天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

47 フォリア山の夜宴_11

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   *          *

 まぁ、……。こうなったら、仕方ないよね。
 ハルコンはふぅっとため息をひとつ吐くと、思わず苦笑いをした。

 やっぱり旅団の猛者達は、酒が飲めないから、代わりにハルコンBを飲んじゃったみたい、……。

 滋養強壮のドラゴンステーキに、栄養補給補助薬品でもあるハルコンBだよ。
 ホンと、合わせ技一本だよね!

「ふぅぅぅ~~っ」

「どうしたでやすか、ハルコン殿?」

 元女盗賊が不思議そうにこちらを見て、訊ねてきた。

「いやぁ、……。やっぱり元女盗賊さんも、酒の代わりにハルコンB飲んじゃいましたか?」

「……。うんにゃ。飲んでねぇでやすよ」

 そう言って、元女盗賊は懐からスキットル、酒精の強い酒を入れる水筒を取り出すと、ニヤリと笑った。

「ホンと、ウチの男衆ぃどもはバカでやすな。サスパニアにいったら、たらふく美味いエールば飲めるっちゃに、……。ホンに、モノを知らんとは、こういうちゃっでやすな!」

「えっ、えぇ、……」

 そう言って応じたものの、そのサスパニアの酒が美味いという「情報」を、元女盗賊さんが周知しなかったからさ。

 それで、男どもはストレス過剰に陥ったんじゃないのかなぁ、……なんて、ハルコンは思った。

 そのまましばらくの間、熱戦を見続けていると、……。
 向こうのゴブリンと好取組を繰り広げた若い騎士などは、ゴブリンとお互いに健闘をたたえ合い、肩を組んでハルコンBを飲み合っていた。

「ふふっ、ふふふふっ」

 そんなの見ていたらさ、……。思わず、笑いが込み上げてきちゃったよ。

「どうしたでやすか、ハルコン殿?」

 元女盗賊が、若干怪訝そうにこちらを見て訊ねてきた。

「いいえぇ。ハルコンBが異種族にも飲まれるようになったのを見て、何だか嬉しくなってきちゃって、……」

「そうで、……やすな」

 ハルコンは、元女盗賊がもう少しだけこの騒ぎを見ていくというので、……。
 後は任せて、この場を後にした。

 ゴミ捨て場での男達の盛り上がりをよそに、宿営地一帯は概ね寝静まっているようだ。
 おそらく、ゴリネルとトラコが、その後で「特に問題なし」と触(ふ)れて回ったのだろう。

 もしかすると、各々の馬車に設けられた寝床ではさ、……。
 相撲や戦闘に参加しなかった女子達が、興奮冷めやらぬように、男どもが活躍したのを振り返って、盛り上がっていたりするのかもしれない。

 ハルコンはそんなことを思いながら指揮車に戻ると、……。
 ミラがドアを開けながら、「大変だったね」といって、ニコリと笑った。

   *          *

 宴が終わった後も、旅団の猛者達には二次会があったようです。
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