幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第4章

遺品

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生死不明者の通知を送ってみたものの、生存者や遺品があるかもしれないとレナードとアーウィンで、幻獣士用の別の入り口から試練の森に入った。
2人の幻獣と変異種全てでそれぞれが好きな方向を捜査。
幻獣以外の生き物や森の物ではない物を見つけたら、持って来ずに待機して呼ぶ様に念押しした。
遺品と思われる物は全て回収した。
持ち帰った物は保存のマジックバックに保管して、生死不明者通知を送った相手に回収した持ち主不明の遺品があることを連絡。
3年間は保管する予定で遠方の場合には最寄りの商業ギルドか、冒険者ギルドで水晶越しに閲覧出来る旨を記載した。
それとは別に幻獣の登録をしている全てのギルドにも、幻獣士に挑戦した者で名簿作成前に生死不明者がいることと、持ち主不明の遺品があることを通知した。
家族などから捜索願が出た際に、幻獣の登録していた者は問い合わせするようにと。
直ぐに1件の問い合わせがあった。
元貴族だったという人間の親族で、遺品の確認をしたいがどこへ行けば良いかと言う物だった。
保管している幻獣士ギルド本部か、冒険者ギルドか、商業ギルドならば、対応するとと伝えると幻獣士ギルドの最寄りの商業ギルドに出向くと返答があった。
リベルタの宿に着いたら連絡を入れて日時の相談をすることで話しが決まった。
5日後に連絡があり、翌日の午後に会う手筈が整った。
貴族の関係者ということで、レナードと副ギルド長で竜人族の貴族でもあるネイティヴィダッドと商業ギルド長が立ち会った。
目立ちたくないということで、商業ギルドの応接室で商談という名目で会った。
「お手数をおかけして申し訳ありません。
連絡いただいた家に仕える家令のサムエルと申します。
絶縁している御子息ですので、依頼主の名前は控えさせていただきますが、生死不明のままだと納得しない者がおりますので、遺品が有れば引き取りたいと伺って来た次第です」
「私は幻獣士ギルド長のレナード・ボールドウィンと申します。事情は分かりました。
不明者が複数人おり、しかも3日以上経ってからの捜索なのでほとんど残っておりませんが全て持って来ましたので順番に見て下さい」
「承知しました」
護身用の鞘付きのナイフと指輪に、御子息を示す模様があったということで引き取った。
「これだけ有れば納得されるでしょう。
本日は時間を作っていただきありがとうございました」
その後も2組から遺品の確認の問い合わせがあり、どちらも旅費の関係で自分達の最寄りの冒険者ギルドでの確認となった。
水晶越しの確認で遺品かもしれない物だけを絞ってもらい、それぞれの冒険者ギルドで直接確かめてもらうことになった。
1組は人間で、両親と兄がやって来て、行く時に持っていった防具と服を素材や色、傷などで確認して引き取っていった。
「幻獣士になって俺を見返すんだと出て行きました。
幻獣と言っても未だ成体前で仕事が出来る状態じゃなかったから止めたんですがね」
寂しそうに言う父親と泣き崩れる母親、母親を支え耐えるように歯をくいしばる兄。
遺品だけでも戻って来て良かったと帰って行った。
もう一組は狐の獣人で、力尽くで仮契約をして日が浅いから無理だと止めたが行ってしまったと母親が泣きながら話してくれた。
「母子2人で貧しい思いをさせたので、一攫千金を夢見てしまったんでしょう。
初日にここで応募要項を読んですぐに興奮して帰って来て、俺がコイツと稼いでやるよと出て行き、不安に思ってここに来たんです。
応募要項を読ませてもらったら、良い条件だけを見て行ってしまったと確信し、王の方々に認められなければ森から帰れないということは目には入ってなかったと思いました」
通知が来て不安が的中して悲しかったが、覚悟をしていたのでやはりと思ったと。
母親が手作りした服と父親の形見だった使い込まれて修繕の跡のあるブーツを持っていった。
遺品が戻って来ると思わなかったと大事そうに抱えていた。
幼体しかいない者や幻獣を得てから日が浅い者は、事前に講習を受けることを受付で説明する対策を取ることに決まった。
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