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番外編 ドキドキ! 禁断の学校えっち!?(4)★
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「や……あぁっ……」
先ほどまでの激しさが嘘のようだ。浅いところを優しく擦られて、腰に甘ったるい痺れが広がる。ついでに頭まで撫でられてしまい――リラックスした状態で快感だけを味わえるせいか――、嘘みたいに気持ちがいい。
「んっ、や……だめ、ぇ……」
腰が抜けそうになるのをどうにか堪えつつ、机にしがみつく。けれど、それもままならずに、結局橘に身を委ねる形になってしまった。
あとはもう与えられるがままに、悦楽を受け入れるだけ。そのうちゾクゾクするような感覚が体中に広がって、いつもとは違う絶頂の兆しを感じた。
「っは、たちばなっ……も、きちゃう、い、イく……っ」
「いっすよ、いつでもイッて。俺もイきそう――」
「ん、んっ、ああぁ……」
ラストまで穏やかな抽挿が繰り返され、そのまま限界を迎える。
ドライオーガズム特有の絶頂感に、諒太の体は痙攣を起こしたかのごとく小刻みに震え続けた。脳天を突き抜けるほどに快感が駆け抜け、後孔が悦ぶように橘を締めつける。
「先生……っ」
直後、ゴム越しに熱いものが放たれたのを感じた。
橘は荒い息を吐きつつ抱きしめてくる。その雄々しさがまた嬉しくて、酔いしれるように諒太は余韻に浸るのだった。
行為を終えた頃には、髪も服もすっかり乱れていた。諒太がふわついた意識で身なりを整えていると、すうっと橘の長い指が伸びてくる。
「先生、ネクタイ曲がってますよ」
「あ、悪い」
こちらが手を出すよりも先に、しゅるりと衣擦れの音が響く。
橘は器用な手つきでネクタイを結び直してくれた。よく反対側からできるものだ、と感心しているうちに、綺麗な結び目ができあがって襟元を正される。
「すみません。なんか俺、すげープッツンきちゃって……本当はもっとフツーに優しくしたいのに」
手を動かしながら、申し訳なさそうに橘が呟く。
反省しているらしい態度に思わず笑みが零れてしまった。
「い、いーよっ。その……嫌いじゃないっていうか、ああいうのもわりと好き……だし」
言えば、途端に橘はハッとした顔になる。
「……勉強しておきます」
「そんなこと勉強しなくていいから、他のこと勉強してくれる!?」
教え子の真面目っぷりに思わず突っ込んだ。
橘は勉強熱心というか、飲み込みが早くて困るのだ。ドライオーガズムのことだってつい最近まで知らなかったくせして、今では普通にプレイの一環になっている始末である。
「満足させてあげられるように頑張りたいんで」とは彼の言葉だが、おかげでこちらは翻弄されっぱなしで大変だというのに――、
(あー本気で淫乱だと思われてそう……確かに、気持ちいいの大好きだけどさ)
内心で焦りつつも、表面上は平静を装っておく。
その一方、帰り支度を済ませた橘がこちらに会釈してきた。
「じゃ、俺はこれで。貴重な時間をありがとうございました」
「はいよ、気をつけて帰りなさい」
ひらりと手を振って見送る。
が、橘はドアの手前で足を止め、再びこちらへと向き直った。
「忘れ物」
「ん?」
「――大好きです、先生」
チュッ、と頬に軽いリップ音がして、甘ったるく囁かれる。橘は柔らかく微笑むと、今度こそ資料室を後にした。
残されたのは、ぽかんと口を開いたままの諒太一人だけ。しばらく呆然と立ち尽くしていたが、やがて我に返って、熱くなった顔を両手で覆った。
(ああもう、どこまでピュアなんだようっ……!)
頭を抱えたくもなるけれど、何だかんだと言いつつ年下の彼氏に振り回されるのは満更でもない。結局のところそれが本音で、諒太はますます橘に惹かれていくのだった。
先ほどまでの激しさが嘘のようだ。浅いところを優しく擦られて、腰に甘ったるい痺れが広がる。ついでに頭まで撫でられてしまい――リラックスした状態で快感だけを味わえるせいか――、嘘みたいに気持ちがいい。
「んっ、や……だめ、ぇ……」
腰が抜けそうになるのをどうにか堪えつつ、机にしがみつく。けれど、それもままならずに、結局橘に身を委ねる形になってしまった。
あとはもう与えられるがままに、悦楽を受け入れるだけ。そのうちゾクゾクするような感覚が体中に広がって、いつもとは違う絶頂の兆しを感じた。
「っは、たちばなっ……も、きちゃう、い、イく……っ」
「いっすよ、いつでもイッて。俺もイきそう――」
「ん、んっ、ああぁ……」
ラストまで穏やかな抽挿が繰り返され、そのまま限界を迎える。
ドライオーガズム特有の絶頂感に、諒太の体は痙攣を起こしたかのごとく小刻みに震え続けた。脳天を突き抜けるほどに快感が駆け抜け、後孔が悦ぶように橘を締めつける。
「先生……っ」
直後、ゴム越しに熱いものが放たれたのを感じた。
橘は荒い息を吐きつつ抱きしめてくる。その雄々しさがまた嬉しくて、酔いしれるように諒太は余韻に浸るのだった。
行為を終えた頃には、髪も服もすっかり乱れていた。諒太がふわついた意識で身なりを整えていると、すうっと橘の長い指が伸びてくる。
「先生、ネクタイ曲がってますよ」
「あ、悪い」
こちらが手を出すよりも先に、しゅるりと衣擦れの音が響く。
橘は器用な手つきでネクタイを結び直してくれた。よく反対側からできるものだ、と感心しているうちに、綺麗な結び目ができあがって襟元を正される。
「すみません。なんか俺、すげープッツンきちゃって……本当はもっとフツーに優しくしたいのに」
手を動かしながら、申し訳なさそうに橘が呟く。
反省しているらしい態度に思わず笑みが零れてしまった。
「い、いーよっ。その……嫌いじゃないっていうか、ああいうのもわりと好き……だし」
言えば、途端に橘はハッとした顔になる。
「……勉強しておきます」
「そんなこと勉強しなくていいから、他のこと勉強してくれる!?」
教え子の真面目っぷりに思わず突っ込んだ。
橘は勉強熱心というか、飲み込みが早くて困るのだ。ドライオーガズムのことだってつい最近まで知らなかったくせして、今では普通にプレイの一環になっている始末である。
「満足させてあげられるように頑張りたいんで」とは彼の言葉だが、おかげでこちらは翻弄されっぱなしで大変だというのに――、
(あー本気で淫乱だと思われてそう……確かに、気持ちいいの大好きだけどさ)
内心で焦りつつも、表面上は平静を装っておく。
その一方、帰り支度を済ませた橘がこちらに会釈してきた。
「じゃ、俺はこれで。貴重な時間をありがとうございました」
「はいよ、気をつけて帰りなさい」
ひらりと手を振って見送る。
が、橘はドアの手前で足を止め、再びこちらへと向き直った。
「忘れ物」
「ん?」
「――大好きです、先生」
チュッ、と頬に軽いリップ音がして、甘ったるく囁かれる。橘は柔らかく微笑むと、今度こそ資料室を後にした。
残されたのは、ぽかんと口を開いたままの諒太一人だけ。しばらく呆然と立ち尽くしていたが、やがて我に返って、熱くなった顔を両手で覆った。
(ああもう、どこまでピュアなんだようっ……!)
頭を抱えたくもなるけれど、何だかんだと言いつつ年下の彼氏に振り回されるのは満更でもない。結局のところそれが本音で、諒太はますます橘に惹かれていくのだった。
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