天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

51 オニキス関門まで_17

   *          *

 ラスキン国王陛下は、しばしの間、顎髭を弄りながらお聞きになっていたのだけど、……。

「ふむ、……」

 ここで、漸くひとつ頷かれた。
 なら、私(ハルコン)がそのまま話を続けても問題ないだろうと思った。

「コリンドの皇帝陛下は、アビル殿下がファイルドーコリンド両国間の正規ルートを仕切ればいいのでは、……。そう仰っておりまして、……」

「ふむ、……それは、大体どれくらいの期間を想定しているように思われたかね、ハルコン殿?」

「そうですねぇ、……。私に皇帝陛下が仰るには、『直近では、……』とのことです!」

「ふむ、……。つまり、現状では、まだロスシルド伯爵達の非正規ルートが残っておるしなぁ、……」

「はい、……。仰るとおりです、……」

 ここで、陛下はちらりと後ろを仰いで、宰相様と小声で何事かやり取りをされた。

「「……」」

 こちらは、その間、お二方のやり取りを黙って見つめ続ける。

「なら、ハルコン殿。連中を排除して、その利権を子供達に任せるのは危険、……。そういう判断ですかな?」

「はい、……。アビル殿下は軍に強いため、彼に任せておけば、両国の国境付近に皇室の睨みを利かせられるとの判断ではないかと、……」

「「……」」

 こちらの言葉を受け、陛下も宰相様も一瞬顔を顰(しか)められると、……。

「その言葉を受けて、……。ハルコン殿は、一体どうされたのかね?」

「……」

 なるほど、……ね。
 陛下は、私がその後にどう対処したのか、……。それをお聞きしたいようだ。

 なら、こちらもちゃんと「本音」を伝えておこうかな。

「舐められたら、……。貴族も国も、それで終わりですよね?」

 私(ハルコン)がそうお伝えしたところ、……。

「「!?」」

 ラスキン国王陛下と宰相様は、「おやっ!?」といった表情で、こちらの表情をじっとご覧になられた。

「ほぅ。ハルコン殿でも、怒ったりされるのですかね?」

「そりゃぁ~、そうですよ。シルファー殿下とステラ殿下の後ろには私がおります。その『力』を見くびられたワケですから。なら、私はとてもワカり易い形で、こちらの『力』を示すしかありませんよね?」

「なるほど、……。それで、練兵グランドに岩石の山をこさえてきたと?」

「はい!」

 私がニッコリと笑うと、陛下と宰相様は、「ふぅ~っ」と溜息をお吐きになられた。

「まるで、その時の光景が、目に浮かぶようだわい、……」

 陛下はそう仰ってから、……。ゆっくりと、目をお閉じになられた。
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