天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

48 ハルコン、王都に帰還する_02

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 ハルコンの前世は、聖徳晴子。つまり、生粋の日本人だ。
 だから、「半次郎」の外見が東洋的な見た目であっても、特に違和感を覚えない。

 でも、父カイルズは生まれも育ちもファイルド国だ。

 たとえ、ファイルド国が急進的に発展し、今や近隣諸国から様々な人種が訪れる王都で、目が慣れていると言えど、……。
 
 まぁ、「半次郎」の人種的に特徴的なルックスは、いささか奇異なものに思われたのかもしれない。

 現地人よりも幼く見える外見、明るい茶色の瞳、ほんの少しだけ白色にレモン色を混ぜたような皮膚色、人形のように緻密な鼻や口の様子に、……。
 父カイルズが若干戸惑っているように、ハルコンには見受けられたのだ。

「『半次郎』殿。貴殿がサスパニア国からこられたことを、私は伺っている。ただ、以前のサスパニアでは、我々と同じ人種が普通で、いささか貴殿は特殊のように思えてならないのだ。もしかすると、貴殿には森エルフの血が流れているのかね?」

 少しだけ遠慮しつつ、でもきっちりと相手の素性を問い質すのは、さすがは父上だとハルコンは思った。

 でも、当の「半次郎」は特に気にした風でもなく、……。薄暮のように笑っていた。
 その表情に、特に反論もしない様子に、父カイルズは小さく息を吐いた。

「『半次郎』殿、今後ともハルコンのことをよろしくお願いします」

 そう言って、父カイルズが頭を下げると、「OKェ!」とフランクな笑顔で応じた。
 有力貴族相手にも全く物怖じしない辺りが、如何にも「半次郎」らしいとハルコンは思った。

 そんなやり取りをしていると、王宮から使いが戻ってきたようだ。

 ラスキン国王陛下、宰相との面会時間が決まったため、ハルコンと護衛役の元女盗賊、「半次郎」、それと後見人として父カイルズも馬車に乗って、王宮に向った。

 そろそろ王都の街並みに、夏の陽光が差し始めていた。
 馬車の車窓から見る王都の風景。往来には早朝にも拘わらず馬車が行き交い、様々な人々、人種の坩堝と化していた。

「ハルコン、……。オマエはサスパニアの首都エドモンドにも、既に出向いていると聞いている。どうかね、……。ファイルド国の王都は、そことは遜色ないかね?」

 穏やかに、父カイルズが訊ねてきた。
 ハルコンは父の気持ちを汲み取って、「えぇ、そうですね」とだけ伝えることにした。
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