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第一部「ハルコン少年期」
35 王立学校祭 その2_09
* *
正午間もなくということもあり、臨時の食事会場はほぼほぼ満席状態だった。
利用者の多くが、最近王都で流行の「弁当」持参で、箱の中を様々に彩っている様子だ。
「ねぇ~っ、何だかかなり混んでいるねぇ!」
「そうですね、姉様。時間がバッティングしちゃったみたいですね」
サリナ姉の言葉に、ハルコンが相槌を打つ。
両殿下とミラは先程からず~っとフラワーアレンジメントの話で盛り上がっており、ステラ殿下が、「絶対国に帰ったら、向こうでも流行らせますから」と力説されているのが窺えた。
「……、どうしますかねぇ。混んでますから、時間を改めて後できますかねぇ?」
ハルコンがそんな感じでサリナ姉の言葉に応じていると、「おぉ~いっ、こっち、こっちぃ~っ!」という声が、会場席の奥の方から聞こえてくる。
見ると、立ち上がってこっちに向けて手を振ってくるケイザン兄がいた。
「ハルコン、奥の席が空いているみたい。皆さん、向こうまでいきましょ!」
サリナ姉がそう言うと、両殿下とミラが揃って、「「「はぁ~い。サリナ姉様ぁ!」」」と、にこやかに微笑んだ。
「くっ!?」
思わずひるんでしまった。
だって、3人は普段私がサリナ姉様に接するのを真似して、返事しているんだからね。
それも、声色、トーン、表情の具合、仕草に至るまで、そっくりそのまま真似してくるんだよ。
すると、サリナ姉様も慣れたもんでさ。
「おほっ、ハルコンが一度に3人も増えたみたい! いいわよっ、ハルコン共! このサリナ姉様についてらっしゃい!」
そんな感じで年の功なのか、いつもよりも3倍姉上っぽく気さくに応じている。
「「「はぁ~い!」」」
姉の対応に、一瞬目を丸くされたシルファー先輩達だが、嬉しそうに皆ニッコリだ。
ホンと、姉上はとてもいい意味で「お姉ちゃん」しているよなぁと、ハルコンは思った。
「おぉ~いっ、サリナァ。こっち、こっちぃ~っ!」
「ありがとう、ケイザン兄様。わざわざ私達のために席を取っておいてくれたの?」
席に着きながらニコリと微笑むサリナ姉に、ケイザン兄はひとつ頷く。
「先程まで運営委員会の人達と、午後の演武大会の件で話し合っていたんだ。オマエんところも相当盛り上がっていたんだろ?」
「えぇ、……、まぁ」
姉は、謙遜して曖昧に返事をしている。
「ボクらのサークルも注目されていてね。イメルダのサークルとの合同開催の話が、王宮に届いていたそうで、武芸に秀でていらっしゃる第一王子が、観覧されることが急遽決まったんだ!」
そう誇らしげに語るケイザン兄様。
しばらく前まで「弱者連合」と揶揄されていただけあり、今の状況を非常に満足しているのだろうと、ハルコンは思った。
ちらりとシルファー先輩を見ると、同じタイミングで彼女もこちらをじっと見てきた。
「ハルコン。あなたは演武大会に参加しないの?」
「えっ!?」
「だって、あなたが創始者なんでしょ? セイントーク流合気術って」
「えぇ、まぁ」
先輩はさも不思議そうに小首を傾げながら、こうお訊ねになられるので、こちらも曖昧に頷く。何やら、話が噛み合わない感じなのだが、気のせいか?
「兄上は、あなたのことを見に、先日帰国されているのよ。だから、あなたも午後の大会、必ず参加しなさい!」
ロイヤルな、……有無を言わさぬ命令。先輩はとても優しくいいお方だが、たまにロイヤルな振る舞いを天然でされることがある。
私は今や子爵の身。王族の命令には逆らえないし、またシルファー先輩の期待にこたえたいのも正直なところだ。
「ワカりました」
そう言って笑うと、兄姉様やステラ殿下もニッコリ笑った。
ミラだけは、こちらのことを思ったか、少し冴えない表情を浮かべて乳飲料を飲んでいた。
正午間もなくということもあり、臨時の食事会場はほぼほぼ満席状態だった。
利用者の多くが、最近王都で流行の「弁当」持参で、箱の中を様々に彩っている様子だ。
「ねぇ~っ、何だかかなり混んでいるねぇ!」
「そうですね、姉様。時間がバッティングしちゃったみたいですね」
サリナ姉の言葉に、ハルコンが相槌を打つ。
両殿下とミラは先程からず~っとフラワーアレンジメントの話で盛り上がっており、ステラ殿下が、「絶対国に帰ったら、向こうでも流行らせますから」と力説されているのが窺えた。
「……、どうしますかねぇ。混んでますから、時間を改めて後できますかねぇ?」
ハルコンがそんな感じでサリナ姉の言葉に応じていると、「おぉ~いっ、こっち、こっちぃ~っ!」という声が、会場席の奥の方から聞こえてくる。
見ると、立ち上がってこっちに向けて手を振ってくるケイザン兄がいた。
「ハルコン、奥の席が空いているみたい。皆さん、向こうまでいきましょ!」
サリナ姉がそう言うと、両殿下とミラが揃って、「「「はぁ~い。サリナ姉様ぁ!」」」と、にこやかに微笑んだ。
「くっ!?」
思わずひるんでしまった。
だって、3人は普段私がサリナ姉様に接するのを真似して、返事しているんだからね。
それも、声色、トーン、表情の具合、仕草に至るまで、そっくりそのまま真似してくるんだよ。
すると、サリナ姉様も慣れたもんでさ。
「おほっ、ハルコンが一度に3人も増えたみたい! いいわよっ、ハルコン共! このサリナ姉様についてらっしゃい!」
そんな感じで年の功なのか、いつもよりも3倍姉上っぽく気さくに応じている。
「「「はぁ~い!」」」
姉の対応に、一瞬目を丸くされたシルファー先輩達だが、嬉しそうに皆ニッコリだ。
ホンと、姉上はとてもいい意味で「お姉ちゃん」しているよなぁと、ハルコンは思った。
「おぉ~いっ、サリナァ。こっち、こっちぃ~っ!」
「ありがとう、ケイザン兄様。わざわざ私達のために席を取っておいてくれたの?」
席に着きながらニコリと微笑むサリナ姉に、ケイザン兄はひとつ頷く。
「先程まで運営委員会の人達と、午後の演武大会の件で話し合っていたんだ。オマエんところも相当盛り上がっていたんだろ?」
「えぇ、……、まぁ」
姉は、謙遜して曖昧に返事をしている。
「ボクらのサークルも注目されていてね。イメルダのサークルとの合同開催の話が、王宮に届いていたそうで、武芸に秀でていらっしゃる第一王子が、観覧されることが急遽決まったんだ!」
そう誇らしげに語るケイザン兄様。
しばらく前まで「弱者連合」と揶揄されていただけあり、今の状況を非常に満足しているのだろうと、ハルコンは思った。
ちらりとシルファー先輩を見ると、同じタイミングで彼女もこちらをじっと見てきた。
「ハルコン。あなたは演武大会に参加しないの?」
「えっ!?」
「だって、あなたが創始者なんでしょ? セイントーク流合気術って」
「えぇ、まぁ」
先輩はさも不思議そうに小首を傾げながら、こうお訊ねになられるので、こちらも曖昧に頷く。何やら、話が噛み合わない感じなのだが、気のせいか?
「兄上は、あなたのことを見に、先日帰国されているのよ。だから、あなたも午後の大会、必ず参加しなさい!」
ロイヤルな、……有無を言わさぬ命令。先輩はとても優しくいいお方だが、たまにロイヤルな振る舞いを天然でされることがある。
私は今や子爵の身。王族の命令には逆らえないし、またシルファー先輩の期待にこたえたいのも正直なところだ。
「ワカりました」
そう言って笑うと、兄姉様やステラ殿下もニッコリ笑った。
ミラだけは、こちらのことを思ったか、少し冴えない表情を浮かべて乳飲料を飲んでいた。
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