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幻獣士の王 第ニ章まで
銀狼は感謝する
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※このお話しは本編のネタバレ含みます。
私達銀狼がいる森は以前人族達に 鋼の森と呼ばれていたらしい、迷いの森に隣接する森の1つに連なるいくつか森を縄張りにしている。
ある日その中に縄張りがある森鹿のリーダーが近隣の森に、幻獣の幼体の仮親になってくれる幻獣を探しているが、なれるものが居ないかと呼びかけがあったそうだ。我が群れに生まれて間もなく仔を亡くし、元気をなくした者がいるため話しを聞きに行く。
「ディアよ、話しを聞きに来た」
「シルバーウルフ殿か、仮親の件か?」
「そうだ。何故いるのかとかをな」
「ちょっと特殊でな」
要約すると良く森に来る人間の薬師から頼まれたこと。
種族は分からないが怪我した幼体を保護して手伝える者をと言われたこと。
その人間はこの森では生きるため以外の余計な殺生や過剰な採取をせず、森の者達の営みを邪魔しないという。
更に人族だけでなく、獣や魔獣、幻獣すらも治療するという。
但し生態系を崩す様な怪我や病気には基本的に手出しをせず、人族の欲望などによる無情な殺生による場合で自然治癒が出来ない者と、幻獣に効く配合の薬の研究にどうせ死ぬなら同胞のためになっても良いと希望する者だけにしか施さぬと言う。
「俄には信じられぬが」
「この森が縄張りの幻獣ならば知らぬ者は居ないので聞いてみてください。ただ我々フォレストディアはその者を認めているが故に、こうしてかの者の希望を叶えてやるために声かけしたまで」
「のちに詳しく話しは聞くとして、我が群れに初産で我が子を亡くし元気がない者が居る」
「それは助かる。まだ他には居らぬ故」
「では本人が了承すれば連れて来ようと思う。暫し待たれよ」
棲家に戻り我が子を亡くした若いペアの元へ行く。森で無用な殺生をしない者が助けを求めていて、傷付いた幻獣の幼体の仮親を探しているが、行ってみるか?と問うと、雄が我が子を怪我したのに近寄れずに見てる事しか出来なかったと嘆いていた雌が、その子が代わりに元気になれば心の傷が癒せるかも知れないから説得してみると言う。
最初は番の言葉さえ耳に届いてない様子だったが、傷付いた幻獣と聞き我が子と重なったのだろう、顔を上げて話しを聞いていた。了承を得てフォレストディアのところへ連れて行き引き渡した。
我ら銀狼は縄張りが広くて知らなかったが、下位の黒狼や森虎などの肉食系魔獣の間でもかの者は有名だった。大抵は悪い人族の無差別の罠や、必要以上に傷付けられ人族に保護され、かの者に治療されて戻って来た仲間が居たからだった。
我がその者の求めに応じ、我が子を亡くしたばかりの母狼を送ったと話したら感謝された。そして我群れに仔を探している幻獣を探す様に伝達したが、該当する種族は見つからなかった。
しばらくして送り出した番が戻って来たと若い雄から報告があり、元気になって居たと話しを持って来てくれた事に感謝された。
やはり我が子の代わりに世話をする者が居た事が心の傷の回復を早めたのだろう。
群れの全員に若い雌に残った人間の匂いを覚えさせ、その匂いの付いた人間は空腹でも襲わない様に伝達する。幻獣のための専用の薬を作る人間など居ないと思っていたが、精霊や妖精達でさえ大好きと言わしめる存在に、群れの者が恩を受けたのだから当然だろう。
ちなみにその雌曰く、世話をした幻獣は迷いの森を担う上級幻獣の幼体らしいと。時期的にカリュプスと呼ばれていた森の者だろうと銀狼は思ったが、この辺りで一番最高位であるのは自分だったため、その情報は誰にも告げられる事はなかった。
私達銀狼がいる森は以前人族達に 鋼の森と呼ばれていたらしい、迷いの森に隣接する森の1つに連なるいくつか森を縄張りにしている。
ある日その中に縄張りがある森鹿のリーダーが近隣の森に、幻獣の幼体の仮親になってくれる幻獣を探しているが、なれるものが居ないかと呼びかけがあったそうだ。我が群れに生まれて間もなく仔を亡くし、元気をなくした者がいるため話しを聞きに行く。
「ディアよ、話しを聞きに来た」
「シルバーウルフ殿か、仮親の件か?」
「そうだ。何故いるのかとかをな」
「ちょっと特殊でな」
要約すると良く森に来る人間の薬師から頼まれたこと。
種族は分からないが怪我した幼体を保護して手伝える者をと言われたこと。
その人間はこの森では生きるため以外の余計な殺生や過剰な採取をせず、森の者達の営みを邪魔しないという。
更に人族だけでなく、獣や魔獣、幻獣すらも治療するという。
但し生態系を崩す様な怪我や病気には基本的に手出しをせず、人族の欲望などによる無情な殺生による場合で自然治癒が出来ない者と、幻獣に効く配合の薬の研究にどうせ死ぬなら同胞のためになっても良いと希望する者だけにしか施さぬと言う。
「俄には信じられぬが」
「この森が縄張りの幻獣ならば知らぬ者は居ないので聞いてみてください。ただ我々フォレストディアはその者を認めているが故に、こうしてかの者の希望を叶えてやるために声かけしたまで」
「のちに詳しく話しは聞くとして、我が群れに初産で我が子を亡くし元気がない者が居る」
「それは助かる。まだ他には居らぬ故」
「では本人が了承すれば連れて来ようと思う。暫し待たれよ」
棲家に戻り我が子を亡くした若いペアの元へ行く。森で無用な殺生をしない者が助けを求めていて、傷付いた幻獣の幼体の仮親を探しているが、行ってみるか?と問うと、雄が我が子を怪我したのに近寄れずに見てる事しか出来なかったと嘆いていた雌が、その子が代わりに元気になれば心の傷が癒せるかも知れないから説得してみると言う。
最初は番の言葉さえ耳に届いてない様子だったが、傷付いた幻獣と聞き我が子と重なったのだろう、顔を上げて話しを聞いていた。了承を得てフォレストディアのところへ連れて行き引き渡した。
我ら銀狼は縄張りが広くて知らなかったが、下位の黒狼や森虎などの肉食系魔獣の間でもかの者は有名だった。大抵は悪い人族の無差別の罠や、必要以上に傷付けられ人族に保護され、かの者に治療されて戻って来た仲間が居たからだった。
我がその者の求めに応じ、我が子を亡くしたばかりの母狼を送ったと話したら感謝された。そして我群れに仔を探している幻獣を探す様に伝達したが、該当する種族は見つからなかった。
しばらくして送り出した番が戻って来たと若い雄から報告があり、元気になって居たと話しを持って来てくれた事に感謝された。
やはり我が子の代わりに世話をする者が居た事が心の傷の回復を早めたのだろう。
群れの全員に若い雌に残った人間の匂いを覚えさせ、その匂いの付いた人間は空腹でも襲わない様に伝達する。幻獣のための専用の薬を作る人間など居ないと思っていたが、精霊や妖精達でさえ大好きと言わしめる存在に、群れの者が恩を受けたのだから当然だろう。
ちなみにその雌曰く、世話をした幻獣は迷いの森を担う上級幻獣の幼体らしいと。時期的にカリュプスと呼ばれていた森の者だろうと銀狼は思ったが、この辺りで一番最高位であるのは自分だったため、その情報は誰にも告げられる事はなかった。
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