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11 トラヴィス伯爵邸にて_19
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そして、熱気の冷めやらぬ中、再び映像が流れ始めた。
それは日本の国力を端的に示す、自衛隊の戦車や飛行機、大型の艦船などの映像だ。
音速の数倍の速さで飛翔する飛行機、スラロームをしながら数キロ離れた目標を射抜く戦車、海洋を30ノットの速さで進むイージス艦からミサイルが射出されるのを見て、青ざめるトラヴィス家の皆様。
ここで、映像は再び鷹山首相の画面に戻ってゆく。
『これまで、日本の現状と実力を皆様にお伝え致しました。日本国がヤムント国に対して大いに期待することは、主に農産品の輸出であります。そして、先ほど映像でお見せした様々な乗り物は、石油を精製したガソリンで稼働します。貴殿の国には、その石油が大いにあると伺っております。願わくば、その輸出もお願いしたい! こちらからは、お見せした最先端のインフラをご用意致します!』
そう伝えると、トラヴィス家の皆様は、日本の科学技術が齎されることに、不安と興味が入り混じった表情を浮かべたり、……。
でも伯爵だけは、領地の更なる発展に思いを馳せているようにも見受けられた。
『……、以上を持ちまして、我が国の紹介を終わらせて頂きます。両国の緊密なる連携ができますことを、切(せつ)に願っております!』
私(英子)の目の前には、トラヴィス家の4名が、ポータブルプレーヤーの暗くなった液晶画面を、いまだ食い入るように見つめられていて、……。
その衝撃たるや、非常に驚かれているご様子のようだ。
「サイキ殿、この小さな絵が動くのは、一体何なのかね? これは、現実なのかね!?」
あらあら伯爵、……。結構不躾なお言葉遣いですこと。
どうやら日本の最先端の科学に直接触れたことで、王党派の重鎮である斎木さんが相手にも拘わらず、丁寧な言葉を使う余裕すらなくなってしまっているみたいだね。
斎木さんも、その辺りの人間の機微がよくワカっているようで、……。相手の一見不遜な態度も、これまで散々見てきたことなので、涼しい顔をしていた。
まぁ、遊園地のアトラクションでジェットコースターを乗り終えた客が、係の者に恐ろしさのあまり、食ってかかる心理とよく似ているのかも。
官舎での事前研修で聞いた話によるとさ、……。
日本政府は、王党派に属する貴族達には、その家族、家臣も含めてこの映像を視聴(み)て貰うらしい。
「トラヴィス伯爵。こちらの念書にサインを!」
斎木さんは、おもむろに万年筆と書類を一枚テーブルの上に置いた。
「ここに、……ですな?」
「えぇ。ここに、……です!」
伯爵は、半ば熱に浮かされたようなご様子で、一筆したためた。
ご家族は、小さく息を飲んで見守っていた。
そして、熱気の冷めやらぬ中、再び映像が流れ始めた。
それは日本の国力を端的に示す、自衛隊の戦車や飛行機、大型の艦船などの映像だ。
音速の数倍の速さで飛翔する飛行機、スラロームをしながら数キロ離れた目標を射抜く戦車、海洋を30ノットの速さで進むイージス艦からミサイルが射出されるのを見て、青ざめるトラヴィス家の皆様。
ここで、映像は再び鷹山首相の画面に戻ってゆく。
『これまで、日本の現状と実力を皆様にお伝え致しました。日本国がヤムント国に対して大いに期待することは、主に農産品の輸出であります。そして、先ほど映像でお見せした様々な乗り物は、石油を精製したガソリンで稼働します。貴殿の国には、その石油が大いにあると伺っております。願わくば、その輸出もお願いしたい! こちらからは、お見せした最先端のインフラをご用意致します!』
そう伝えると、トラヴィス家の皆様は、日本の科学技術が齎されることに、不安と興味が入り混じった表情を浮かべたり、……。
でも伯爵だけは、領地の更なる発展に思いを馳せているようにも見受けられた。
『……、以上を持ちまして、我が国の紹介を終わらせて頂きます。両国の緊密なる連携ができますことを、切(せつ)に願っております!』
私(英子)の目の前には、トラヴィス家の4名が、ポータブルプレーヤーの暗くなった液晶画面を、いまだ食い入るように見つめられていて、……。
その衝撃たるや、非常に驚かれているご様子のようだ。
「サイキ殿、この小さな絵が動くのは、一体何なのかね? これは、現実なのかね!?」
あらあら伯爵、……。結構不躾なお言葉遣いですこと。
どうやら日本の最先端の科学に直接触れたことで、王党派の重鎮である斎木さんが相手にも拘わらず、丁寧な言葉を使う余裕すらなくなってしまっているみたいだね。
斎木さんも、その辺りの人間の機微がよくワカっているようで、……。相手の一見不遜な態度も、これまで散々見てきたことなので、涼しい顔をしていた。
まぁ、遊園地のアトラクションでジェットコースターを乗り終えた客が、係の者に恐ろしさのあまり、食ってかかる心理とよく似ているのかも。
官舎での事前研修で聞いた話によるとさ、……。
日本政府は、王党派に属する貴族達には、その家族、家臣も含めてこの映像を視聴(み)て貰うらしい。
「トラヴィス伯爵。こちらの念書にサインを!」
斎木さんは、おもむろに万年筆と書類を一枚テーブルの上に置いた。
「ここに、……ですな?」
「えぇ。ここに、……です!」
伯爵は、半ば熱に浮かされたようなご様子で、一筆したためた。
ご家族は、小さく息を飲んで見守っていた。
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