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第一部「ハルコン少年期」
11 2人だけの秘密_03
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本来ならハルコンが先ず実演するところなのだが、何せまだ6歳の子供だ。火を使うのはさすがにマズい。だから、一連の作業は大人達にお任せだ。
燻蒸を始めてからしばらく経った頃、カイルズとローレルが他の視察を終え、こちらの様子を見に戻ってきた。
「ローレル卿、すまないね。子供の思いつきに付き合わせてしまって」
「いえいえ、カイルズ卿。ハルコン君のアイデアに、これまで我が領は大いに助けられております故」
単体のサケの干物では、ありふれていてあまり価値がない。
だが、そんな干物をほんの少しの工夫で高級食材に変えられれば、特産品としてシルウィット領の収入を増やすことができるはず。
すると、ハルコンが先程から燻蒸器の傍をいろいろ見て回っていたのだが、……。
「とりあえず、こんなものでしょう。そろそろ、取り出して下さい!」
ハルコンの指示に、大人の使用人達が、燻蒸器からサーモンの切り身を取り出した。
「さて、どうでしょうね。見た目はいい艶、いい色に仕上がっていて、匂いもいい感じです!」
ハルコンはそう言って、皿の上のサーモンの燻製をパクリと口に含むと、思わずニッコリ。
前世の晴子の頃、習い事の一環で料理教室にも通っていた。
彼女は家庭料理や和食だけでなく、フレンチ、イタリアン、中華などホンと様々な料理をマスターしていたので、これでなかなか味にはうるさいのだ。
傍にいるミラが欲しそうな顔をしているけれど、とりあえず父親達が先だ。
「どうかな、ハルコン君? 美味いのかい?」
「ローレル卿、これはスモークサーモンと言います。サケの干物を桜のチップで燻して匂い付けしています。なかなか美味いですよ。ほら父上も一緒にどうぞ!」
親達2人はお互いに顔を見合わせて、皿の上のサーモンを手に取った。
ここ最近のハルコンの実績により、2人はおそらくこれも相当に美味いものであるに違いないと思っている。
それでさっそく口に含み、ひと噛みすると。立ち所に2人の目つきが変わってしまう。
「酒だっ! 誰か酒を持ってきてくれっ!」
すると、ローレルが傍に控えている使用人に声をかけるや否や、カップと共に、セイントーク領産の高級ブランデーが、手回し良く勧杯されてきた。
それは、まるで2人が必ず酒を所望するであろうと予期していたかのような、まさにグッドタイミングだった。
2人の領主が燻製と酒を楽しんでいると、ハルコンは燻蒸の作業に関わった使用人達にも、同様に燻製を食べさせていた。彼らは皆、あまりの美味さに目を見張っていた。
「今回の作業で、このような味付け、匂い付けになります。皆さんはこの味と匂いを、今、確実に覚えて下さい。これが、今後の燻蒸処理を行う基本になりますので」
使用人の大人達が、ハルコンの言葉に真面目な顔で頷いている。
「何だか、大人の味がする!」
「でしょーっ!」
ミラも思わずニッコリ。ハルコンも笑顔だ。
そのやり取りを見ていたローレルは、以前にも増して娘のミラをハルコンにくっ付けようと動き出し始めた。
本来ならハルコンが先ず実演するところなのだが、何せまだ6歳の子供だ。火を使うのはさすがにマズい。だから、一連の作業は大人達にお任せだ。
燻蒸を始めてからしばらく経った頃、カイルズとローレルが他の視察を終え、こちらの様子を見に戻ってきた。
「ローレル卿、すまないね。子供の思いつきに付き合わせてしまって」
「いえいえ、カイルズ卿。ハルコン君のアイデアに、これまで我が領は大いに助けられております故」
単体のサケの干物では、ありふれていてあまり価値がない。
だが、そんな干物をほんの少しの工夫で高級食材に変えられれば、特産品としてシルウィット領の収入を増やすことができるはず。
すると、ハルコンが先程から燻蒸器の傍をいろいろ見て回っていたのだが、……。
「とりあえず、こんなものでしょう。そろそろ、取り出して下さい!」
ハルコンの指示に、大人の使用人達が、燻蒸器からサーモンの切り身を取り出した。
「さて、どうでしょうね。見た目はいい艶、いい色に仕上がっていて、匂いもいい感じです!」
ハルコンはそう言って、皿の上のサーモンの燻製をパクリと口に含むと、思わずニッコリ。
前世の晴子の頃、習い事の一環で料理教室にも通っていた。
彼女は家庭料理や和食だけでなく、フレンチ、イタリアン、中華などホンと様々な料理をマスターしていたので、これでなかなか味にはうるさいのだ。
傍にいるミラが欲しそうな顔をしているけれど、とりあえず父親達が先だ。
「どうかな、ハルコン君? 美味いのかい?」
「ローレル卿、これはスモークサーモンと言います。サケの干物を桜のチップで燻して匂い付けしています。なかなか美味いですよ。ほら父上も一緒にどうぞ!」
親達2人はお互いに顔を見合わせて、皿の上のサーモンを手に取った。
ここ最近のハルコンの実績により、2人はおそらくこれも相当に美味いものであるに違いないと思っている。
それでさっそく口に含み、ひと噛みすると。立ち所に2人の目つきが変わってしまう。
「酒だっ! 誰か酒を持ってきてくれっ!」
すると、ローレルが傍に控えている使用人に声をかけるや否や、カップと共に、セイントーク領産の高級ブランデーが、手回し良く勧杯されてきた。
それは、まるで2人が必ず酒を所望するであろうと予期していたかのような、まさにグッドタイミングだった。
2人の領主が燻製と酒を楽しんでいると、ハルコンは燻蒸の作業に関わった使用人達にも、同様に燻製を食べさせていた。彼らは皆、あまりの美味さに目を見張っていた。
「今回の作業で、このような味付け、匂い付けになります。皆さんはこの味と匂いを、今、確実に覚えて下さい。これが、今後の燻蒸処理を行う基本になりますので」
使用人の大人達が、ハルコンの言葉に真面目な顔で頷いている。
「何だか、大人の味がする!」
「でしょーっ!」
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