幼馴染みとアオハル恋事情

有村千代

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第8話 エロいことすんの?(1)★

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「明、エロいこと……すんの?」
 率直に問いかけて、千佳は覆い被さってくる明の顔を見上げる。
 明は一瞬だけ動きを止めたが、余裕がなさそうに眉根を寄せるのだった。
「悪い、我慢できねえ。本当は、お前が『いい』って言うまで手ェ出さな――」
「お、俺だって、明とシたいに決まってんだろ……っ」
 明の言葉を遮って、今度は自分から抱きつく。
 初めてのことで不安がないといえば嘘になる。けれど、こちらだって男なのだということを忘れないでほしい。
(……お前で何回もヌいてるってのに)
 明が好きだからこそ、そういった気持ちにもなってしまう。
 いい加減もう待ちきれない。ぎゅうっと腕に力を入れると、千佳は明の耳元で囁いた。
「なあ、男同士ってどうエッチすんの? ……明は、どっち側がいい?」
 訊けば、すぐに答えが返ってくる。
「俺は、千佳に挿れたい」
「はは、そうだと思った」
「お前が嫌なら、また考えるけど。交代にするとか」
「なんだそれ。俺がクソ童貞だから?」
 突拍子もないことを言い出した明に、千佳は思わず笑ってしまった。気遣ってくれているのはわかるが、明が自分に抱かれている姿はできれば想像したくなかった。
「……自分で言うか。それもあっけど、体の負担とかもあんだろ」
「俺、結構頑丈だし大丈夫だって。つか、明に突っ込まれるとか考えただけで興奮する」
「………………」
「あ、明のまたデカくなった」
「お前な……っ」
 千佳が何か言うよりも先に唇を塞がれた。明は甘ったるくキスをしながら、千佳が着ていたパーカーの中に手を滑り込ませてくる。
「っ……」
「ずっと、こうしたかった」
 ゆっくりと顔を離すと、明は真剣な表情で言った。長い片思いをしていた明だからこそ、言葉に重みがある。
 今までどんなに辛い思いをしてきたのだろう。ましてや、こちらは人の気も知らず、彼女だのなんだのと騒いでいたのだから相当なものだ――同じ痛みを知っているとはいえ、あまりにも比べものにならない。
「明の好きにしていいよ。俺、全然わかんねーから」
「……わかった。気持ちいいとかよくないとか、ちゃんと言ってくれな」
 明がパーカーを脱がせてくる。瞳には欲情の色が見え隠れしていて、露わになった素肌に熱い視線を感じた。
「人の裸、どんな目で見てんだよう」
「そりゃ、やらしい目で見てるに決まってんだろ」
 恥ずかしさを誤魔化そうと茶化してみたものの、明はこちらの考えなどお見通しといった様子だ。構わず首筋へと顔を埋めて、つうっと舌で舐め上げてくる。
「ん……っ」
 喉元から鎖骨、それから胸元へと口づけを落とされていく。そのたびに千佳の体はビクビク震えて、自分でもわからない感覚に吐息を漏らすのだった。
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