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第1章
撮影開始
誘われるまま、ゆっくりとベッドの上に膝をついて乗り上げる。
ここに座れと言うように、ぽんぽんと彼が自身の腿のあたりを叩くから、私は彼の体に跨るような形でそこに座った。
私の素足の太腿が、KYOのスウェットの生地に触れている。せめて触れ合う面積を減らす為に腰を上げ、背筋をぴんと張った。
「ち、近いよね……」
「セックスはもっと近いだろ? ほら、ちゃんとカメラ構えて」
戸惑いつつも画面を指でタップしてピントを合わせる。慣れない操作にもたもたしつつ、暈けた画面がくっきりと現れた時、画面越しに私を見つめるKYOと視線が交わった。
「RINAさんは俺の動画のどういうところが好き?」
「えっ……、」
思わずカメラを落としそうになり、彼の生の眼差しの中に捕えられる。至近距離での出来事に、一瞬頭の中が真っ白になった。
どういうところが好き……って、そりゃあ。
甘く妖しい色気があって、惹きつけられるところ。マスクで半分隠れた顔も、体つきも、それから、ペニスも。
……って、そんなことを言えるはずもなく。
言葉に詰まっていると、KYOの手がするりと腰の後ろに回された。
そうして聞かされたのは、この世で私しか知らないはずの秘密の行為。
「RINAさんは、俺の動画見ながらどんなふうにオナニーしてた? って聞いてんの」
瞬間、カァッと顔が熱くなった。
よくよく考えれば、彼がそれを知らないはずがない。昨晩だって熱烈なラブレターを送ったし、KYOにすれば、自分の動画が視聴者の自慰ネタにされていることなんて当然分かりきっていることなのだろう。
「やだ、私……今更だけど、すっごい恥ずかしいじゃん……」
だんだんと鮮明になってきたこの状況に、遅ればせながら現実味が追いついてきた。羞恥と戸惑いを隠したくてうつむくと、腰に回された手に優しく引き寄せられて。
「今更だよ? ふふ、RINAさんって可愛い人だね」
「もう、からかわないで……っ、撮るから」
下から見上げてくるKYOの視線を直視できず、せめてカメラを構える。白く清潔なワイシャツを纏うKYOを画面の中心に捉え、ピントを合わせた。
録画ボタンを押す。ゆるやかにウェーブした艶のある黒髪の毛質すらもはっきりと見えるくらいの高性能なカメラが、小さな画面の中のKYOを隅々まで記録していく。
白い襟の隙間に張り出した喉仏、くっきりと浮き出た鎖骨。釦は上からふたつ目までが開かれていて、閉ざされているその下の肌もこの距離で眺めてみたいという衝動に駆られた。
ただワイシャツを羽織っているだけだというのに、どうしてこの人はこうもセクシーなんだろう。まるで肌の表面から艶かしい色香が漏れ出ているような、そんな感覚。
真正面から撮るだけでは勿体なく感じて、下から上に舐め上げるようにゆっくりとカメラを動かしてみた。KYOは黙ったままカメラのレンズを見つめていて、その視線はまるでこっち側にいる者を誘う魅了の力すら感じさせた。
いつも私が動画で見ていた、あの表情と同じ。
今はその美しい顔と身体を私が撮っているのだという実感に、あらためて緊張が走った。
ごく、と生唾を飲む音すら、高性能なカメラに拾われてしまいそう。
「っ、きゃっ」
不意にKYOの手に左の手首を掴まれ、彼の胸元へと持っていかれた。かろうじてカメラを支えたまま、画面越しに彼の表情を確認すると、
「こんどはRINAさんが脱がせてよ。動画まわしながら……オレを脱がせて」
ね? と、ねだられた。私よりも、ずーっと可愛く。
言われるままにこくりと頷き、留められている三つめの釦に指をかける。カメラは構えたままだ。片手でぷつりと釦を外せば、たおやかな胸の肌が晒されて。呼吸に合わせて胸板が上下に膨らむさまを動画に収めながら、すべての釦を外してゆく。
「……はぁ……、」
時折漏れるKYOの色っぽい吐息。スピーカー越しではない生の息の音に、そわりとした性感が走った。
真白なシャツを左右にゆっくりと開いた。大写しになる大胸筋と美しいシックスパックに、思わず感嘆の声が出てしまった。
「こっちも映して」
挑発的な目線をカメラに向けたまま、KYOの手がするりと自身の下肢へと伸びていく。え、と思ったその頃には、彼の手のひらはスウェットの上から股間をやわやわと揉み始めていた。まだ輪郭の不確かなそこが柔らかなスウェットの生地の下でだんだんと形を持っていくところを、息を呑んで録画する。
――す、すごい……生オナ……
目の前でKYOが股間をまさぐっている。私の下で。
信じられない光景に目が眩み、私は何度も瞬きを繰り返していた。
しっかりしろ私。せっかくこんなに至近距離での彼の手コキを拝めるというのに、手が震えて画面がブレブレだ。
グリップを両手で持ち直し、気を引き締めるようにして画面の中のKYOに集中した、そのとき。
「RINAさん」
生足の太腿をすりりと撫でられ、全身がびくんと跳ねた。
拍子にカメラをシーツの上へと落としてしまう。慌てて拾おうとしたが叶わなかった。
横たわったままのKYOの瞳が私を射抜いていたから。
「そんなに俺のちんぽに興味津々?」
「……っ……!」
うっとりと細められるアーモンドアイ。柔らかに灯すダウンライトの下、彼の神秘的なグレーの瞳が私をうっとりと見上げている。
さっきまで自身のペニスをまさぐっていた手は私の腿の上を撫でつけ、Tバックからこぼれ落ちた尻たぶをやわく掴んでいた。
「ねぇ、そんな熱烈な目で見られたら、触んなくても勃っちゃうじゃん」
尻の肉をむにゅりと掴まれ、ともすれば彼の指先が後ろの穴に触れてしまいそう。そんな触り方をされたらまずい。それでなくとも子宮がきゅんきゅん疼くのに、こんな、性感に火をつけるような触り方をされたら。
彼の手のひらの体温が、じわじわと下腹に熱を集めてゆく。今はランジェリーのレースに隠れて見えないが、ショーツがどうにかなっていないか不安だった。
返事をすることもできずにいると、KYOの目線がゆっくりと下りてゆき、やがてレースで覆われた部分を覗き見た。
「あれー? 染みになってるよ。まだどこもさわってないのに……ふふ、えっちなお姉さんだ」
「っ! やだっ……!」
声を上げるやいなや、突然ぐわりと視界が揺らいだ。
強引な力で腕を引き寄せられたのだと気づいたころには、天地が逆転していた。
ここに座れと言うように、ぽんぽんと彼が自身の腿のあたりを叩くから、私は彼の体に跨るような形でそこに座った。
私の素足の太腿が、KYOのスウェットの生地に触れている。せめて触れ合う面積を減らす為に腰を上げ、背筋をぴんと張った。
「ち、近いよね……」
「セックスはもっと近いだろ? ほら、ちゃんとカメラ構えて」
戸惑いつつも画面を指でタップしてピントを合わせる。慣れない操作にもたもたしつつ、暈けた画面がくっきりと現れた時、画面越しに私を見つめるKYOと視線が交わった。
「RINAさんは俺の動画のどういうところが好き?」
「えっ……、」
思わずカメラを落としそうになり、彼の生の眼差しの中に捕えられる。至近距離での出来事に、一瞬頭の中が真っ白になった。
どういうところが好き……って、そりゃあ。
甘く妖しい色気があって、惹きつけられるところ。マスクで半分隠れた顔も、体つきも、それから、ペニスも。
……って、そんなことを言えるはずもなく。
言葉に詰まっていると、KYOの手がするりと腰の後ろに回された。
そうして聞かされたのは、この世で私しか知らないはずの秘密の行為。
「RINAさんは、俺の動画見ながらどんなふうにオナニーしてた? って聞いてんの」
瞬間、カァッと顔が熱くなった。
よくよく考えれば、彼がそれを知らないはずがない。昨晩だって熱烈なラブレターを送ったし、KYOにすれば、自分の動画が視聴者の自慰ネタにされていることなんて当然分かりきっていることなのだろう。
「やだ、私……今更だけど、すっごい恥ずかしいじゃん……」
だんだんと鮮明になってきたこの状況に、遅ればせながら現実味が追いついてきた。羞恥と戸惑いを隠したくてうつむくと、腰に回された手に優しく引き寄せられて。
「今更だよ? ふふ、RINAさんって可愛い人だね」
「もう、からかわないで……っ、撮るから」
下から見上げてくるKYOの視線を直視できず、せめてカメラを構える。白く清潔なワイシャツを纏うKYOを画面の中心に捉え、ピントを合わせた。
録画ボタンを押す。ゆるやかにウェーブした艶のある黒髪の毛質すらもはっきりと見えるくらいの高性能なカメラが、小さな画面の中のKYOを隅々まで記録していく。
白い襟の隙間に張り出した喉仏、くっきりと浮き出た鎖骨。釦は上からふたつ目までが開かれていて、閉ざされているその下の肌もこの距離で眺めてみたいという衝動に駆られた。
ただワイシャツを羽織っているだけだというのに、どうしてこの人はこうもセクシーなんだろう。まるで肌の表面から艶かしい色香が漏れ出ているような、そんな感覚。
真正面から撮るだけでは勿体なく感じて、下から上に舐め上げるようにゆっくりとカメラを動かしてみた。KYOは黙ったままカメラのレンズを見つめていて、その視線はまるでこっち側にいる者を誘う魅了の力すら感じさせた。
いつも私が動画で見ていた、あの表情と同じ。
今はその美しい顔と身体を私が撮っているのだという実感に、あらためて緊張が走った。
ごく、と生唾を飲む音すら、高性能なカメラに拾われてしまいそう。
「っ、きゃっ」
不意にKYOの手に左の手首を掴まれ、彼の胸元へと持っていかれた。かろうじてカメラを支えたまま、画面越しに彼の表情を確認すると、
「こんどはRINAさんが脱がせてよ。動画まわしながら……オレを脱がせて」
ね? と、ねだられた。私よりも、ずーっと可愛く。
言われるままにこくりと頷き、留められている三つめの釦に指をかける。カメラは構えたままだ。片手でぷつりと釦を外せば、たおやかな胸の肌が晒されて。呼吸に合わせて胸板が上下に膨らむさまを動画に収めながら、すべての釦を外してゆく。
「……はぁ……、」
時折漏れるKYOの色っぽい吐息。スピーカー越しではない生の息の音に、そわりとした性感が走った。
真白なシャツを左右にゆっくりと開いた。大写しになる大胸筋と美しいシックスパックに、思わず感嘆の声が出てしまった。
「こっちも映して」
挑発的な目線をカメラに向けたまま、KYOの手がするりと自身の下肢へと伸びていく。え、と思ったその頃には、彼の手のひらはスウェットの上から股間をやわやわと揉み始めていた。まだ輪郭の不確かなそこが柔らかなスウェットの生地の下でだんだんと形を持っていくところを、息を呑んで録画する。
――す、すごい……生オナ……
目の前でKYOが股間をまさぐっている。私の下で。
信じられない光景に目が眩み、私は何度も瞬きを繰り返していた。
しっかりしろ私。せっかくこんなに至近距離での彼の手コキを拝めるというのに、手が震えて画面がブレブレだ。
グリップを両手で持ち直し、気を引き締めるようにして画面の中のKYOに集中した、そのとき。
「RINAさん」
生足の太腿をすりりと撫でられ、全身がびくんと跳ねた。
拍子にカメラをシーツの上へと落としてしまう。慌てて拾おうとしたが叶わなかった。
横たわったままのKYOの瞳が私を射抜いていたから。
「そんなに俺のちんぽに興味津々?」
「……っ……!」
うっとりと細められるアーモンドアイ。柔らかに灯すダウンライトの下、彼の神秘的なグレーの瞳が私をうっとりと見上げている。
さっきまで自身のペニスをまさぐっていた手は私の腿の上を撫でつけ、Tバックからこぼれ落ちた尻たぶをやわく掴んでいた。
「ねぇ、そんな熱烈な目で見られたら、触んなくても勃っちゃうじゃん」
尻の肉をむにゅりと掴まれ、ともすれば彼の指先が後ろの穴に触れてしまいそう。そんな触り方をされたらまずい。それでなくとも子宮がきゅんきゅん疼くのに、こんな、性感に火をつけるような触り方をされたら。
彼の手のひらの体温が、じわじわと下腹に熱を集めてゆく。今はランジェリーのレースに隠れて見えないが、ショーツがどうにかなっていないか不安だった。
返事をすることもできずにいると、KYOの目線がゆっくりと下りてゆき、やがてレースで覆われた部分を覗き見た。
「あれー? 染みになってるよ。まだどこもさわってないのに……ふふ、えっちなお姉さんだ」
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