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第一部「ハルコン少年期」
34 王立学校祭 その1_03
* *
「ハルコン、こっちよ。付いてきてっ!」
「えっ、えぇ~っ!?」
女子寮のど真ん中を、ミラに手を引かれて案内されるハルコン。
ハルコンは少年の身体を持ちながら、同時に前世の晴子という女性の心も引き継いでいる。
まぁ、……自分としては、前世で女子寮生活が長かったため違和感がないのだけど。
でもなぁ。今の私は少年ハルコンという男子なんだよね。
そんなことを思いながら、ハルコンは半ば躊躇いつつ、姉サリナの部屋に向かっている。
寮にいる多くの女子学生達は、半ば学園のアイドルと化しているハルコンを見て、「きゃ~っ!?」と嬌声を上げたり、笑顔で手を振ってくれたりした。
その際、ハルコンは初心な感じで戸惑ったような笑顔を作っては、上手に立ち回りつつ廊下を進んでいくのだ。
だが、女子寮の中には、露出の多いラフな服装や下着姿のままふらついている者もそこそこいた。
「ごめんなさぁ~いっ!」と言って、ハルコンは目元を手で隠しながら、移動する時もあった。
「ここよ、ハルコン! 中に入って!」
漸く、姉サリナとミラの相部屋の前まで案内されるハルコン。
ハルコンは、「お邪魔しまぁ~す!」と言いながら部屋のドアを開け、中に入った。
ハルコンが屋敷にいてまだ小さかった頃、姉サリナの個室に入ると多くの絵本や人形が所狭しと並んでいたものだった。
今にして思うと、セイントーク家は豊かな家庭なので、両親の愛情が惜しみなく姉に注がれていた、その表れだったのかもしれない。
そして、今回姉とミラの相部屋に入ると、ハルコンの目に無数の花を活けたたくさんの花器が飛び込んできたのだ。
「すっ、凄いっ!?」
「でしょ~っ、ハルコン。これみぃ~んな、今度の学校祭のイベントで出すフラワーアレンジメントの、試作サンプルなのよ!」
そう言って胸を張る姉サリナ。ミラもまた、ニコリと微笑みながら頷いている。
王都のフラワーアレンジメント、その流行の最先端をいく腕前の2人が施した無数の花器。素晴らしく手の込んだ仕上がりを見せる花々が、そこには活けられていた。
室内には様々な花々の花粉や蜜の匂いが充満し、氷結魔石を組み込んだクーラーボックスが室内の湿度と温度を一定に保っていた。
ちなみに、このクーラーボックスもまた、ハルコンが姉サリナの依頼でドワーフの親方に特別に作らせたものだ。
「きてくれて、ありがとうハルコン。さっそくだけど、これを見て欲しいの!」
そう言って、姉は枯れた花の活けられた花器を手に取って、こちらに見せてくる。
「……、どうしましたか、これ?」
ハルコンも姉やミラ同様に、眉間に皺を寄せて考え込む。
「実はね、これ、……」
姉によると、セイントーク領とシルウィット領から王都まで運ばれてくる花が、ここ最近、何故か通常よりも早く枯れてしまうそうなのだ。
「このままだとさ、王立学校祭のサークルイベントに、花を用意できないかもしれない」
そう言って、姉サリナは今にも枯れそうな他の花々を悲しそうに見つめる。
「お願い、ハルコン。何とか私達、イベントを成功させたいんだけど、……どうしたらいい?」
ミラが真面目な顔をして、頼み込んできた。
「ハルコン、こっちよ。付いてきてっ!」
「えっ、えぇ~っ!?」
女子寮のど真ん中を、ミラに手を引かれて案内されるハルコン。
ハルコンは少年の身体を持ちながら、同時に前世の晴子という女性の心も引き継いでいる。
まぁ、……自分としては、前世で女子寮生活が長かったため違和感がないのだけど。
でもなぁ。今の私は少年ハルコンという男子なんだよね。
そんなことを思いながら、ハルコンは半ば躊躇いつつ、姉サリナの部屋に向かっている。
寮にいる多くの女子学生達は、半ば学園のアイドルと化しているハルコンを見て、「きゃ~っ!?」と嬌声を上げたり、笑顔で手を振ってくれたりした。
その際、ハルコンは初心な感じで戸惑ったような笑顔を作っては、上手に立ち回りつつ廊下を進んでいくのだ。
だが、女子寮の中には、露出の多いラフな服装や下着姿のままふらついている者もそこそこいた。
「ごめんなさぁ~いっ!」と言って、ハルコンは目元を手で隠しながら、移動する時もあった。
「ここよ、ハルコン! 中に入って!」
漸く、姉サリナとミラの相部屋の前まで案内されるハルコン。
ハルコンは、「お邪魔しまぁ~す!」と言いながら部屋のドアを開け、中に入った。
ハルコンが屋敷にいてまだ小さかった頃、姉サリナの個室に入ると多くの絵本や人形が所狭しと並んでいたものだった。
今にして思うと、セイントーク家は豊かな家庭なので、両親の愛情が惜しみなく姉に注がれていた、その表れだったのかもしれない。
そして、今回姉とミラの相部屋に入ると、ハルコンの目に無数の花を活けたたくさんの花器が飛び込んできたのだ。
「すっ、凄いっ!?」
「でしょ~っ、ハルコン。これみぃ~んな、今度の学校祭のイベントで出すフラワーアレンジメントの、試作サンプルなのよ!」
そう言って胸を張る姉サリナ。ミラもまた、ニコリと微笑みながら頷いている。
王都のフラワーアレンジメント、その流行の最先端をいく腕前の2人が施した無数の花器。素晴らしく手の込んだ仕上がりを見せる花々が、そこには活けられていた。
室内には様々な花々の花粉や蜜の匂いが充満し、氷結魔石を組み込んだクーラーボックスが室内の湿度と温度を一定に保っていた。
ちなみに、このクーラーボックスもまた、ハルコンが姉サリナの依頼でドワーフの親方に特別に作らせたものだ。
「きてくれて、ありがとうハルコン。さっそくだけど、これを見て欲しいの!」
そう言って、姉は枯れた花の活けられた花器を手に取って、こちらに見せてくる。
「……、どうしましたか、これ?」
ハルコンも姉やミラ同様に、眉間に皺を寄せて考え込む。
「実はね、これ、……」
姉によると、セイントーク領とシルウィット領から王都まで運ばれてくる花が、ここ最近、何故か通常よりも早く枯れてしまうそうなのだ。
「このままだとさ、王立学校祭のサークルイベントに、花を用意できないかもしれない」
そう言って、姉サリナは今にも枯れそうな他の花々を悲しそうに見つめる。
「お願い、ハルコン。何とか私達、イベントを成功させたいんだけど、……どうしたらいい?」
ミラが真面目な顔をして、頼み込んできた。
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