天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

46 サスパニア出張旅団、フォリア山国境付近まで前進する_08

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 ハルコンはスキル「マジックハンド」を使って、フォルナ山の山頂付近の岩石をひとつもぎ取った。

 その際に、大音響とともに粉塵が大量に飛散したため、旅団の人々は一体何が起こったのかと、ギョッとした表情を浮かべた。

 ハルコンはスキル「マジックハンド」を駆使して、上空200メートルに岩石を飛ばすと、そのまま翼竜の最後の1体目がけて突き落とす。

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 誰もが息を飲む気配を、……。ハルコンは肌で感じた。

 翼竜は悲鳴を上げて、そのままこと切れた。もちろん、岩石は着地前に他所の場所に転移させたよ。とりあえず危機を回避できて、ひと安心だね。

 さて、……と。なんとか、まぁ無事に仕留めることができたんだけどさ。
 でもさ、……。さっきまでは皆の活躍で、旅団はあんなに盛り上がっていたというのに。

 なのに、旅団の誰もが唖然として、口を開いたまま放心したように、ひしゃげた翼竜を見つめているんだよね。

「ハルコンッ!? あなた、一体何をやったの?」

 指揮車両の中で、シルファー団長がこちらに向かって叫んだ。
 おや? まだ団長は、ご存じではなかったのか、……。

「シルファー団長、これはハルコンのチートスキル、『マジックハンド』ですよ。遠方の物や人を、自在に移動させることができるんです!」

 ステラ殿下の言葉に、我が目を疑うような表情を浮かべて、シルファー団長がこちらをじっと見る。

「ミラ、あなたもご存じでしたか?」

「いえ。でも、隣国コリンドと交流のある騎士達の間で、ハルコンのスキルについては話題になっていましたので、……」

「……、驚きました。まさか、こんなことができるだなんて、……。ハルコン、後で私にも詳しく説明して頂きますよっ!」

「ワカりました。後で説明します」

 もしかすると、私のこのスキル「マジックハンド」について、王ラスキンと宰相以外、王族でも全容を把握しきれていないのかも。
 なら、後でしつこく追及されることになるんだろうなぁと、ハルコンは思った。

 すると、……。いたって軽い調子で、ステラ殿下がこう仰った。

「ハルコン、……。あなた、ただ一人のお力で、我がコリンドを何度も滅ぼす力がおありなのですものね?」と。

「えぇっ!? ホンとなの、ステラ殿下?」

「えぇ。それが真実です!」

 その言葉に、シルファー団長は青い顔をして、こちらをじっと見てこられたんだ。
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