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始動編
きっかけ
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東西南北と中央の5ヶ所にある魔性植物園は、担当地域の魔性植物の保護や改良、有効な利用方法などを研究する施設である。
中央は王都にあるため、国中から集めた数の多さと異なる地域毎の立派で優雅な作りの温室が人気で、研究者の憧れの場所としても有名だった。
東は砂漠に隣接しているため独自の植物が豊富にあり、有用な利用法を確立している。
西は木材やきのこ類、菌類の種類が豊富。
南は様々な花が年中咲き誇り、香水や食べる花の開発が盛んだ。
北がリベルタにあり、その園長が私エルマンノなのだった。
他と違い有用な利用方法も、産業になる程の特産品になるような発見もないため、常時予算削減の候補の上位に上がっていた。
どちらかといえば、魔性植物園の中では一番果実が豊富だが、人族が食用出来るのは限られていたし、普通の果実のが扱いやすく、収穫がしやすく、改良しやすいため、ほとんど見向きもされない。
幼馴染みでもある冒険者ギルド長のオーガスティンに良く愚痴りながら、良い情報がないか探りを入れていた。
もちろんそんな都合の良い情報がそうそう転がっている訳がない。
そう思っていた。
事態が急変したのは、薬師でありながら幻獣使いでもあるレナードさんが、珍しい幻獣の幼体を保護し、栄養確保のために冒険者ギルドへ相談に来たことがきっかけだった。
食用の卵が欲しかったそうだが、常時確保したいために成鳥でも良いと言い、偶々養鶏業者からの相談で、コッコの若鶏を預かった直後で、若鶏ペアを勧めたらしい。
冒険者ギルドでも扱いに困っていた変異種のコッコを、その番いと雛達と一緒に引き取ってくれたそうだ。
それだけでも冒険ギルドとしては助かったのだが、そのことが誰も予想のつかなかった全世界を揺るがすことになると気付く者は居なかった。
どういった経緯かは詳細は省くが、オーガスティンから呼び出されて冒険者ギルドに行くと、商業長ギルドエドウィンと伝書屋のヘルマンさんもいた。
詳しい説明を聞けば聞く程、我々の植物園の問題を一気に解決する内容ばかり。
売りたくても売れない果実
毎日駆除しても湧き出て来る魔物の虫
増え過ぎないようにする魔素の管理
これだけでも非常に助かるのだが、更に益虫の変異種にも応用が出来るかもしれないと想像がどんどん膨らむ。
ついつい興奮して、専門職員を用意しなければと、大人気なくはしゃいでしまった。
まぁ興奮したのは私だけではない。
最初に話しを聞いた伝書屋のヘルマン氏も、
悩みの種だった変異種の問題が解決出来ると喜ぶ商業ギルド長も、
塩漬け案件の魔虫や小型魔物の討伐依頼が減ると喜ぶ冒険ギルド長も。
直ぐに話はまとまり、3者協定が結ばれた。
変異種育成計画はリベルタの魔性植物園を大きく変える救世主だった。
おかげでこの植物園が有名になった。
但し、正式な名称である魔性植物園としてではなく、可愛らしい幻獣と触れ合える『ふれあい小型幻獣園』として。
公には変異種の生存率向上の研究成果で、
商人には新たな作物の有効活用法で、
国民には可愛らしい幻獣(変異種の成体)や幼体が間近で見られる場所として、近隣の国にも注目される施設へと変わった。
それが一部の職員の暴走によるものだったことは、『変異種育成計画』の始動に関わった者達しか知らない。
中央は王都にあるため、国中から集めた数の多さと異なる地域毎の立派で優雅な作りの温室が人気で、研究者の憧れの場所としても有名だった。
東は砂漠に隣接しているため独自の植物が豊富にあり、有用な利用法を確立している。
西は木材やきのこ類、菌類の種類が豊富。
南は様々な花が年中咲き誇り、香水や食べる花の開発が盛んだ。
北がリベルタにあり、その園長が私エルマンノなのだった。
他と違い有用な利用方法も、産業になる程の特産品になるような発見もないため、常時予算削減の候補の上位に上がっていた。
どちらかといえば、魔性植物園の中では一番果実が豊富だが、人族が食用出来るのは限られていたし、普通の果実のが扱いやすく、収穫がしやすく、改良しやすいため、ほとんど見向きもされない。
幼馴染みでもある冒険者ギルド長のオーガスティンに良く愚痴りながら、良い情報がないか探りを入れていた。
もちろんそんな都合の良い情報がそうそう転がっている訳がない。
そう思っていた。
事態が急変したのは、薬師でありながら幻獣使いでもあるレナードさんが、珍しい幻獣の幼体を保護し、栄養確保のために冒険者ギルドへ相談に来たことがきっかけだった。
食用の卵が欲しかったそうだが、常時確保したいために成鳥でも良いと言い、偶々養鶏業者からの相談で、コッコの若鶏を預かった直後で、若鶏ペアを勧めたらしい。
冒険者ギルドでも扱いに困っていた変異種のコッコを、その番いと雛達と一緒に引き取ってくれたそうだ。
それだけでも冒険ギルドとしては助かったのだが、そのことが誰も予想のつかなかった全世界を揺るがすことになると気付く者は居なかった。
どういった経緯かは詳細は省くが、オーガスティンから呼び出されて冒険者ギルドに行くと、商業長ギルドエドウィンと伝書屋のヘルマンさんもいた。
詳しい説明を聞けば聞く程、我々の植物園の問題を一気に解決する内容ばかり。
売りたくても売れない果実
毎日駆除しても湧き出て来る魔物の虫
増え過ぎないようにする魔素の管理
これだけでも非常に助かるのだが、更に益虫の変異種にも応用が出来るかもしれないと想像がどんどん膨らむ。
ついつい興奮して、専門職員を用意しなければと、大人気なくはしゃいでしまった。
まぁ興奮したのは私だけではない。
最初に話しを聞いた伝書屋のヘルマン氏も、
悩みの種だった変異種の問題が解決出来ると喜ぶ商業ギルド長も、
塩漬け案件の魔虫や小型魔物の討伐依頼が減ると喜ぶ冒険ギルド長も。
直ぐに話はまとまり、3者協定が結ばれた。
変異種育成計画はリベルタの魔性植物園を大きく変える救世主だった。
おかげでこの植物園が有名になった。
但し、正式な名称である魔性植物園としてではなく、可愛らしい幻獣と触れ合える『ふれあい小型幻獣園』として。
公には変異種の生存率向上の研究成果で、
商人には新たな作物の有効活用法で、
国民には可愛らしい幻獣(変異種の成体)や幼体が間近で見られる場所として、近隣の国にも注目される施設へと変わった。
それが一部の職員の暴走によるものだったことは、『変異種育成計画』の始動に関わった者達しか知らない。
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