幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第4章

相性

幻獣がいない者でも登録出来るように解禁されたが直ぐには挑戦者は来なかった。
試練の森はまだ新しいため定住している幻獣はおらず、どの森にもある植物や昆虫、魔物達しか居なかった。
保護された幻獣もギリギリまで人族に慣れさせるため、解禁されるまでは寝るために保護施設に帰って来ていたから。
各地の迷いの森からも、人族と契約しても良いと思う者や群れに馴染めない者などが少しずつ移動して来ていた。
保護された幻獣の中で相手次第では相棒になっても良いとしっかり意志表示した者だけが幻獣士エリアで待機していて、全て成体で一部を除いて人間に長い間捕まっていたり、使役されていた者達だった。
銀鷹 1羽、銀梟 1羽
銀狼シルバーウルフ 2頭、白狐ホワイトフォックス 3頭、
一角獣ユニコーン 3頭、竜馬 6頭、天馬ペガサス 2頭
岩石亀 2匹
は、野生では生活出来ないし、ただ世話をされているのは今までとそんなに変わらないとか、無理やりは嫌だが働き次第で待遇改善してくれるならと。
まだ迷っている者や人間に恐怖心がある者は生活エリアで、主に群れの成体が全滅した幼体や希少種族がいる。
星狼スターウルフ幼体 5頭、雪狼スノーウルフ幼体 2頭、白虎ホワイトタイガー幼体 2頭、銀狐シルバーフォックス幼体 1頭
雪虎スノータイガー 2頭

欠損があり相棒になれない者は保護エリアにいる。
岩猪 1頭(牙が片方折れている)、土竜 1頭(爪が欠けている)
希少な水辺や奥地にいた者達はレナードの庭の保護区域にいる。
海竜幼体 1頭(ヒレの一部が欠損)、
水晶亀 1匹、人魚 2体、水馬 1頭

他の森から移って来た者で群れに馴染めなかった者以外は、強く好奇心が旺盛な者ばかりだった。
幻獣達にしか見えない魔力のベールか、幻獣達しか嗅げない匂いで先ずは相性を判断するのだ。
幻獣達は好きな匂いか、魔力のベールの色や大きさで興味を持ち、性格や行動などで自分達の希望する主人像を離れた場所から確認し、近寄って最終的に判断する。
強さを求める者は勝負を挑み、
優しさを求める者は接した時の対応、
中には勝負している様子を見て決めようとしている者など様々だ。

幻獣を得るために森に入る者は特製のテントの貸し出しと3日分の非常食とそれらを入れたマジックバックが貸与される。
それ以外の物は持参だが、不正な魔道具や過剰な罠や武器などの持ち込みを禁止するため、貸与してマジックバックに職員のチェックが済んだ物のみ移し替えることが許可された。
テントは幻獣やこの森の魔物に就寝中に襲わないよう匂い付けされた物で、盗難防止の登録魔法も付与されている。
相棒が居ない幻獣使いは5人1組で待機部屋を出発し、霧の中を案内役の精霊達の光に導かれて扉へ進む。
もちろん途中で幻影が得意な精霊や幻獣が、襲って来ようとする姿を見せたりして覚悟を確かめる。
扉の前で順番に碑を読み、挑戦するかどうかの最終確認の精霊王か幻獣王の名を呼ぶのは同じだ。
森へ入ると案内役の精霊に方向を示されその方向へ向かう。
親兄弟や仲間で幻獣士となった時に活動する時に一緒に行う予定の者以外は、バラバラにされる。
幻獣達は索敵範囲内に来た人族を観察する。
興味が湧いたら姿を現す。

最初の幻獣が居ない幻獣使い5人の内、森へ挑戦したのは3人だった。
薬師見習いでもあり、素材を採取出来るようになりたい豹獣人のクォーターのアイシャ。
行商人の息子で素材専門の行商人になりたい狐獣人のフィンリー。
冒険者の戦士職で相棒の幻獣を老衰で失った竜人族のチェレスティーナ=フレデリコ・ラノッキア。
この森で幻獣を探す時には、
自分が望む能力を口に出すか、
強く願うことがルールで、
アイシャは前者、残りの2人は後者だった。
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