天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第一部「ハルコン少年期」

39 サスパニア出張旅行 その2_08

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「それでは女神様。私は、これからどうすべきとお考えですか?」

 せっかく、女神様がこうしていらっしゃったのだ。
 だったら、こちらとしても遠慮などせず、現在抱えている疑問や難問のヒントを授かってもよろしかろうと、ハルコンは思った。

「そうですねぇ、……。晴子さんの所属するファイルド国は、現在『善隣外交』をされていらっしゃるのでしょ? なら、晴子さんもその方針に従うべきではないかしら?」

「なるほど。確かに、そうですね」

「それに、サスパニアに送ったあの子達には、特にスキルを持たせておりません。何しろ、彼らは地球で得た知識を基に、こちらで活動を再開しただけなのですから、……」

「そうでしたか、……。なら、私が頂いたチートスキルを使っても、……構いませんか?」

「はい、どうぞどうぞ。でもね、晴子さん。『皆、仲良く!』、……ですよ!」

「了解いたしましたっ!」

 女神様のお話を伺ったら、今後どうすべきかといった方向性が漸く見えてきたと思った。
 すると、つい、……こちらの強張った頬も緩んでくる。

「ふふっ、晴子さん。やっと笑顔になられましたね?」

 女神様はそう仰ると、両手の人差し指でそれぞれ口角を上に押し上げてから、極上のスマイルをお見せになられたのだ。

 そのご尊顔の、知的なのにとても愛らしくて、かわいらしくて、……。
 一瞬、言葉を失ってしまいそうになった程だ。

「おっ、お美しい、……です」

 思わず赤面しつつ本音を漏らしてしまうと、女神様も「あらっ!」と小さく呟いて、少しだけ表情を赤らめていらっしゃった。

「たはは、……。私は立場を忘れてはしゃいでしまいましたっ!」

「女神様、私もです!」

「「ふふふっ、あぁーっ、楽しい!」」

 こうしてしばしの間、……お互いに相手を思いやるように笑い合った。
 それから、……女神様はどこかくすぐったそうに、こう仰った。

「うふふっ、晴子さん、……以前よりも少しだけ大人びてきましたね? この後で元服したら、もう直ぐ結婚ですね?」

「私が結婚、……ですか? まだ、実感が沸きませんね」

「ほらぁ晴子さん! 私、以前にも申しましたよね? もっと恋愛を楽しみなさいって!」

「えぇ、……そう仰ってました。でも、……私は昔から色恋とやらに疎いものでして、……」

 その言葉をお聞きになられた女神様は、笑顔のまま、深く長いため息を漏らされた。
 すると、先ほどまでの笑顔とは打って変わって、眉間に少しだけ皺を寄せながら、そのご尊顔をズズイと近づけてこられたのだ。

「ダメよ、晴子さんっ! あなたには甘ぁ~い誘惑がなさ過ぎて、まるで隙がないのよっ!」

「は、はぁ、……」

「いいですかっ! これから晴子さんに課題を出しますっ! 今度のサスパニア出張旅行には、必ずシルファー・ファイルド、ステラ・コリンド、ミラ・シルウィットの3名を連れてゆきなさいっ! いいですねっ!」

「はっ、はいっ!!」

 女神様の剣幕に、思わず同意せざるを得ないハルコンだった。
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