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ダブルソロパート
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「う~ん……どうしたもんかなぁ……」
「どうするですかねぇ……」
既に午前五時を回って夜が明けようとしていた。
先程から、スチュアートがティナから悪く思われない様な策を考えている二人であったが、良い案は全く思い付かない。
「アリシア。今さ俺ら二人で悩んでるじゃん?」
「はいです。」
「スチュアートは何も気にせず寝てると思う?」
外から雀やカラスの鳴く声が聴こえてくる。
(もう朝か……昨日何時に起きたっけ?でも既に二十時間位起きてるよな……)
「う~ん……どうなんですかねぇ?見当も付かないですよ。」
「コレってさ。」
(アリシアの姿がボヤけて見えてきた……)
「はいです。」
「俺らが悩む事なのかな?」
(眠くて思考が働かなくなってきた……)
「それを言ったら終わりになるです!」
(今は俺の方が終わりそうです……)
「普通にさ、スチュアートも一緒に謝れば、ティナ許してくんないかな?」
(アリシアはティナと違った居心地の良さがあるなぁ……なんだろこのフワフワした感じは……)
「いやぁ~……どうなんですかね?そこは付き合いの長いクラタナさんの方が良く知ってるですから。」
「ですよね……」
「はぁ……」
「はぁ……ですぅ……」
「アリシアさ……」
(何か会話のリズムが心地好くて睡魔が……会話してるのに…夢心地………)
「はいです。」
「眠くないの?」
(アリシアの声が子守唄に聴こえて睡魔に襲われ……てる……)
「眠いと言うか……眠くないと言うか……まだ話してたいと言うか……です。」
(あ~……心はな~……俺もそうなん……だけど……なぁ……)
「そうか。俺は眠くなって来たぞ……」
(さ、流石に……眠く……くて……限界……かも…………移動……しな……いと……)
とマサキはユラっと立ち上がり、ベッドに顔から倒れ込んだ。
(ずっと……このまま………………何か話てて…………くれたら………………良いのになぁ…………)
「アリシア……(布団で篭った声)」
(ヤバい……意識が……途切れ途切れだ…………)
「はいです。」
「ごめん……もう……ダメ…………寝………………………………る……(布団で篭った声)」
「はいです。おやすみなさいです。」
「……………………………………………………」
「あ~あ~……寝ちゃった…です(笑)」
暫くベッドに倒れ込んだマサキをボーッと見て居たのだが、ふと靴を脱がせてあげようと思い付いた。
最初は簡単に脱がせれると思って居たアリシアだが……
「ブーツですか!脱がせづらいです!ふん!ふん!」
マサキの 履いてるブーツを、頑張って引っ張っぱったりしてみるものの、中で引っ掛かって中々脱がせられずに居た。
試行錯誤して脚を上にあげて脱がそうと試みるが、脱力している大の大人の脚は重く、途中で力尽きた。
「ふぅ……どうするですかね……」
ブーツを脱がす事を諦めた(笑)アリシアは、今度はうつ伏せに寝ているマサキを仰向けにしようと掛け布団の端を引っ張った。
「ふ~ん!です!」
マサキの身体が横向き迄は起き上がる物の、ソコから起き上がらない。
「引っ張る向きが悪いですかね?」
うつ伏せの場合と言うより、首の向きと、どちらかの腕を内側にしない限り、左右のどちらから引っ張っても同じという事をアリシアは知らなかった。
「ふ~~っんぬっ!!ふ~~ぁいやぁ~っ!!」
「ゴロン……パタッ………………」
全身全霊の力を使って、どうにか仰向けに寝かす事が出来たアリシアは、何かをやり遂げた表情をしていた。
「や、やったです!!」
一仕事終えたアリシアは椅子に座り、またすることも無くマサキをボーッと見ていた。
「そう言えば、このままだと風邪ひくです!でも掛け布団の上に寝ちゃってるからどうするですかね……?」
「そうですっ!」と幸い?ダブルベッドなので、余ってる割合が大きい方の端を捲ってマサキの上に掛けた。
「これで大丈夫です!」
まるで『おにぎらず』(笑)の様な寝方になったマサキ。
「私はどうやって寝るですかね………流石にこのまま寝るのは危険なので……ガウンとかここにはあるですかね?」
と、トテトテ歩いてクローゼットの中を覗くと白いバスローブを発見した。
「こ、コレで良いです……メイド服よりは……です!」
アリシアはマサキが爆睡しているのにも関わらず、やはり恥ずかしい為、浴室に行ってメイド服からバスローブに衣装チェンジした。
「ふぅ……もう、朝です………寝るですかね……」
アリシアは洗面所に行って、新しい歯ブラシの封を開けた。
ぐしゅぐしゅと歯を磨きながら今日の出来事を思い浮かべる。
「今日は色々あったです……お昼から今まで、まだ進行形なのですが……会議の時の訓練映像……今、思い出しても怖いです……クラタナさんは私の事を怖くないと言ってくれたです。でも魔法を向けられたら怖いと言ったです。私も同じです。もし戦場でクラタナさんと対峙したらって考えると怖いです。正直、絶望しか見えないです。私の魔法なんかよりよっぽど怖いです。副隊長を行動不能にした時のあの魔法……あんな魔法見たこと無いです。戦闘の時の怖い印象が強かったですけど、凄く怖いのにとても優しい人です。今日沢山お話して解ったです。そんな人にお気に入りと言われて私はとても嬉しいです………………………………ティナさんが羨ましいです……。はぁ……」
歯磨きを終えたアリシアは、何処で寝ようかとキョロキョロするが、意を決して『おにぎらず』状態のマサキの横に潜り込んで、反対の掛け布団の端を掛けた。
「今日は役得という事です!とても緊張するですけど一緒に寝るです!クラタナさんおやすみです……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「パチッ!」
大の字で寝ているマサキの眼が開いた。
(知らない天井……うん。何処だ?ここ……)
もう一度目を瞑り昨晩の出来事を脳内にロードする……
(確か……ロリ子と話してて……あ!所謂外泊中ですね……うんうん。という事は……この腕の温もりって…………(滝汗) げ、現実から目を逸らしたい!)
目を開け首だけ動かして左腕を見るとアリシアが寝ていた。
(ですよねー!もう、どうすりゃ良いのさ……この状況……ロリ子だけ見たら完全に情事の後じゃん!てか、いつの間にかロリ子着替えてるし!腕抱いてるし!色んなとこ当たっちゃってるし!(白目)
意識はハッキリと覚醒してるマサキであったが、身動きが取れないこと十数分。
状況が解り、冷静になって来ると、【俺の中の滾る想いが爆発】しそうになって来たが、脳内で『倫理観』と言う言葉が鳴り響いたので大人の対応で実行に移す。
「アリシア!おい!アリシア!ア~リ~シ~ア~!朝だぞっ!コラぁ~!(萌声)」
右手で肩を揺するが一向に起きる気配が無い。
掴まれてる左手を、そぉっと引っ張って抜こうとしたが、腕を動かすとバスローブで隠れている本当に危険な所が捲れ、色々と当たっちゃいけないとこに当たって(既にガッツリ感触が)逆に罪悪感が生まれた。
(…………俺の腕…………半分挟まれてる…………なんでバスローブ着てんだよ……普通にはだけちゃってるじゃないか……てかロリ子体温高いなぁ……)
ガン見したい気持ちを、堪えて堪えて、肌蹴たバスローブを直し、掛け布団を捲って肌色をガードした。
(俺……泣いて良いですか………ホントならイベントスチル回収の所だよ……多分……作画が一番頑張る所なのに、何と言う体たらくの俺……)
「おい!アリシア!」
ユサユサ……
(俺の腕と一緒にロリ子のおっぱいが揺れてる……)
ユサユサ………ユサユサ……
「…………………」
ユサユサ………………ユサユサ……
(ん~……コレは…………)
「ハッ……!倫理観!」
(埒が明かない……どうしよう……こんな事してると悶々して来るから早く何とかしないと。特に起き抜けの時は、とても危険な事を俺は知っている!)
そう思い、マサキは意を決して、バッと腕を引き抜いた。
「ふぅ…………孤独な戦いだった……(泣)」
漸く布団から脱出出来たマサキは更なる肌色成分を隠す為、掛け布団の端を捲ってアリシアに掛けた。
(忍びがたきを忍び……耐え難きを耐え……………そんな今日は、孤独な終戦記念日…………まさき。)
泣きべそになりながらも「今何時だ?」と時計を見ると朝の七時半。
窓辺に移動してタバコに火をつけ、街の様子を伺う。昨晩の様な賑わいはしておらず商人の馬車等が道を行き来していた。
洗面所に行って新しい歯ブラシの封を開け歯を磨く。
見ると一つ開いてるので昨日アリシアが【使った】物だと解る。
横には【使用後】のブラシが置いてあった。
「………………………………」
(ハッ!何を考えてんだ!俺!しっかりしろ!普通に歯を磨くのだ!普通に!何も見るな!何も考えるな!)
ぐしぐし…………ぐしぐしぐしぐし……
(この後ってどうなるんだろ?スチュアートが呼びに来るのか?何も聞いてないけどアリシアが何か連絡貰ってるのかな?つーか、やっぱコレ外泊になるんだよな……美味しいイベントの筈が余り美味しくないのはやはり【倫理観】のせいなのか?ガチのイベントスチル、一つも無いとか……まぁ、昨日つか今朝か、色々話せて良かったとするか。こんな事が無きゃ話す事も無かっただろうし…………と、そろそろマジで起こさないとな。)
ガラガラッ……ぺっ。ガラガラ……おぶぁ……。
そんな事を考えながら、ロリ子が後から来て間違えないように、自分の使った歯ブラシをもう一度袋に入れ直し洗面所を後にした。
寝室に戻ったマサキは、ケトルに水を汲み魔石コンロでお湯を沸かしコーヒーの準備をしながら一服した。
「ぷはぁ~…………。スーーパチッ………ぷはぁ…………」
吸っているタバコを、灰皿の端に挟んでから近くに寄り「アリシア!おい!」ポンポンと肩を叩いて起こす。
「ん、んんん~…………」
「俺一人だと、文字数稼げないから起きてくれよ!頼むよ~!」
「ん~……んん~……お、おはようございます……です……」
アリシアは目を覚ましたが、即俺から離れてゴロゴロっと掛け布団に包まり芋虫状態になった。
「おはよう。そろそろコーヒーはいるぞ!」
マサキはつとめて普通の口調で言った。
(うん。寝起きの顔見られたくないの知ってる、知ってる。)
「は、恥ずかしい……です。」
(言うと思った(笑)
「うん。俺もだ。」
「ちょっとあっちむいてて下さいです。」
「ハイハイ。」
と言って一旦コーヒーを淹れる手を止め、窓の方へ移動した。
衣擦れの音が微かにして、トタタタタタっと洗面所の方へ足音が移動した。
「もう良いです!」
「了解。」
そう言ってコーヒーを淹れるのを再開した。
暫くすると「お待たせしましたです!」とメイド服を来たアリシアが出てきた。
「本当にそれしか着るもの無いんだな!」
(なんか眩し過ぎる……朝から強烈な物を見てる気分だ……)
「言ったじゃないですか!着て来た服は持って帰っちゃったですって!あ、後やりますです!」
そう言いながらアリシアは、マサキを座らせ続けてコーヒーを淹れ始めた。
「ありがと。腹減ってないか?大丈夫か?」
(あ~……何か親になった気分だわぁ~……)
「何かさっき食べた気がしてるから大丈夫です!」
「遠慮すんなよ~!どうせ経費だからなぁ~。」
「はいです。どうぞっ!」
とマグカップをマサキの前に置いた。
「サンキュ。」
(メイド服の少女とコーヒー飲むのって……これ、ある意味メイドカフェだよな……メイドカフェは一緒に飲んでくれないけど。)
「ロリ子。」
「はいです。」
「ロリ子はメイド服似合ってるから、常にそれ着ててよ。後、次にお茶とか出してくれる時は【美味しくなぁ~れっ!萌え萌えキュン!】って言ってな!人差し指と親指でこうやってハート作ってさ……こうな!こう!」
とマサキはアリシアの前に指で作ったハートを見せた。
「ぶっ!」
突然変な事を言われたアリシアは思わずコーヒーを吹きそうになった。
「な、な、なんですです!急に!萌え萌えきゅんっ!て……」
顔を真っ赤にしたアリシアは俯いて上目遣いでこちらを見ている。
「絶対ロリ子なら似合うからやってみ!ほら!萌え萌えきゅんっ!」
「も、萌え……萌え……きゅんっ!(照)」
言われた通りに指でハートマークを作り、真っ赤になりながらも頑張った。
「そうそう!ロリ子グッジョブ!ロリ子ならお店のナンバーワン狙える素質があるぞ!」
「は、恥ずかしいので、もうやらないですぅ!(照)」
朝からこんな事になろうとは、メイド服だからなのか、アリシアだからなのか考えてみたが、結局【可愛いは正義】という事が実証されたのであった。
「どうするですかねぇ……」
既に午前五時を回って夜が明けようとしていた。
先程から、スチュアートがティナから悪く思われない様な策を考えている二人であったが、良い案は全く思い付かない。
「アリシア。今さ俺ら二人で悩んでるじゃん?」
「はいです。」
「スチュアートは何も気にせず寝てると思う?」
外から雀やカラスの鳴く声が聴こえてくる。
(もう朝か……昨日何時に起きたっけ?でも既に二十時間位起きてるよな……)
「う~ん……どうなんですかねぇ?見当も付かないですよ。」
「コレってさ。」
(アリシアの姿がボヤけて見えてきた……)
「はいです。」
「俺らが悩む事なのかな?」
(眠くて思考が働かなくなってきた……)
「それを言ったら終わりになるです!」
(今は俺の方が終わりそうです……)
「普通にさ、スチュアートも一緒に謝れば、ティナ許してくんないかな?」
(アリシアはティナと違った居心地の良さがあるなぁ……なんだろこのフワフワした感じは……)
「いやぁ~……どうなんですかね?そこは付き合いの長いクラタナさんの方が良く知ってるですから。」
「ですよね……」
「はぁ……」
「はぁ……ですぅ……」
「アリシアさ……」
(何か会話のリズムが心地好くて睡魔が……会話してるのに…夢心地………)
「はいです。」
「眠くないの?」
(アリシアの声が子守唄に聴こえて睡魔に襲われ……てる……)
「眠いと言うか……眠くないと言うか……まだ話してたいと言うか……です。」
(あ~……心はな~……俺もそうなん……だけど……なぁ……)
「そうか。俺は眠くなって来たぞ……」
(さ、流石に……眠く……くて……限界……かも…………移動……しな……いと……)
とマサキはユラっと立ち上がり、ベッドに顔から倒れ込んだ。
(ずっと……このまま………………何か話てて…………くれたら………………良いのになぁ…………)
「アリシア……(布団で篭った声)」
(ヤバい……意識が……途切れ途切れだ…………)
「はいです。」
「ごめん……もう……ダメ…………寝………………………………る……(布団で篭った声)」
「はいです。おやすみなさいです。」
「……………………………………………………」
「あ~あ~……寝ちゃった…です(笑)」
暫くベッドに倒れ込んだマサキをボーッと見て居たのだが、ふと靴を脱がせてあげようと思い付いた。
最初は簡単に脱がせれると思って居たアリシアだが……
「ブーツですか!脱がせづらいです!ふん!ふん!」
マサキの 履いてるブーツを、頑張って引っ張っぱったりしてみるものの、中で引っ掛かって中々脱がせられずに居た。
試行錯誤して脚を上にあげて脱がそうと試みるが、脱力している大の大人の脚は重く、途中で力尽きた。
「ふぅ……どうするですかね……」
ブーツを脱がす事を諦めた(笑)アリシアは、今度はうつ伏せに寝ているマサキを仰向けにしようと掛け布団の端を引っ張った。
「ふ~ん!です!」
マサキの身体が横向き迄は起き上がる物の、ソコから起き上がらない。
「引っ張る向きが悪いですかね?」
うつ伏せの場合と言うより、首の向きと、どちらかの腕を内側にしない限り、左右のどちらから引っ張っても同じという事をアリシアは知らなかった。
「ふ~~っんぬっ!!ふ~~ぁいやぁ~っ!!」
「ゴロン……パタッ………………」
全身全霊の力を使って、どうにか仰向けに寝かす事が出来たアリシアは、何かをやり遂げた表情をしていた。
「や、やったです!!」
一仕事終えたアリシアは椅子に座り、またすることも無くマサキをボーッと見ていた。
「そう言えば、このままだと風邪ひくです!でも掛け布団の上に寝ちゃってるからどうするですかね……?」
「そうですっ!」と幸い?ダブルベッドなので、余ってる割合が大きい方の端を捲ってマサキの上に掛けた。
「これで大丈夫です!」
まるで『おにぎらず』(笑)の様な寝方になったマサキ。
「私はどうやって寝るですかね………流石にこのまま寝るのは危険なので……ガウンとかここにはあるですかね?」
と、トテトテ歩いてクローゼットの中を覗くと白いバスローブを発見した。
「こ、コレで良いです……メイド服よりは……です!」
アリシアはマサキが爆睡しているのにも関わらず、やはり恥ずかしい為、浴室に行ってメイド服からバスローブに衣装チェンジした。
「ふぅ……もう、朝です………寝るですかね……」
アリシアは洗面所に行って、新しい歯ブラシの封を開けた。
ぐしゅぐしゅと歯を磨きながら今日の出来事を思い浮かべる。
「今日は色々あったです……お昼から今まで、まだ進行形なのですが……会議の時の訓練映像……今、思い出しても怖いです……クラタナさんは私の事を怖くないと言ってくれたです。でも魔法を向けられたら怖いと言ったです。私も同じです。もし戦場でクラタナさんと対峙したらって考えると怖いです。正直、絶望しか見えないです。私の魔法なんかよりよっぽど怖いです。副隊長を行動不能にした時のあの魔法……あんな魔法見たこと無いです。戦闘の時の怖い印象が強かったですけど、凄く怖いのにとても優しい人です。今日沢山お話して解ったです。そんな人にお気に入りと言われて私はとても嬉しいです………………………………ティナさんが羨ましいです……。はぁ……」
歯磨きを終えたアリシアは、何処で寝ようかとキョロキョロするが、意を決して『おにぎらず』状態のマサキの横に潜り込んで、反対の掛け布団の端を掛けた。
「今日は役得という事です!とても緊張するですけど一緒に寝るです!クラタナさんおやすみです……」
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「パチッ!」
大の字で寝ているマサキの眼が開いた。
(知らない天井……うん。何処だ?ここ……)
もう一度目を瞑り昨晩の出来事を脳内にロードする……
(確か……ロリ子と話してて……あ!所謂外泊中ですね……うんうん。という事は……この腕の温もりって…………(滝汗) げ、現実から目を逸らしたい!)
目を開け首だけ動かして左腕を見るとアリシアが寝ていた。
(ですよねー!もう、どうすりゃ良いのさ……この状況……ロリ子だけ見たら完全に情事の後じゃん!てか、いつの間にかロリ子着替えてるし!腕抱いてるし!色んなとこ当たっちゃってるし!(白目)
意識はハッキリと覚醒してるマサキであったが、身動きが取れないこと十数分。
状況が解り、冷静になって来ると、【俺の中の滾る想いが爆発】しそうになって来たが、脳内で『倫理観』と言う言葉が鳴り響いたので大人の対応で実行に移す。
「アリシア!おい!アリシア!ア~リ~シ~ア~!朝だぞっ!コラぁ~!(萌声)」
右手で肩を揺するが一向に起きる気配が無い。
掴まれてる左手を、そぉっと引っ張って抜こうとしたが、腕を動かすとバスローブで隠れている本当に危険な所が捲れ、色々と当たっちゃいけないとこに当たって(既にガッツリ感触が)逆に罪悪感が生まれた。
(…………俺の腕…………半分挟まれてる…………なんでバスローブ着てんだよ……普通にはだけちゃってるじゃないか……てかロリ子体温高いなぁ……)
ガン見したい気持ちを、堪えて堪えて、肌蹴たバスローブを直し、掛け布団を捲って肌色をガードした。
(俺……泣いて良いですか………ホントならイベントスチル回収の所だよ……多分……作画が一番頑張る所なのに、何と言う体たらくの俺……)
「おい!アリシア!」
ユサユサ……
(俺の腕と一緒にロリ子のおっぱいが揺れてる……)
ユサユサ………ユサユサ……
「…………………」
ユサユサ………………ユサユサ……
(ん~……コレは…………)
「ハッ……!倫理観!」
(埒が明かない……どうしよう……こんな事してると悶々して来るから早く何とかしないと。特に起き抜けの時は、とても危険な事を俺は知っている!)
そう思い、マサキは意を決して、バッと腕を引き抜いた。
「ふぅ…………孤独な戦いだった……(泣)」
漸く布団から脱出出来たマサキは更なる肌色成分を隠す為、掛け布団の端を捲ってアリシアに掛けた。
(忍びがたきを忍び……耐え難きを耐え……………そんな今日は、孤独な終戦記念日…………まさき。)
泣きべそになりながらも「今何時だ?」と時計を見ると朝の七時半。
窓辺に移動してタバコに火をつけ、街の様子を伺う。昨晩の様な賑わいはしておらず商人の馬車等が道を行き来していた。
洗面所に行って新しい歯ブラシの封を開け歯を磨く。
見ると一つ開いてるので昨日アリシアが【使った】物だと解る。
横には【使用後】のブラシが置いてあった。
「………………………………」
(ハッ!何を考えてんだ!俺!しっかりしろ!普通に歯を磨くのだ!普通に!何も見るな!何も考えるな!)
ぐしぐし…………ぐしぐしぐしぐし……
(この後ってどうなるんだろ?スチュアートが呼びに来るのか?何も聞いてないけどアリシアが何か連絡貰ってるのかな?つーか、やっぱコレ外泊になるんだよな……美味しいイベントの筈が余り美味しくないのはやはり【倫理観】のせいなのか?ガチのイベントスチル、一つも無いとか……まぁ、昨日つか今朝か、色々話せて良かったとするか。こんな事が無きゃ話す事も無かっただろうし…………と、そろそろマジで起こさないとな。)
ガラガラッ……ぺっ。ガラガラ……おぶぁ……。
そんな事を考えながら、ロリ子が後から来て間違えないように、自分の使った歯ブラシをもう一度袋に入れ直し洗面所を後にした。
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衣擦れの音が微かにして、トタタタタタっと洗面所の方へ足音が移動した。
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「了解。」
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そう言いながらアリシアは、マサキを座らせ続けてコーヒーを淹れ始めた。
「ありがと。腹減ってないか?大丈夫か?」
(あ~……何か親になった気分だわぁ~……)
「何かさっき食べた気がしてるから大丈夫です!」
「遠慮すんなよ~!どうせ経費だからなぁ~。」
「はいです。どうぞっ!」
とマグカップをマサキの前に置いた。
「サンキュ。」
(メイド服の少女とコーヒー飲むのって……これ、ある意味メイドカフェだよな……メイドカフェは一緒に飲んでくれないけど。)
「ロリ子。」
「はいです。」
「ロリ子はメイド服似合ってるから、常にそれ着ててよ。後、次にお茶とか出してくれる時は【美味しくなぁ~れっ!萌え萌えキュン!】って言ってな!人差し指と親指でこうやってハート作ってさ……こうな!こう!」
とマサキはアリシアの前に指で作ったハートを見せた。
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言われた通りに指でハートマークを作り、真っ赤になりながらも頑張った。
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「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
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