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第二部「ハルコン青年期」
49 コリンドの風景_04
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* *
さて、……と。向こう(コリンド)の騎士長さんは、女エルフさんに一体なんて言ってきますかね?
私(ハルコン)は、そんなことを思いつつ、女エルフさんの視野を借りて、相手の出方を窺った。
『おぉっ、女エルフ殿でしたか? お元気でいらっしゃいましたか?』
『えぇ。今はファイルド国の王都に戻って、ロスシルド卿の別邸で警護の仕事をしておりますよ』
『そうでしたか。今回、こちらの旅団にはハルコン・セイントーク子爵殿がいらっしゃると伺っておるのですが、……』
『えぇ、そうですね』
おや。向こうの騎士長さんの口から、私の名前が出てきたよ、……と、ハルコンは少しだけ首を傾げながら思った。
『貴殿は一時(いっとき)、ハルコン殿のご指示の下で働いてなされたが、今もお近づきの機会はございますかな?』
『えぇ。今回の出張旅行には、ハルコン様から直接ではないのですが、私も要請を承って参加しております』
『では、……。もしよろしければ、ハルコン殿との面会の機会を取り持って頂けないか?』
ふむむ、……。
どうやら、相手の騎士長は、私に会いたがっているのかな?
一体、どうしてだろう? とハルコンは思った。
まぁ、……本来なら、シルファー団長の決裁を以て、行動するべきなんだろうけど。
とにかく、時間がかかり過ぎているからね。こちらからもパイプを作っておいた方がいいかもしれないよね。
とりあえず、……。女エルフさんに、指示を送るとしますか。
「ワカりました。女エルフさん、……もし可能であれば、コリンドの騎士長さんを、こちらの指揮車までお連(つ)れして頂けますか?」
『えぇ、……。了解です』
「でも、どうして面識のない私に、コリンドの騎士長さんが会いたがっているのかな、……。何だか、気になりますねぇ?」
『えぇ。ハルコン様は、コリンドでは救国の英雄として名が知れ渡っています。おそらく、先(ま)ずは挨拶だけでも伺おうとされているのでは?』
「なるほど。ワカりました」
『では、後(のち)ほど』
ふむふむ、……。
でも、……さ。だったら、なんでこんなにも通関手続きに時間がかかっているんだろう?
ハルコンはそう思いながら、ちらりとシルファー団長とアントン騎士長のやり取りを窺った。
すると、どうも団長が渋い顔をされているのが、正直気になった。
まぁ、……先(ま)ずは、向こうの騎士長さんに会って話だけでもしてみないと、埒(らち)が明かない感じだよね。
「ハ、ハルコン、……。ゴメンね! たぶん、私のせいかも!」
「えっ!?」
すると、ステラ殿下がそう仰って、私(ハルコン)のシャツの袖を、力なく引っ張ってこられた。
一体、どうされたのかなぁ? と、ハルコンは思った。
さて、……と。向こう(コリンド)の騎士長さんは、女エルフさんに一体なんて言ってきますかね?
私(ハルコン)は、そんなことを思いつつ、女エルフさんの視野を借りて、相手の出方を窺った。
『おぉっ、女エルフ殿でしたか? お元気でいらっしゃいましたか?』
『えぇ。今はファイルド国の王都に戻って、ロスシルド卿の別邸で警護の仕事をしておりますよ』
『そうでしたか。今回、こちらの旅団にはハルコン・セイントーク子爵殿がいらっしゃると伺っておるのですが、……』
『えぇ、そうですね』
おや。向こうの騎士長さんの口から、私の名前が出てきたよ、……と、ハルコンは少しだけ首を傾げながら思った。
『貴殿は一時(いっとき)、ハルコン殿のご指示の下で働いてなされたが、今もお近づきの機会はございますかな?』
『えぇ。今回の出張旅行には、ハルコン様から直接ではないのですが、私も要請を承って参加しております』
『では、……。もしよろしければ、ハルコン殿との面会の機会を取り持って頂けないか?』
ふむむ、……。
どうやら、相手の騎士長は、私に会いたがっているのかな?
一体、どうしてだろう? とハルコンは思った。
まぁ、……本来なら、シルファー団長の決裁を以て、行動するべきなんだろうけど。
とにかく、時間がかかり過ぎているからね。こちらからもパイプを作っておいた方がいいかもしれないよね。
とりあえず、……。女エルフさんに、指示を送るとしますか。
「ワカりました。女エルフさん、……もし可能であれば、コリンドの騎士長さんを、こちらの指揮車までお連(つ)れして頂けますか?」
『えぇ、……。了解です』
「でも、どうして面識のない私に、コリンドの騎士長さんが会いたがっているのかな、……。何だか、気になりますねぇ?」
『えぇ。ハルコン様は、コリンドでは救国の英雄として名が知れ渡っています。おそらく、先(ま)ずは挨拶だけでも伺おうとされているのでは?』
「なるほど。ワカりました」
『では、後(のち)ほど』
ふむふむ、……。
でも、……さ。だったら、なんでこんなにも通関手続きに時間がかかっているんだろう?
ハルコンはそう思いながら、ちらりとシルファー団長とアントン騎士長のやり取りを窺った。
すると、どうも団長が渋い顔をされているのが、正直気になった。
まぁ、……先(ま)ずは、向こうの騎士長さんに会って話だけでもしてみないと、埒(らち)が明かない感じだよね。
「ハ、ハルコン、……。ゴメンね! たぶん、私のせいかも!」
「えっ!?」
すると、ステラ殿下がそう仰って、私(ハルコン)のシャツの袖を、力なく引っ張ってこられた。
一体、どうされたのかなぁ? と、ハルコンは思った。
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