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第8章
馬車購入
時は少しだけ遡る。
エドウィンのために早速馬車の工房へドワーフ王の側近の1人を同行して、専用馬車で向かった。到着したのはオーダー専門の工房で、安価な物や急ぎで欲しい人のためにセミオーダーも請け負ってくれるそうだ。
店主が来るまでは展示されている物を見ていた。特にスティードとアルバは自分達が牽引する事になるため真剣な目を向けている。
「待たせたな、店主のコルマックだ。幻獣が牽く馬車と聞いたが?」
「初めまして、薬師で幻獣士でもあるレナードも言います。ここにいる馬の変異種と麒麟の2頭がどちらでも牽ける馬車を頼みに来ました」
「ほぅ2頭立てではなく、1頭立てなのだな」
「はい、今乗って来たのは近距離用で馬のスティードが牽いているのですが、長距離の時は交代させたいし、それに生粋の幻獣じゃないといけない場所も想定してます」
「レナードさんの狼犬の変異種は優秀で狩りも上手いので、大型のマジックボックスと、機能付きマジックバックを複数保管出来る場所もあった方が良いと思います」
「ふむ、素材採取の行商人仕様なら可能だな」
《ゴ主人ハ良ク幻獣ヤ動物ヲ治療ヤ保護スルノデハナイノカ?》
「ヒュードルから幻獣などの保護や治療のスペースがあった方がと指摘されたよ」
「先ずは思いつく事を全て書き出して、可能な物かを考え、優先順位をつけた方が良さそうだな」
その間に乗って来た馬車を工房の者に見てもらった。今の馬車は改良と追加装備も含め、明日の夕方には出来るというので明後日まで滞在することになった。改良はサスペンションなどドワーフの最新技術の交換可能な部分で、追加するのは素材採取行商人仕様の小型マジックボックス。入り口が二つあり1つは鍵付きで登録した者しか出し入れ出来ない仕様の物で、普通に開けるともう一つの方が開く。固定出来るボックスはバックより容量が大きくしても安価で、専用の時間停止機能付きマジックバックを使用すれば生鮮食料品の保管も出来る。このボックスは長距離用の馬車に移設可能タイプにし、常備する物を移さず使用する予定だ。
書き出した結果フルオーダーの注文になってしまい、現時点での要望をもとに精霊王達との話し合いの間に設計図を考えてくれるという。設計に関係なく実装が決まっている物については直ぐに制作していくそうだ。
ちなみに素材ハンター仕様の時間停止と冷凍の切り替え機能付のマジックボックス。
Sランクのクラン仕様の軽量化と悪路走行機能。
大商会仕様の調理や衛生設備。
奴隷商仕様の頑丈な檻は保護対策用に改良版にするなど、とんでもない装備が付く事になりそうだった。
今後大陸全土を巡回したり、大規模な異変の際に幻獣達を保護するために必要だからとエドウィンや案内役のドワーフが推したせいと、店主だけでなく設計担当も加わって張り切って設計の仕様書を書いたせいで。
「ドワーフ族の技術の粋を集めて仕上げてやるよ」
「幻獣達のために最高の物を開発するから」
ととても止められる雰囲気ではなく、お任せする事にした。
そしてしばらく後になって新たに加わった小精霊達がフルオーダーの馬車がどんな物か理解した時に興奮して騒いでいた。
《ボク達ノ馬車作ッテルノ》
《寝床モアルノ》
《ミンナ一緒ニ居ラレルノ》
《遊ブ場所ホシイナ》
《悪イ人ガ入レナイノガ良イ》
などと周りの妖精や精霊に自慢や要望を叫んだらしい。それが一部の大精霊に知られることとなり、本人達が知らぬ間に一時的な加護が授けられて難易度が高い素材が短期間で入手出来て安くなるなどという不思議な現象を生んだ。
他にもマジックボックスが魔改造されて容量が増加していたり、精霊と妖精用の謎空間や謎機能などが追加された。謎機能は自分達が遊ぶ場所をボックス内に作るもので、謎空間は自分達専用の保管庫で、かなりの間誰もそんな拡張機能に気付く事はなかった。
エドウィンのために早速馬車の工房へドワーフ王の側近の1人を同行して、専用馬車で向かった。到着したのはオーダー専門の工房で、安価な物や急ぎで欲しい人のためにセミオーダーも請け負ってくれるそうだ。
店主が来るまでは展示されている物を見ていた。特にスティードとアルバは自分達が牽引する事になるため真剣な目を向けている。
「待たせたな、店主のコルマックだ。幻獣が牽く馬車と聞いたが?」
「初めまして、薬師で幻獣士でもあるレナードも言います。ここにいる馬の変異種と麒麟の2頭がどちらでも牽ける馬車を頼みに来ました」
「ほぅ2頭立てではなく、1頭立てなのだな」
「はい、今乗って来たのは近距離用で馬のスティードが牽いているのですが、長距離の時は交代させたいし、それに生粋の幻獣じゃないといけない場所も想定してます」
「レナードさんの狼犬の変異種は優秀で狩りも上手いので、大型のマジックボックスと、機能付きマジックバックを複数保管出来る場所もあった方が良いと思います」
「ふむ、素材採取の行商人仕様なら可能だな」
《ゴ主人ハ良ク幻獣ヤ動物ヲ治療ヤ保護スルノデハナイノカ?》
「ヒュードルから幻獣などの保護や治療のスペースがあった方がと指摘されたよ」
「先ずは思いつく事を全て書き出して、可能な物かを考え、優先順位をつけた方が良さそうだな」
その間に乗って来た馬車を工房の者に見てもらった。今の馬車は改良と追加装備も含め、明日の夕方には出来るというので明後日まで滞在することになった。改良はサスペンションなどドワーフの最新技術の交換可能な部分で、追加するのは素材採取行商人仕様の小型マジックボックス。入り口が二つあり1つは鍵付きで登録した者しか出し入れ出来ない仕様の物で、普通に開けるともう一つの方が開く。固定出来るボックスはバックより容量が大きくしても安価で、専用の時間停止機能付きマジックバックを使用すれば生鮮食料品の保管も出来る。このボックスは長距離用の馬車に移設可能タイプにし、常備する物を移さず使用する予定だ。
書き出した結果フルオーダーの注文になってしまい、現時点での要望をもとに精霊王達との話し合いの間に設計図を考えてくれるという。設計に関係なく実装が決まっている物については直ぐに制作していくそうだ。
ちなみに素材ハンター仕様の時間停止と冷凍の切り替え機能付のマジックボックス。
Sランクのクラン仕様の軽量化と悪路走行機能。
大商会仕様の調理や衛生設備。
奴隷商仕様の頑丈な檻は保護対策用に改良版にするなど、とんでもない装備が付く事になりそうだった。
今後大陸全土を巡回したり、大規模な異変の際に幻獣達を保護するために必要だからとエドウィンや案内役のドワーフが推したせいと、店主だけでなく設計担当も加わって張り切って設計の仕様書を書いたせいで。
「ドワーフ族の技術の粋を集めて仕上げてやるよ」
「幻獣達のために最高の物を開発するから」
ととても止められる雰囲気ではなく、お任せする事にした。
そしてしばらく後になって新たに加わった小精霊達がフルオーダーの馬車がどんな物か理解した時に興奮して騒いでいた。
《ボク達ノ馬車作ッテルノ》
《寝床モアルノ》
《ミンナ一緒ニ居ラレルノ》
《遊ブ場所ホシイナ》
《悪イ人ガ入レナイノガ良イ》
などと周りの妖精や精霊に自慢や要望を叫んだらしい。それが一部の大精霊に知られることとなり、本人達が知らぬ間に一時的な加護が授けられて難易度が高い素材が短期間で入手出来て安くなるなどという不思議な現象を生んだ。
他にもマジックボックスが魔改造されて容量が増加していたり、精霊と妖精用の謎空間や謎機能などが追加された。謎機能は自分達が遊ぶ場所をボックス内に作るもので、謎空間は自分達専用の保管庫で、かなりの間誰もそんな拡張機能に気付く事はなかった。
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