天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

47 フォリア山の夜宴_04

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   *          *

「……、我が兄、キャスパーの旅団には、マクスウェル商会が付いておりまして、……。あなたもその商会と面識はございますか?」

 シルファー団長が中年の商人の反応を窺うように、ちらりと見やって、笑顔を浮かべられた。

「えぇ、ございます。ざっくばらんに申し上げますと、我々の商会とマクスウェル氏の商会とは、ライバル関係、……と申しますか、……」

「つまり、商売敵、……ですか?」

「えぇ、……まぁ」

 とても言いにくそうに、中年の商人がひとつ頷く。

 そのやり取りを見て、……。いや、マジで凄いなぁとハルコンは思った。
 目の前で、若干12歳の少女が、海千山千の大商会の中年の商人を、まるで手玉に取っているのだからね。

 確かにさ。これまでこちらにも、マッチの販売権を寄こせだのなんだの、なかなかハードな交渉をされてきたシルファー団長だったけど、……。
 それは私が団長よりもひとつ年下で、まだ子供だから、したたかに振舞われるのかと思ったのだけどね。

 それがまぁ、大商会の商店主を手玉に取られるのだから、ホンと驚きだねと、ハルコンは思った。
 
 ミラと騎士長は若干引きつった笑顔を浮かべ、ステラ殿下は涼しげな笑顔。
 おそらく、ステラ殿下の前で、シルファー団長はベテランの商店主を前に臆していないところを、意識的にアピールしているのかもしれないね。

 すると、ステラ殿下がさっそく手を打ってきた。

「シルファー団長、そろそろお手柔らかに! 中年の商人さんには、我が宮殿も良くして頂いておりますので、見ていて、とても心が辛くなりますわ」

「あら、まぁステラ殿下。私としたことが!」

 ここで、シルファー団長とステラ殿下は、お互いにニッコリと笑顔で頷き合う。

「ですので。私にとっても、とてもいい機会だと思っております。中年の商人さん、今後とも、どうぞよろしくお願いいたしますね」

「はい。心より、お仕え申し上げます」

 そう言って、中年の商人は少し汗を浮かべつつ、深々と頭を下げた。

「さて、……と。私達も、冷めないウチにドラゴンステーキを頂きましょ? さぁさ、皆さん。遠慮はなさらず、……」

 シルファー団長に促されて、皆でステーキを食べ始める。
 へぇーっ。鶏肉と牛肉をミックスしたような味の、とても柔らかい肉なんだなぁと、ハルコンはとても美味いと思った。

 すると、中央の宴会場の方では、……。

「「「「「「「「「「うおおおおおおぉぉぉ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」

 団員達の歓声が、こちらの席にまで響いてくる。
 どうやら本日の余興の催しが、そろそろ始まっている様子だ。
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