、誇りに思った。

だから今日は、たくさん話せたらいい。
あの頃のことも、これからのことも。
そう願いながら、俺はゆっくりとガーノスさんの後を歩いていった――
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