幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第4章

始動

その後の会議でアーウィンの補佐にエルフ族が、ネイティヴィダッドの補佐にダグ・ブルネッルが、事務局長の補佐には獣人族が決まった。
それ以外に警備局長が追加で決定した。
今は本部と保護施設しか必要がないが、今後支部を増やす時に必要だろうということになり魔族から決めた。
1ヶ月は本部に滞在してもらい、組織に最低限必要なことだけ決めて、以後は必要に応じて集まることにした。
補佐役も今後、今回決めた2人の副ギルド長と補佐同士の相性で、あと2人は補佐をつけたいと話した。
まだどんな問題や課題があるのかなど分からない手探りの状態のため、とりあえず運営側の人数の確保が至急案件だった。

幻獣士は初日を除いて、日によって10~15人前後が誕生したが、特別措置の終盤に近付くと森から戻って来ない者がいると報告があった。
ネーベルに聞いてみる。
《幻覚デ不適格ト判断シタ者ガ、幻覚ノ衝撃ニ耐エ切ッテ無理シテ入場シタ。
更ニ採取量ナドニオイテモ不適格ニナッタ者ハ王達ニ合エズニ彷徨ウ。
苛ツイテ幻獣ニアタッタ者ハ、幻獣ヲ取リ上ゲラレテ放置サレタカラ、他ノ幻獣ニ襲レタダロウト言ッテイル》
《王達を怒らせて消された者はいないのですね》
《今ノトコロ居ナイラシイ》
《そうか、ありがとう》
お昼までに集まった初期メンバーと昼食を取りながらネーベルから聞いた話しをする。
「帰って来ない者がどういう背景が有るか、知るためにも今後は森に挑戦する前に仮の登録をしたらどうだろうか?」
補佐のダグが意見を述べた。
「そうだなぁ、強制ではなく任意でしてもらい、一定期間戻らない場合には家族など登録時に書かれた連絡先に伝えるってことにしたら良いかもな」
とアーウィン。
「後ろ暗いところがなければ、実際に帰って来ない者がいると受付する時に伝えれば、ほとんどの者はするだろう。
よほどの馬鹿か、自身過剰の者は何か文句をつけるかもしれないが」
ドワーフの1人が答える。
「我々竜人族は初日に本契約をした時に、戻れない者がいると言う危険性を感じたので、当日の内に国元に連絡便を出したゾ。
家族などに別れの覚悟をするように徹底するだろう」
「我々も緊急便で連絡をしなければ!」
獣人族以外の種族は、急ぎ飛び出していった。
獣人族の国はないし、それぞれが連絡を取り合っているものの、竜人族や今対応している種族からの情報で来た者ばかりで、帰郷後に改めて種族の長老などと話し合う必要があるため、連絡だけしても意味がないから動かないそうだ。
午後からはもし森に入って幻獣士と認められず帰って来ない者がいるため、3日経っても本部に戻らない時に連絡する場所がある場合は記入しておくことを追加で説明した。
大切な家族や仲間などがいる者はもちろん、定住先がない者は所属ギルドを記入した。
幻獣士は幻獣使いならば誰でもなれるものだと豪語し拒否する者達も居たが、戻って来ない者の中で名前が判明している者を挙げてようやく記入してくれた。
戻って来たら本人に返却するという形で、残った者が分かるようにした。
記入を開始してから5日経った最後受付者が入り口に向かった後、初期メンバーが全員集まり対策会議をした。
戻らない者は10名で、内7名は2日以内のため除外する。
初日は挑戦者全員が数時間以内に戻って来ており、初期メンバーで一番遅い者でも5時間以内に戻って来ていたので気付かずにいた。
この時期に来る者がこんなにも帰らないことは想定していなかったので何も対策をしていなかった。
受付を担当する予定で採用した職員が指示を受けずともきちんと記録を残していたため、当日中に戻らない者の名前と種族だけが一部判明した。
担当外の時に戻った者が消されてなかったり、記録そのものがないため正確なことが分からなかったため、報告が少し遅くなったそうだ。
その職員の記録から最高3日目の朝に戻ったということから、4日経ってから不明者名簿に移行した。
不明者名簿に載った者の連絡をいつするのか協議した結果、1週間戻らない者に挑戦日を記載した生死不明通知を送ることに決まった。
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