555 / 595
第二部「ハルコン青年期」
51 オニキス関門まで_20
* *
「なるほど、……。皆さんの話で、大体のことはワカりました。ハルコン、元女盗賊さん、『半次郎』さん、……。3人とも、大変お疲れ様でした」
シルファー団長はそう仰ると、 私(ハルコン)達にペコリと頭をひとつお下げになった。
そのご様子は、まるで王族の一員としての驕りなど微塵もなく、……。
こちらが、ほぼ徹夜で国王陛下と面談を行ってきた労をねぎらうものだった。
実は、こういうちょっとしたことをできるのがシルファー団長だ。
王立学校でも、王族として尊大に振舞うことなどなく、誰に対しても明るく公平で優しい。
それが、団長の長所なのかなぁとハルコンは思う。
ちらりと横の2人を見ると、ニコニコと笑顔で頷き返している。
どうやら、2人は団長に対して好意的で、正直ありがたいなぁと思った。
「団長、……。旅団の出発はいつ頃になりますか? できれば、朝食前まで仮眠を取っておきたいのですが、……」
率直にこちらから訊ねたら、「うぅん、そうねぇ、……」と団長も、しばしの間お考えになる。
「まぁ、……。そんなに急がなくてもいいんじゃないかしら?」
パッと、何かを思いついたような表情をされて、このまま河川敷で数日過ごしても構わないんじゃないかと仰るのだ。
「えっ!?」
「私達には休暇が必要よ。ここんとこ、コリンド帝国で気を揉むことが多かったからさ!」
「は、……はぁ」
私はちらりと、元女盗賊と「半次郎」の表情を窺った。
すると、久しぶりの休暇というワードに、少しだけ浮ついた雰囲気が現れていた。
「そうっ! 休暇でリフレッシュ! 本日は旅団全員休養日としますっ! いいわねっ、ハルコンッ! あなたたちも、普段働き過ぎよっ!」
「えっ!? えぇ~っ!? でも、このままだと行程が厳しくないですか?」
そうしたら、……さ。
シルファー団長は、右手の人差し指をチッチッチッと軽やかにお振りになりつつ、……。
「そこはハルコン、あなたの出番よ!」
そう、半身を前に乗り出して仰るんだよね。
「どういうことです?」
「ほらぁ~っ、ハルコンお得意のスキル『マジックハンド』で、旅団全体をサスパニアまで転移(ジャンプ)させちゃえばいいじゃないっ!」
目を輝かせてそう仰ると、ニヒッと白い歯を見せてお笑いになった。
「……」
まぁ、……。確かに、そのとおりなんだけどさぁ。
でも、それだとせっかくの旅気分を味わえないんだよなぁとハルコンは思った。
「なるほど、……。皆さんの話で、大体のことはワカりました。ハルコン、元女盗賊さん、『半次郎』さん、……。3人とも、大変お疲れ様でした」
シルファー団長はそう仰ると、 私(ハルコン)達にペコリと頭をひとつお下げになった。
そのご様子は、まるで王族の一員としての驕りなど微塵もなく、……。
こちらが、ほぼ徹夜で国王陛下と面談を行ってきた労をねぎらうものだった。
実は、こういうちょっとしたことをできるのがシルファー団長だ。
王立学校でも、王族として尊大に振舞うことなどなく、誰に対しても明るく公平で優しい。
それが、団長の長所なのかなぁとハルコンは思う。
ちらりと横の2人を見ると、ニコニコと笑顔で頷き返している。
どうやら、2人は団長に対して好意的で、正直ありがたいなぁと思った。
「団長、……。旅団の出発はいつ頃になりますか? できれば、朝食前まで仮眠を取っておきたいのですが、……」
率直にこちらから訊ねたら、「うぅん、そうねぇ、……」と団長も、しばしの間お考えになる。
「まぁ、……。そんなに急がなくてもいいんじゃないかしら?」
パッと、何かを思いついたような表情をされて、このまま河川敷で数日過ごしても構わないんじゃないかと仰るのだ。
「えっ!?」
「私達には休暇が必要よ。ここんとこ、コリンド帝国で気を揉むことが多かったからさ!」
「は、……はぁ」
私はちらりと、元女盗賊と「半次郎」の表情を窺った。
すると、久しぶりの休暇というワードに、少しだけ浮ついた雰囲気が現れていた。
「そうっ! 休暇でリフレッシュ! 本日は旅団全員休養日としますっ! いいわねっ、ハルコンッ! あなたたちも、普段働き過ぎよっ!」
「えっ!? えぇ~っ!? でも、このままだと行程が厳しくないですか?」
そうしたら、……さ。
シルファー団長は、右手の人差し指をチッチッチッと軽やかにお振りになりつつ、……。
「そこはハルコン、あなたの出番よ!」
そう、半身を前に乗り出して仰るんだよね。
「どういうことです?」
「ほらぁ~っ、ハルコンお得意のスキル『マジックハンド』で、旅団全体をサスパニアまで転移(ジャンプ)させちゃえばいいじゃないっ!」
目を輝かせてそう仰ると、ニヒッと白い歯を見せてお笑いになった。
「……」
まぁ、……。確かに、そのとおりなんだけどさぁ。
でも、それだとせっかくの旅気分を味わえないんだよなぁとハルコンは思った。
あなたにおすすめの小説
元チート大賢者の転生幼女物語
こずえ
ファンタジー
(※不定期更新なので、毎回忘れた頃に更新すると思います。)
とある孤児院で私は暮らしていた。
ある日、いつものように孤児院の畑に水を撒き、孤児院の中で掃除をしていた。
そして、そんないつも通りの日々を過ごすはずだった私は目が覚めると前世の記憶を思い出していた。
「あれ?私って…」
そんな前世で最強だった小さな少女の気ままな冒険のお話である。
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る
骸
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。
その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。
爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。
爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。
『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』
人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。
『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』
諸事情により不定期更新になります。
完結まで頑張る!
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』