天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

47 フォリア山の夜宴_01

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 5体の翼竜の群れの襲撃後、早くも数時間が経過した。
 旅団は5体を回収後、しばしの休憩をとって、再び前進を開始した。

「我ら旅団は、『神軍』なるぞぉ――っ!!」

 中年の一級剣士による、空気を割いて天高く届くような叫びの後、……。

「「「「「「「「「「うらあああああぁぁぁ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」

 旅団全団員による歓喜の雄叫びが、フォルナ山の四囲を轟かせている。
 更には気をよくした元女盗賊やゴリネルとトラコ、「半次郎」の4名が、振り付けたっぷりに、踊りながら旅団の雰囲気を盛り上げているのだ。

「「「「「ハッ・ルゥッ・コォンッ! ハッ・ルゥッ・コォンッ! ……」」」」」

 旅団の雰囲気は一体感に包まれ、とても勇気に満ち溢れて楽しげだ。

 でもさ。当の本人としては、こんなに祭り上げられるのは、ちょっと恥ずかしいよ、……。
 そんなことを、ハルコンは指揮車両の中で揺られながら思った。

「ふふふっ、照れなさんな、ハルコン。あなたは最後の最後で、私達をピンチから救って下さったんですからね!」

「シルファー団長の仰るとおりですよ!」

 そう仰って、ステラ殿下も微笑まれた。

「それにしても、中年の一級剣士さんではないですけれど、……。この旅団が『神軍』を自称するのは、悪くないことですわね? ねぇ、ステラ殿下?」

「えぇ。とても良いと思います。これだけの規模の旅団がひとつの意志でまとまるのは、とても素晴らしいことだと思いますわ!」

 2人は、お互いにそう仰ると、続けて、こちらの肩とか背中をペタペタとお触れになられた。
 何だか、相撲の巡業で、人気力士が勝って試合会場を後にする時、ファンがペタペタと身体に触れてくるのと、同じ感覚なのかなぁと、ハルコンはふと思った。

「シルファー団長。本日はせっかく翼竜が5体も手に入りましたから。旅団の団員の慰労も兼ねて、夜は宴を開かれるのは如何でしょうか?」

「宴、……ですか、ミラ?」

「えぇ。先ほど騎士長とも話をしたのですが、団体行動には、ある程度の『娯楽』が付きものなのだそうです。初夏とはいえ行進は身体的にキツいですし、……。そろそろ、どうでしょうか?」

 ミラの言葉に、シルファー団長とステラ殿下で、小声で何事かやり取りを開始した。
 ミラがこちらをちらりと見てきたので、ひとつ頷くと、……。

「ドラゴンの肉は、……。とても美味なのだそうですよ!」

「「えっ!?」」

「我々貴族でも、ほとんど食したことがない、大変貴重な食材です。備え付けの冷蔵庫にも入り切りませんし、……。できれば旅団員、全員に振舞われたら如何でしょう?」

 こちらが、そう進言したところ、……。

「ハルコンが、そう仰るのなら、……。本日の宿営地で宴を開くこととしましょう!」

 その言葉に、ステラ殿下とミラがニッコリと微笑んだ。

 その後は何事もなく、……。夕刻前に、旅団は無事次の宿営地に到着した。
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