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第六章 光り輝く犬が降る。
第十四話 誕生日の花
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四時間目の授業を一冴はサボった。
失神した菊花を抱きかかえ、第一実習棟へ這入る。そして、演劇部の部屋の前までやって来た。そこには、段ボールやリボン、カラースプレーなどが乱雑に置かれている。
演劇部の前にある素材を手に取ると、さっそく工作に取りかかった。
*
それから一時間後のことである。
蘭は、友人たちと共に文藝部室へと這入った。
友人たちが誕生会の準備を始める。テーブルにケーキを置き、紙コップや料理などを竝べだす。奥の席へと蘭は坐り、誕生会が始まるのを待った。
十七本のろうそくがケーキの上へと立てられる。
誕生会の準備が整い、参加者が席へ着いた。
部室の扉が開いたのはそのときだ。
巨大なプレゼントボックスを担いだ一冴が入ってきた。しかもそのプレゼントボックスは、痙攣したようにガタガタと振動している。
「蘭先輩――お待たせしました!」
蘭は目を瞬かせる。
「まあ、いちごさん――それは何ですの?」
「いえ、私からの誕生日プレゼントです。どうか受け取って下さい。」
よっこいしょ――と言い、プレゼントボックスを置く。
れんげが箱を覗きこむ。
「なんかゴトゴトいってるんだけど――活きのいい鮪でも入ってるの?」
「ええ――新鮮な鮪を手に入れました。蘭先輩に喜んでいただければいいんですけれども。」
何が入っているのか不安を覚えた。
しかし、自分を慕う後輩が危険な物を入れるとも考えられない。
「あの、開けてもよろしいですか?」
「はい、どうぞ。」
恐る恐るリボンを解き、蓋を開ける。
えび反りに縛られた菊花が入っていた。さるぐつわで口は塞がれている。胴は亀甲縛りにされていた。それでも何とか抵抗を試みているようだ。
「ふんぐー! ふんぐー!」
「まあ――とても素敵な鮪ですこと!」
呆れた目で早月は一冴を見る。
「てか、いちごちゃん力持ちだねえ。」
なおも抵抗を試みる菊花のほほへと、そっと蘭は手を触れた。
「けど、少し活きが良すぎるかしら? ちゃんとベッドの上では無抵抗にしてなきゃ駄目ですよ?」
「マグロって、そっちのマグロ?」
早月は立ち上がり、部室の片隅から鋏を取り出す。
そして、菊花を縛るロープを切った。
「あんまふざけちゃ駄目だよ? 菊花ちゃんは物じゃないんだから、プレゼントするとかしないとかそんなことは――」
言い終えないうちに、菊花は立ち上がる。
さるぐつわを外し、ケーキの載せられた皿をひったくった。
「人をなめるのもいい加減にしろ!」
誕生日ケーキが一冴の顔で炸裂する。
*
その頃、強烈な下痢に桃は苛まれていた。
失神した菊花を抱きかかえ、第一実習棟へ這入る。そして、演劇部の部屋の前までやって来た。そこには、段ボールやリボン、カラースプレーなどが乱雑に置かれている。
演劇部の前にある素材を手に取ると、さっそく工作に取りかかった。
*
それから一時間後のことである。
蘭は、友人たちと共に文藝部室へと這入った。
友人たちが誕生会の準備を始める。テーブルにケーキを置き、紙コップや料理などを竝べだす。奥の席へと蘭は坐り、誕生会が始まるのを待った。
十七本のろうそくがケーキの上へと立てられる。
誕生会の準備が整い、参加者が席へ着いた。
部室の扉が開いたのはそのときだ。
巨大なプレゼントボックスを担いだ一冴が入ってきた。しかもそのプレゼントボックスは、痙攣したようにガタガタと振動している。
「蘭先輩――お待たせしました!」
蘭は目を瞬かせる。
「まあ、いちごさん――それは何ですの?」
「いえ、私からの誕生日プレゼントです。どうか受け取って下さい。」
よっこいしょ――と言い、プレゼントボックスを置く。
れんげが箱を覗きこむ。
「なんかゴトゴトいってるんだけど――活きのいい鮪でも入ってるの?」
「ええ――新鮮な鮪を手に入れました。蘭先輩に喜んでいただければいいんですけれども。」
何が入っているのか不安を覚えた。
しかし、自分を慕う後輩が危険な物を入れるとも考えられない。
「あの、開けてもよろしいですか?」
「はい、どうぞ。」
恐る恐るリボンを解き、蓋を開ける。
えび反りに縛られた菊花が入っていた。さるぐつわで口は塞がれている。胴は亀甲縛りにされていた。それでも何とか抵抗を試みているようだ。
「ふんぐー! ふんぐー!」
「まあ――とても素敵な鮪ですこと!」
呆れた目で早月は一冴を見る。
「てか、いちごちゃん力持ちだねえ。」
なおも抵抗を試みる菊花のほほへと、そっと蘭は手を触れた。
「けど、少し活きが良すぎるかしら? ちゃんとベッドの上では無抵抗にしてなきゃ駄目ですよ?」
「マグロって、そっちのマグロ?」
早月は立ち上がり、部室の片隅から鋏を取り出す。
そして、菊花を縛るロープを切った。
「あんまふざけちゃ駄目だよ? 菊花ちゃんは物じゃないんだから、プレゼントするとかしないとかそんなことは――」
言い終えないうちに、菊花は立ち上がる。
さるぐつわを外し、ケーキの載せられた皿をひったくった。
「人をなめるのもいい加減にしろ!」
誕生日ケーキが一冴の顔で炸裂する。
*
その頃、強烈な下痢に桃は苛まれていた。
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