463 / 500
第二部「ハルコン青年期」
48 ハルコン、王都に帰還する_04
しおりを挟む
* *
衛士の後に続きながら、ハルコン達一行は王宮内の入り組んだ廊下を歩いていく。
まだ明け六つ(朝6時)の頃だが、窓からは夏の日差しが入ってきて、眩しい。
とりあえず、……だ。
現在、旅団はフォリア山中腹の宿営地を出て、国境を越えた頃かなぁとハルコンは思う。
中年の一級剣士の視覚野を拝借して様子を見るに、特段問題もなく移動しているようだ。
『もう直ぐ国境の関門であるな。ハルコン殿は、その頃までには戻ってくるのだろうか?』
中年の一級剣士さんは、馬の背に跨って揺られながら、そんなことを思っているらしい。
おやぁ?
その一方で、先ほどより、先をゆく女騎士の尻の辺りに、視線がず~っと集中しているんだけどさ。
ほぉ~んと、この人って、致し方ないというか、……。
思わず、こめかみをグイグイと親指で押していると、……。
「どうした、ハルコン? そんなに眉間に皺を寄せて、……」
「いぇ、父上。少しだけ考え事をしていたものですから、……」
「そうか、……」
そんなやり取りを、元女盗賊と「半次郎」がちらりと見ている。
だが、特に何かコメントするでもなく、また先をゆく衛士の背に目をやっていた。
廊下の突き当りを曲がって直ぐのところで、衛士は立ち止まった。
簡易的な敬礼の後、ハルコンを先頭にその個室に入っていく。
中は地球のモジュールで20畳ほどの部屋で、簡易的にソファとローテーブルの設置された王室のプライベートルームだ。
窓の風景から、先日入った部屋とは廊下を挟んで反対側に位置するのではないかなぁとハルコンは思った。
「おぉ、早朝より申しワケない。ハルコン殿、……旅団の様子はどうですかね?」
ハルコンが席に着くなり、王ラスキンが率直に訊ねてきた。
でも、……。もう、父カイルズの前だろうと、王の体裁を保つ気はないらしい。
「えぇ。今のところ順調です。現在はフォリア山の中腹の宿営地を出て、国境の関門の手前まで進んでいるようですね」
「そうか、……。それにしても、こうして途中で単身とんぼ返りできるのだから、大変ありがたいものですな」
「はい」
ハルコンは笑顔で王ラスキンに応じたが、相手は更にこう話を付け加えてこられた。
「いざという時、シルファーだけでも帰還させることができるワケですな?」
「えぇ、そのとおりです、陛下」
「ふむ」
その言葉に、王ラスキンと宰相がニッコリと微笑む。
衛士の後に続きながら、ハルコン達一行は王宮内の入り組んだ廊下を歩いていく。
まだ明け六つ(朝6時)の頃だが、窓からは夏の日差しが入ってきて、眩しい。
とりあえず、……だ。
現在、旅団はフォリア山中腹の宿営地を出て、国境を越えた頃かなぁとハルコンは思う。
中年の一級剣士の視覚野を拝借して様子を見るに、特段問題もなく移動しているようだ。
『もう直ぐ国境の関門であるな。ハルコン殿は、その頃までには戻ってくるのだろうか?』
中年の一級剣士さんは、馬の背に跨って揺られながら、そんなことを思っているらしい。
おやぁ?
その一方で、先ほどより、先をゆく女騎士の尻の辺りに、視線がず~っと集中しているんだけどさ。
ほぉ~んと、この人って、致し方ないというか、……。
思わず、こめかみをグイグイと親指で押していると、……。
「どうした、ハルコン? そんなに眉間に皺を寄せて、……」
「いぇ、父上。少しだけ考え事をしていたものですから、……」
「そうか、……」
そんなやり取りを、元女盗賊と「半次郎」がちらりと見ている。
だが、特に何かコメントするでもなく、また先をゆく衛士の背に目をやっていた。
廊下の突き当りを曲がって直ぐのところで、衛士は立ち止まった。
簡易的な敬礼の後、ハルコンを先頭にその個室に入っていく。
中は地球のモジュールで20畳ほどの部屋で、簡易的にソファとローテーブルの設置された王室のプライベートルームだ。
窓の風景から、先日入った部屋とは廊下を挟んで反対側に位置するのではないかなぁとハルコンは思った。
「おぉ、早朝より申しワケない。ハルコン殿、……旅団の様子はどうですかね?」
ハルコンが席に着くなり、王ラスキンが率直に訊ねてきた。
でも、……。もう、父カイルズの前だろうと、王の体裁を保つ気はないらしい。
「えぇ。今のところ順調です。現在はフォリア山の中腹の宿営地を出て、国境の関門の手前まで進んでいるようですね」
「そうか、……。それにしても、こうして途中で単身とんぼ返りできるのだから、大変ありがたいものですな」
「はい」
ハルコンは笑顔で王ラスキンに応じたが、相手は更にこう話を付け加えてこられた。
「いざという時、シルファーだけでも帰還させることができるワケですな?」
「えぇ、そのとおりです、陛下」
「ふむ」
その言葉に、王ラスキンと宰相がニッコリと微笑む。
10
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる