天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

51 オニキス関門まで_15

   *          *

「いいえ、全然構いませんよ。私(ハルコン)一人の手では、とてもではないですが、全然回りませんから!」

 こちらが、そうお答えしたらさ、……。
 ラスキン国王陛下と宰相様は、お二人とも声をお揃えになって、……。

「「はぁ~~~っ!」」と、これまた大きな大きなため息をお吐きになった。

 えっ!? えぇ~っ!?
 これって、一体どう意味なんだろっ!?

 このファイルド国のトップ2を、これほどまでにため息まみれにさせてしまって、……。
 さすがに、ちょっとマズかったかなぁとハルコンは思った。

「えっ、えぇ~と、……」

 思わず声を上ずらせて、曖昧に応じたらさ。

「ハルコン殿ぉ~っ! そういうところっ、そういうところが、まるで無欲過ぎるのですぞっ!」

 宰相様がこめかみを押さえながら、声のトーンを一段階抑え気味にそう仰るんだけど、……。
 でも、……さ。私としては、それで全然構わないんだけどね。

「だって、そんなことでコリンドの皆さんが上手くまとまるのでしたら、私は一向に構いませんけどっ!」

 そう言って、ニッコリと笑顔を作って陛下と宰相様に応じたら、……さ。

「そんなことでは、いつか悪い大人達に、寄ってたかっていいように利用されてしまいますぞっ!!」

 陛下はそう仰ると、腕を組んで鼻をフンと鳴らしなさった。

 どうやら、私のことを心配して下さっているらしい。
 私はいい上司に恵まれて、心底ツイているなぁ、……。

 そう、ハルコンは思った。

 とはいえ、ちゃんとこちらの本音も伝えておかないと、後でどう判断されるかワカらないから、……。
 その辺は、こちらもぬかりなく、お伝えしておこうかなぁ、……。

「そもそも、私は一人しかいないんです。なら、有志の方が様々な場面で作業を引き継いでくれるのであれば、それに越したことはありません!」

「「……」」

 そう言って、更に私の方から「もうこれ以上、この話には応じませんよ!」と念を押したらさ、……。

 陛下が宰相様に、……。

「こうなったら、この強情ぱりっは梃子(てこ)でも動かん。とりあえず、頷いとけっ!」

 そう小声で仰ると、宰相様も難しい顔をして黙って頷かれた。

 陛下、……。
 今のお言葉、……。この強情ぱりの耳にも、ちゃんと聞こえてましたよ、とハルコンは思った。
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