幼馴染みとアオハル恋事情

有村千代

文字の大きさ
46 / 77

第7話 一緒にいると触りたくなる(6)★

しおりを挟む
(恋人同士で、家に泊まるっていったら……そ、そーゆーこと期待していいのか!? でも、初デートの日だし、ちょっと飛躍しすぎ? いやいやいや……)
 悶々と考えつつ、替えの下着や歯ブラシなど必要なものをバッグに詰め込んでいく。
 準備が終わると、緊張した面持ちのまま明の家へと向かった。インターホンを鳴らせば、ほどなくしてドアが開く。
「あんま片付いてねえかもだけど、入れよ」
「お、おっす。お邪魔しまーす……」
 家の中に通されて辺りを見やる。リビングもダイニングも静まり返っていて、人の気配を感じられなかった。
「おばさんは? 仕事?」
「今日は親どっちも遅いし、姉貴もいねえよ」
「そ、そっか」
 つまり二人きりということだ。途端に心臓がうるさくなって、千佳は思わず動揺した。
「なんか飲む?」
「いや、お構いなくっ」
 こちらの胸中を知ってか知らでか、明は至極いつもどおりである。
 二人は黙って階段へと向かった。明の部屋は二階だ。久しぶりに入った彼の部屋は相変わらず殺風景で、以前来たときとあまり変わりないように思えた。
「泊まりだなんて久々だよな。中学ンとき以来か? 俺ら、自然としなくなったよな」
 何か適当な話をしたくて話題をふる。けれど、明は微妙な顔をしていた。
「『自然と』じゃねえし」
「えっ、なに?」
「だってお前、寝てるときは平気で腹とか出すし、風呂上がりもシャツ着ないでいるし――俺はそこまで忍耐強くねえよ」
 言うと、明の顔つきが変わった。
 あっと思ったときには、手を引かれて正面から抱きしめられていた。明の匂いが鼻腔をくすぐり、耳元に熱い吐息がかかる。千佳はますます鼓動が激しくなるのを感じた。
「あ、明……っ」
「仕方ねえだろ。一緒にいると、触りたくなるんだから」
 明の指先が顎に触れてきて、そっと上を向くよう促される。ゆっくりと顔を寄せてくる明に、千佳も目を閉じて応えた。
「――……」
 唇を重ねられ、角度を変えながら啄まれる。柔らかく上唇を吸われれば、ぞくりと背筋が震えた。
 そのうちに千佳も緊張が解けてきて、固く閉ざされていた唇が薄く開いていく。それを見計らっていたように、明は舌を差し込んでくるのだった。
「っ、ん……ふ」
 明の動きに合わせて、ぎこちなくではあるが千佳も舌を動かしていく。
 粘膜同士が擦れあう感覚が気持ちいい。ゾクゾクと甘い痺れが走って、頭の芯がぼうっとしてくるようだ。
 堪らず明の背中にしがみついたら、すかさず腰を抱き寄せられて、さらに体が密着した。明の速い鼓動が伝わってくる。そして、男の生理現象というものはわかりやすい。
(……キスだけで勃ってる)
 すでに互いのものが昂っていた。布越しに感じる熱に、体の奥がずくんと疼く。
 もっと触れたい――そう思ったのはどちらが先か。気がつけば、千佳はベッドに押し倒されていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】

彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。 高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。 (これが最後のチャンスかもしれない) 流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。 (できれば、春樹に彼女が出来ませんように) そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。 ********* 久しぶりに始めてみました お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

悠遠の誓い

angel
BL
幼馴染の正太朗と海瑠(かいる)は高校1年生。 超絶ハーフイケメンの海瑠は初めて出会った幼稚園の頃からずっと平凡な正太朗のことを愛し続けている。 ほのぼの日常から運命に巻き込まれていく二人のラブラブで時にシリアスな日々をお楽しみください。 前作「転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった」を先に読んでいただいたほうがわかりやすいかもしれません。(読まなくても問題なく読んでいただけると思います)

【完結】ベイビーダーリン ~スパダリ俳優は、僕の前でだけ赤ちゃん返りする~

粗々木くうね
BL
「……おやすみ。僕の、かわいいレン」 人気俳優の朝比奈(あさひな)レンは、幼馴染で恋人の小鳥遊 椋(たかなし むく) の前でだけ赤ちゃんに戻る。 癒しと愛で満たす、ふたりだけの夜のルーティン。 ※本作品に出てくる心の病気の表現は、想像上のものです。ご了承ください。 小鳥遊 椋(たかなし むく) ・5月25日生まれ 24歳 ・短期大学卒業後、保育士に。天職と感じていたが、レンのために仕事を辞めた。現在はレンの所属する芸能事務所の託児所で働きながらレンを支える。 ・身長168cm ・髪型:エアリーなミディアムショート+やわらかミルクティーブラウンカラー ・目元:たれ目+感情が顔に出やすい ・雰囲気:柔らかくて包み込むけど、芯があって相手をちゃんと見守れる 朝比奈レン(あさひな れん) ・11月2日生まれ 24歳 ・シングルマザーの母親に育てられて、将来は母を楽させたいと思っていた。 母に迷惑かけたくなくて無意識のうちに大人びた子に。 ・高校在籍時モデルとしてスカウトされ、母のためにも受けることに→芸能界デビュー ・俳優として転身し、どんな役も消化する「カメレオン俳優」に。注目の若手俳優。 ・身長180cm ・猫や犬など動物好き ・髪型:黒髪の短髪 ・目元:切れ長の目元 ・雰囲気:硬派。口数は少ないが真面目で礼儀正しい。 ・母の力になりたいと身の回りの家事はできる。

はじまりの朝

さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。 ある出来事をきっかけに離れてしまう。 中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。 これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。 ✳『番外編〜はじまりの裏側で』  『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

告白ごっこ

みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。 ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。 更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。 テンプレの罰ゲーム告白ものです。 表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました! ムーンライトノベルズでも同時公開。

処理中です...