幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第8章

取り纏め

 昼食会の後は怪しまれない様にそれぞれが適時に祭りに参加した。変異種育成の事で一般公開されない内容を話す場合には、防音室や防音と口元を目隠しする結界を張った上での会話が必須のルールがあり、そのルールを利用して、会場内にいる同種族同士の話し合いの調整も行われた。
 早朝の会合を帝国や王国のスパイなどに悟られないために、広場前の屋敷以外に宿泊している者は、秘密の通路で繋がっている別の建物に酔い潰れた同僚と共に宿泊するといった理由付けをして夜中に案内された。
 流石にこの短時間で決められることは限られていたが素案は出来上がった。

 1つ目は薬師ギルドの件で、計画に参加していない他のギルドの事は勝手に決めることは出来ないということ。なので会合メンバーが信頼する薬師ギルド上層部に秘密裏に打診をする。薬師ギルドが賛同した場合でも、扱う者は幻獣士のみで、兼業か専属契約のみを許可で、出来れば一族や家族など秘密が守られやすい環境を提案すること。
 2つ目は争いの種になるので如何なる宗教にも詳細は知らせず、所属もさせないこと。噂を聞いたら接触するであろう過激な宗教が、手出し出来ない方法を後日協議する事。
 3つ目は解毒液の件は薬師ギルドと治療ギルドに伝えるが、想定される懸念を挙げ対応策をある程度考えることと、伝える人選や場所などを一旦持ち帰って、後日擦り合わせた上でという事。
 4つ目は今回の有用過ぎる種族の幻獣達の事で今後、人間族の様に行き過ぎる不信を避けるためにも、精霊王達に協力を仰ぐお願いをする。
 などが大筋で決まった。
 ピュードルに精霊王達との会合の打診に行ってもらっている間に、レナード以外に精霊王達に対峙するメンバーを決めた。
 大いに揉めた。
「我も行きたいが、レナード殿には我が息子王太子が付き纏ってまた迷惑をかけるだろうから辞退しよう」
 という事になり、アグラレスとエルフの最長老、人間の代表として商業ギルド代表の1人がメンバーになった。本来ならレナード以外全て別の種族にしたかったが、精霊王と話せるとなると色々複雑でかつ時間がないため、人間族とエルフ族が同数ということになった。内容は懸念される悪用に関することと、人族で対応出来ない事は何かを当日までに各種族で考え、後日擦り合わせをする事まで決まった。

 《我ガ主人ガ、7人揃ウノニ少々時間ガイルカラ8日後ニ金剛石アダマースニト言ッテイル》
 《承知したと伝えて欲しい。そしてメンバーは4人とも伝えて欲しい》
 《承知シタ》
5日後に水晶を使用した魔法会合で擦り合わせの日程が決まった。その後すぐに解散となり、昨夜の部屋へと急ぎ戻って寝たふりをするつもりが、会合の疲れからか寝てしまった。
昼前になり心配したクレドが幼い小精霊達とシャンスを背に乗せ、レナードの気配を辿って寝ていた部屋の窓を叩き、その音で目覚めた。
 
 今日は祭りの後にスティードとアルバのどちらでも牽ける魔道馬車を購入するつもりだ。大所帯になり遠出も増えるだろう。長距離専用の特注馬車なら大陸一の技術を誇るドワーフ族に頼みたい。他にもドワーフならではの加工品をいくつか購入出来ればと思っている。
流石に多忙なエドウィンは馬車の購入の時までは付き合って色々アドバイスをくれたが、夕食前に飛竜便で帰って行った。戻ったらギルドの上層部である代表達に今回の件を報告し、出席者の打診をして来ると言って。きっと話し合いから戻ったら直ぐにギルド連合本部に呼び出されるだろうなとため息が出た。




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