「LGBT」というレッテルを貼られて。

千石杏香

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同性婚を誰が望んでいるのか?

5.パートナーシップ利用率・解消率の実態。

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パートナーシップ条例は今や日本中で作られている。だが、どれほどの人が利用しているのか。

パートナーシップの締結数はLGBT団体が調査してきた。しかし調査結果へ目を通すと、異様なほど少ないことに気づく。

たとえば、「虹色ダイバーシティ」が二〇一九年に行った調査によれば、渋谷区の利用数は38組、世田谷区の利用数は102組であった。

渋谷区の人口は22万人、世田谷区は94万人である。

全人口中、同性゠両性愛者・越境性差トランスジェンダーが何パーセントいるかは調査によって異なる。しかし、平均すれば5%程度だ。ならば、渋谷区は1万千人程度、世田谷区は4万7千人程度か。四年間もやってきて、そのうち76人と204人しか利用していない。確立にすれば、0.7%と0.4%である。

五百人の当事者がいても一人しか利用していない。

もちろん、渋谷区のパートナーシップは八万円の手数料がかかる。しかし世田谷区は無料だ。それなのに、利用率で言えば世田谷区の方が低い。

二〇一九年の時点で、パートナーシップを作った自治体は26あった。うち、利用組数が三桁まで行ったのは世田谷区と大阪市である。二桁まで行ったのは6の自治体――あとは一桁かゼロだ。

加えて言えば、これは解消率(結婚で言えば離婚率)を除外した数だ。

――何組のカップルがパートナーシップを解消したのか?

これは検索をかけても見当たらなかった。調査を行ったLGBT団体がないのだ。当然だろう――彼らがやりたいことは、「パートナーシップを結んだ人はこんなにもいました!」と喧伝することなのだから。

だからこそ私が調べた。

つまり、パートナーシップ制度を作った130の自治体(令和四年二月現在)に対し、利用組数と解消組数をメールで尋ねたのだ(本当に大変だった)。うち、119の自治体から返信があった。

さらには、パートナーシップを作った自治体を古い順に並べ、締結組数・解消組数・解消率・自治体の人口・当事者予測数・利用率を表にした。当事者予測数は全人口の5%だ。利用率は、締結組数から解消組数を引いて二倍した数を当事者予測数から計算した。



見ての通り、解消率は意外と低いのだが、そもそも締結数が少なすぎる。特に大東市は悲惨だ。締結したのは一組で、しかもそれが解消しているのだ――解消率100%である。

気になる利用率だが、おおよそ0.15%程度だ。つまりは、千人の当事者がいたとしても一人か二人くらいしか利用していない。

豊田市に至っては、一応は六組の利用者がいながら、「ファミリーシップとして制度を活用した実績はありません」とメールに書かれていた。

小さな自治体の利用率は壊滅的だ。西尾市などは、二年以上もやってきて利用者が一人もいない。自治体の中には、「なんとか普及の広報活動を行っているのですが」とメールに書いていた所もあった。

もし読者あなたが小さな自治体の公務員であり、パートナーシップの導入を検討しているのならば、少し考え直した方がよさそうだ。

それにしても、なぜここまで少ないのであろう。ほとんど何の効力も生まないから? 養子縁組制度を利用した方が堅実だから? そもそも制度が知られていないから?

しかし男性当事者ならば、「そりゃそうなるだろうな」とニヤニヤしながら思うに違いない。
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