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第2章
今日はセックスできると思ってた? ※
KYOのちんぽが喉奥で何度も跳ね返る。そのたびにぴゅる、と喉を焦がす熱い精が、じんと体を疼かせている。
奉仕しているはずの私まで、気持ちいいのが怖かった。
喉の奥にちんぽを擦り付けられて、射精されて。
私、ほんとうにもうだめかも。
「飲める?」
彼が言い終わる前にそうしていた。
もとより、吐き出そうとなど思っていなかった。
絡まっていた指が髪から離されたとき、不意に交わったKYOの瞳は熱とともに慈しみを湛えていた。
口端や鼻にこぼれた精液を親指で優しく拭われる。
目を瞑って身を委ねたとき、ふわりと手のひらに目元を覆われて。
暗闇の刹那にムスクの甘い気配を感じた、そのとき、
ちゅっ
と、唇に柔らかい感触が、あった。
高鳴り続ける心臓がさらにどくんと鼓動を打つ。
今、なにを、
「んっ、」
今度は食らいつくように、唇の隙間に舌をねじ込まれた。
キスをされている。KYOに、キスを。
そう気づいたころには、もう、
「んぅっ……ぁっ」
とろりと柔らかな舌が、私の口内を優しく撫でていた。
快感に力の入らない舌をゆっくりと吸い上げては、優しく絡ませる。
器用な舌使いはさきほどの獰猛な腰振りからは想像もつかない。
互いの性器をぞんぶんに舐めしゃぶったあとのディープキス。
不快感はこれっぽっちもなく、むしろ途方もなく気持ちいい。
「ん、んぁ、ぁっ……」
私の口内のすみずみまでを舐め回すようにしたあと、吸い付く唇がちゅぷ、と離された。
視界がぼやぁっと明るくなる。
私に覆いかぶさる男が黒マスクを鼻の上まで上げるところが、霞む視界の中で見えた。
その瞳はうっとりと私を見下ろし、頬を染めていて。
私はもう指先ひとつ動かすこともできず、尾を引く絶頂の波に身を委ねながらすぐそばにある男の体温に浸っていた。
好き。
と、今にも言ってしまいそうになる。
こんなふうにされたら、誰だって勘違いする。
愛されてるんじゃないかって。
だから言えなかった。私がここにいる理由を考えれば言うべきではないとわかる。言ったところで、KYOを困らせるだけだ。
彼は私を仕事相手としてここに招いている。迂闊なことを言えば、この関係すら壊しかねない。
彼にとってこれは恋人との愛ある行為なのではなく、何万人という視聴者を相手にした『仕事』なのだ。
甘く囁く言葉も、熱い視線も。恋人にするような口付けも。
ぜんぶ、カメラに映すため。
わかっている。わかっていてここへ来た。
それでも。
「おつかれさま、RINAさん」
髪を撫でつけてくる手のひらは、まるで大切なものに触れるかのようにやわらかくて。
そんなふうにされたら、馬鹿な私は勘違いするのに。
射抜くような瞳を向けてくるKYOも、優しく笑いかけてくるKYOも。
私だけにくれる仕草も泣きたいくらいにぜんぶ好き。
「いっぱい頑張って疲れたね、今週はこれくらいにしよっか」
諭す言葉に、今週も本番はまたおあずけなのかと察する。
思わず眉尻を下げる私を、目ざとい彼が見逃すはずなかった。
「今日はセックスできると思ってた? そのつもりで来てくれたんだ」
すべてを見透かす瞳で笑いかけられ、なにも言い返せない。
私がこうなった理由は、全部KYOだ。KYOは忘れてしまったのかもしれないけれど、私は覚えている。その言葉が、私をこんなふうに大胆にしているのに。
「だってKYOが」
「ん、俺が?」
快感の余韻にふるえる声で伝えると、KYOは目を細めて私の頬をすりりと撫でた。
その瞬間、魔法にかけられたみたいに心の声を打ち明けてしまう。
「私のセカンドバージン貰うって言ったから」
だから、どんなに恥ずかしいことにも耐えられる。KYOのちんぽをハメられたいから。
KYOはびっくりしたような反応をしたあとに、「そうだね」と柔らかく笑った。
かすかに頬を染めたような気がしたけど、すぐにその表情はマスクの下に隠された。
「……次に会うとき、貰ってもいい?」
その言葉に、また胸の奥がずくんと疼く。けれどもうへとへとで、頷くことしかできない。
これほど長期にわたる焦らしはまさにスーパースローセックスともいえる。
長い長い前戯のあとの挿入を想像しながら、私は眠りに落ちていく。
その間じゅう、KYOの手は私を寝かしつけるように優しく髪を撫で続けていた。
「体だけじゃなくて、心も……俺のものになってよ、カリナさん」
独り言のようにKYOがささやいた気がしたけれど、もうはっきりとは聞こえなかった。
奉仕しているはずの私まで、気持ちいいのが怖かった。
喉の奥にちんぽを擦り付けられて、射精されて。
私、ほんとうにもうだめかも。
「飲める?」
彼が言い終わる前にそうしていた。
もとより、吐き出そうとなど思っていなかった。
絡まっていた指が髪から離されたとき、不意に交わったKYOの瞳は熱とともに慈しみを湛えていた。
口端や鼻にこぼれた精液を親指で優しく拭われる。
目を瞑って身を委ねたとき、ふわりと手のひらに目元を覆われて。
暗闇の刹那にムスクの甘い気配を感じた、そのとき、
ちゅっ
と、唇に柔らかい感触が、あった。
高鳴り続ける心臓がさらにどくんと鼓動を打つ。
今、なにを、
「んっ、」
今度は食らいつくように、唇の隙間に舌をねじ込まれた。
キスをされている。KYOに、キスを。
そう気づいたころには、もう、
「んぅっ……ぁっ」
とろりと柔らかな舌が、私の口内を優しく撫でていた。
快感に力の入らない舌をゆっくりと吸い上げては、優しく絡ませる。
器用な舌使いはさきほどの獰猛な腰振りからは想像もつかない。
互いの性器をぞんぶんに舐めしゃぶったあとのディープキス。
不快感はこれっぽっちもなく、むしろ途方もなく気持ちいい。
「ん、んぁ、ぁっ……」
私の口内のすみずみまでを舐め回すようにしたあと、吸い付く唇がちゅぷ、と離された。
視界がぼやぁっと明るくなる。
私に覆いかぶさる男が黒マスクを鼻の上まで上げるところが、霞む視界の中で見えた。
その瞳はうっとりと私を見下ろし、頬を染めていて。
私はもう指先ひとつ動かすこともできず、尾を引く絶頂の波に身を委ねながらすぐそばにある男の体温に浸っていた。
好き。
と、今にも言ってしまいそうになる。
こんなふうにされたら、誰だって勘違いする。
愛されてるんじゃないかって。
だから言えなかった。私がここにいる理由を考えれば言うべきではないとわかる。言ったところで、KYOを困らせるだけだ。
彼は私を仕事相手としてここに招いている。迂闊なことを言えば、この関係すら壊しかねない。
彼にとってこれは恋人との愛ある行為なのではなく、何万人という視聴者を相手にした『仕事』なのだ。
甘く囁く言葉も、熱い視線も。恋人にするような口付けも。
ぜんぶ、カメラに映すため。
わかっている。わかっていてここへ来た。
それでも。
「おつかれさま、RINAさん」
髪を撫でつけてくる手のひらは、まるで大切なものに触れるかのようにやわらかくて。
そんなふうにされたら、馬鹿な私は勘違いするのに。
射抜くような瞳を向けてくるKYOも、優しく笑いかけてくるKYOも。
私だけにくれる仕草も泣きたいくらいにぜんぶ好き。
「いっぱい頑張って疲れたね、今週はこれくらいにしよっか」
諭す言葉に、今週も本番はまたおあずけなのかと察する。
思わず眉尻を下げる私を、目ざとい彼が見逃すはずなかった。
「今日はセックスできると思ってた? そのつもりで来てくれたんだ」
すべてを見透かす瞳で笑いかけられ、なにも言い返せない。
私がこうなった理由は、全部KYOだ。KYOは忘れてしまったのかもしれないけれど、私は覚えている。その言葉が、私をこんなふうに大胆にしているのに。
「だってKYOが」
「ん、俺が?」
快感の余韻にふるえる声で伝えると、KYOは目を細めて私の頬をすりりと撫でた。
その瞬間、魔法にかけられたみたいに心の声を打ち明けてしまう。
「私のセカンドバージン貰うって言ったから」
だから、どんなに恥ずかしいことにも耐えられる。KYOのちんぽをハメられたいから。
KYOはびっくりしたような反応をしたあとに、「そうだね」と柔らかく笑った。
かすかに頬を染めたような気がしたけど、すぐにその表情はマスクの下に隠された。
「……次に会うとき、貰ってもいい?」
その言葉に、また胸の奥がずくんと疼く。けれどもうへとへとで、頷くことしかできない。
これほど長期にわたる焦らしはまさにスーパースローセックスともいえる。
長い長い前戯のあとの挿入を想像しながら、私は眠りに落ちていく。
その間じゅう、KYOの手は私を寝かしつけるように優しく髪を撫で続けていた。
「体だけじゃなくて、心も……俺のものになってよ、カリナさん」
独り言のようにKYOがささやいた気がしたけれど、もうはっきりとは聞こえなかった。
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