教室の魔法使い

中富虹輔

文字の大きさ
3 / 9
第一部 二人の魔法使い

しおりを挟む
 部室の扉が、控えめにノックされる。「はーい」部長が応えてから数瞬して、おずおず、といった調子で、扉が開かれた。
「……あの、幻文の部室って、ここ、でしたよね?」
 いいながら顔をのぞかせたのは、物静かで優しそうな雰囲気を持った、なかなかきれいな女の子だった。ふと気づけば、部室にいたみんなの顔がそちらに向いていた。そして、がたん、といすを倒して立ち上がったのは、隣のクラスの、久保だった。ぼくらの目を気にしつつも、久保は廊下に出て、部室の扉を閉めた。
 ぼくらは互いに顔を見合わせ、「見たか、今の?」いわずもがなの問いを、発していた。
 しばらくして久保が部室に戻ってくると、皆が一斉に……もちろんぼくも例外でなく……久保に目を向ける。
「きれいな人だねえ、久保君」
 口火を切ったのは部長だった。それが呼び水になったのか、「あたし、知ってるぅ」二年生の阿賀野さんが、声を上げる。「軽音部の人だよ、確か。去年の文化祭のライブにいるの、見覚えがあるもの。……三年生だと思ったんだけどなぁ、あの人」
 その場の空気が凍りついたけれども、それもほんの一時。妙な緊張感の漂う沈黙が終わると、もはやクラブ活動どころの話ではなくなっていた。冷やかし、やっかみ。その他諸々の言葉が久保に浴びせかけられる。
 久保はそれを必死に否定するのだけれども、誰も久保のその言葉には耳を貸そうともしなかった。そうこうしているうちに、久保は「バスの時間が」なんていう格好の逃げる口実を見つけだし、そして結局、おもちゃを取り上げられた格好になったぼくらは、そのまま自然に、解散した。

「あはは」
 宮島は、同情気味に笑い声をあげた。午後三時。宮島の家。
 いつも通りに彼女の魔法の練習につきあい、それがまずまずの成果をおさめたところで、「たまには、お茶でも飲んでいかない?」と、声をかけられたのだ。
「災難だったわねぇ、その久保くん」いって、彼女はコーヒーを一口、口に含んだ。「……それなら、あたしがおんなじように、峰岸くんに会いに行っても……」ぼくは彼女の言葉をさえぎった。
「お願いだから、宮島。ほんとにそんなことしようなんて、思わないでよ」
「どうして? 別にあたしは困らないわよ」
 ぼくは大仰にため息をついた。「ぼくが困るんだよ」そうなったときの光景を、実際に目の当たりにしているだけに、自分がその「災難」にあうのは、できれば遠慮したかった。
「友達甲斐のない人ね、峰岸くんって」
「……今の話がどうしていきなり友達甲斐につながるんだよ?」
 脈絡のない宮島の言葉に、ぼくは説明を求めた。「同じ苦労を分かち合ってこそ、友達、ってもんでしょ? それをなによ、『ぼくが困るんだよ』だって。きっと久保君、怒ってるよ」
「……宮島」
「なに?」
「自分が部外者だと思って、いい気になってるだろ?」
「あったり前じゃない」
 宮島はからからと笑った。
「なら、もしそうなったら、あることないこと、みんなにいいふらしちゃってかまわない、ってことだね?」
「あたしが魔法使いだってこと? 誰も信じやしないわよ、そんなこと」
 いわれてみれば、確かに。ぼくだって、実際に目の前で彼女が魔法を使ってみせなければ、信じはしなかっただろう。
 なんだか、このままこの話題で話を続けていたら、本当に部室にまで宮島がおしかけてくるような段取りになってしまうかもしれない。……とりあえず、それだけは何とか回避しなければ。思って、ぼくは話題を転じてみた。
「魔法使い、っていえばさ。このあいだの公園の魔法使いは、見つかったの?」
 ぼくの言葉に……それを待っていたのだろうか、もしかして……向かいに座っていた宮島はずいっと身体を乗り出し、「それなのよ」いった。
「あれからずっと、それっぽい人を捜してはいるんだけど……」
「見つかっていないんだね?」
「悔しいけどね」宮島は、素直にうなずいた。
 あれから彼女は、彼女が魔法を教わっている、彼女の師匠とでもいうべき人に、「翼」の魔法のことを詳しく聞いたのだそうだ。すると、とんでもない事実がわかった、と、彼女はいった。
「……『翼』の魔法はね、普通は、自分に翼をつける魔法なんだって」
 自分に翼をつける魔法。つまり、自分にしかかけることができない魔法、ということ。
 つまり、普通は翼の魔法を他人にかけることはできない、というのだ。その理由も、宮島は説明してくれたのだけれども、正直な話、ぼくにはちんぷんかんぷんだった。
「じゃあなんで、あの公園の魔法使いは、宮島に翼の魔法をかけることができたんわけ?」
 その理由は、しごく簡単だった。「公園の魔法使いは、かなり優秀な魔法使いだから」
 優秀な……つまり、魔力の高い魔法使いなら、他人に対して翼の魔法をかけることも、不可能ではない、ということらしいのだ。
「魔法使いとして優秀かどうか、っていうのは、なにかのヒントになるの?」
「相手の歳の、見当がつくの。……あたしが今十七歳でしょ? で、あたしがカリキュラムをこなす速度は、他の魔法使いよりも少し早いみたいなんだけど、だいたい、見習いを卒業できるのが二十歳くらいになる予定なの。それが普通の人だと、二十二、三歳くらいになるのかな? それで、魔法使いになってからは、あとは本人の努力で魔力を上げていけばいいんだけど……」
 言葉を濁す宮島。彼女のいわんとしていることの意味がだいたいつかめて、それでもぼくは、あえて問うた。「翼の魔法を他人にかけられるくらいの魔力を持てるようになるには、どのくらいかかるの?」
「早くても十年。……才能とか、やる気とかの問題もあるから、その域までいかない人のほうが多いかも」
 十年、か。
 公園の魔法使いが、仮に彼女と同じくらい優秀な生徒だったとしても、最低でも三十歳程度。そうでない、ごく普通の魔法使いなら、三十二、三歳、ということか。単純に、ぼくらとは倍近い年齢差があることになる。
「かっこいい男だといいな、なんて思ってたんだろ?」
 少し意地悪く、ぼくは問うた。「あはは」と小さく苦笑を返し、宮島は「まあ、ね」冗談めかして応えた。「あ、でも三十歳でも、かっこいいなら許す」妙に力の入ったその言葉に、今度はぼくが苦笑する番だった。
 そしてぼくはふと、従姉が入っている、隣町の吹奏楽団の定期演奏会が、木曜日にあることを思い出した。「……そうだ、宮島。木曜の夜、あいてる?」
「木曜日? なにかあるの?」
「うん。……従姉が、隣町のブラバンに入っているんだけど、その演奏会があるんだ……」
「誘ってくれるの?」めーずらしい、とでもいいたそうな目で、ぼくを見る宮島。
「無理に、ってわけじゃないけどね。……それでさ、その従姉に花、贈ってあげたいんだけど、どんなのがいいか、わかんなくって……」
 そこまでいうと、宮島は「はいはい。花を選んでほしいのね」と、納得したようにうなずいた。「そっちがほんとの目的なんでしょ?」
「あ、わかる?」
「あたりまえじゃない。峰岸くんが、そんなに気がきくなんて思ってないし」
「ひどいいいようだな、それ」
 ぼくは少しむっとして、応えた。「……そう思うんなら、『君の分のチケットはぼくがおごってあげるよ』くらいのことをいってみせてよ」
 結局ぼくは、彼女に、演奏会のチケットと、その後の夕食をおごる羽目になってしまった。……とほほ。これで、今月の小遣い、すっからかんになっちゃうよ……。

 貯金箱をひっくり返してようやくかき集められたのが五千数百円。……ええと、花束を三千円くらいのをつくってもらうと、電車の往復で四百円。演奏会の入場料が、前売りを買ってあるぼくの分がいらないから、五百円。
 ……夕食に使えるのは千円くらいか。そうすると、どんなにがんばっても、ファーストフードかラーメン屋、ってところだな。そんなことを思いながら、ぼくは駅の改札の前で、宮島を待っていた。ほどなくして彼女がやってきて、ぼくらは電車に乗った。
 夕食、というにはちょっとはやい時間だったけれども、演奏会が終わるのが九時をすぎてしまうので、駅から降りたぼくたちは、すぐそばにあったファーストフードの店に入った。
 そこで食事を終えて、ぼくらは、近くに花屋が見つからなかったので、しばらく町中をうろうろした。開場の時間が近くなってきて、いい加減じりじりしてきたころに、ようやく花屋が見つかった。
 店に入って、「うわ……あ」我知らず、小さな声が漏れる。
「どうしたの?」
 宮島が不思議そうにぼくに問いかけ、「花屋にはいるの、初めてなんだ」目の前に居並ぶ花やら観葉植物やらに、圧倒されてしまう。緑。薄紫。ピンク。名前は知らないけれども、色とりどりの花がずらりと並ぶその様は、壮観でさえあった。……あ、あの観葉植物はわかるぞ。確か、ポトスっていう名前だったはず。
「……なんか、その、すごく、華やかだね」
 くすり、と、宮島は小さく笑った。「初夏のね、あじさいが入ったころが、あたし、好きなんだ」
「ふうん」とりあえず相づちは打ったものの、具体的なその光景は、頭に浮かんでこなかった。
「……その様子だと、特別どんなのがいい、なんて決めてないんでしょ?」
「だから、宮島に頼んだんじゃないか」ぼくの言葉に、やっぱりね、とでもいうように、宮島は苦笑した。「じゃあ、あたしに全部任せてもらっていいよね? ……予算はどのくらい?」
 予算と、送る相手の性別だけぼくから聞き出すと、宮島は近くにいた店員をつかまえた。切り花のコーナーまで行って、てきぱきと指示する宮島の表情は、なんだか……そう。とてもいきいきとしていた。意外なところで、彼女の、女の子らしいところを見たような気がして、最近は意識しなくなっていた、彼女が女の子だ、という事実を、あらためて思い出していた。
 やることはやってしまい、あとは花屋の店員さんが花束を仕上げるのを待つばかりになったときだった。
 店には、ぼくらの他にも何人かのお客が入っていて、中の品物を眺めていた。と、店の自動ドアが開く音が聞こえ、そしてそれとほぼ同時に、宮島の表情が驚きのそれに変わる。……なんだ?
 宮島の視線は、店の入り口に向いている。ぼくがそちらに目を向けると、男の人が一人、店の中に入ってくるところだった。二十歳前後だろうか。痩身で、なかなかの男前。黒いジーンズに黒いシャツという取り合わせが、くやしいくらいに似合っている。一度ぼくも同じ格好に挑戦してみたのだけれども、黒ずくめは、ぼくには似合わないということを、いやというほど実感しただけだった。
 その男の人は、唐突に立ち止まった。そして宮島……かぼくか……のほうに目を向けると、なんの意図があるのか、小さく、微笑みかけてくる。
 ……なにが、どうしたというんだろう?
 思いながら、ぼくはもう一度宮島に目を向けた。彼女は、相変わらずの、驚きの表情。
 と同時に、「お待たせしました」花屋の店員さんの声が、この奇妙な場に、割り込んできた。
 先ほどの男の人に心を残しながらも、ぼくは花束を受け取ると、代金を払い、宮島をうながして、店を出た。
 花束を抱えて演奏会の会場への道を歩きながら、ぼくは先ほどの男の人のことを宮島に問うきっかけを探していたのだけれども、宮島のほうが、先に口を開いた。
「さっきの花屋で、黒い服着た男の人が、いたでしょう?」
「うん」
「あの人ね……たぶん、このあいだの、公園の魔法使いよ」
 魔法使いは、互いを見分けることができる。彼女の話によると、魔法使いというのは、いってみれば魔法使い特有のオーラのようなものを常に発散しているのだそうで、それは見習いであろうが、正式な魔法使いであろうが変わらない。そして、少しでも魔法使いの訓練を受けた人なら、そのオーラを、ごく当たり前のように「見る」ことができる、というのだ。
 なるほど、そういうことなら、あそこであの人がぼくらに微笑みかけてきたのも、なんとなくうなずける。きっとあの笑みは、「きみたちのことは覚えているよ」という意味の笑みだったのだろう。
 ……それでも一応、ぼくはあの人が公園の魔法使いではない、という可能性もあるという材料をあげてみることにした。
「でもさ、あの人が魔法使いでも、百パーセント公園の魔法使いだ、っていう保証はないよね。……宮島に笑いかけたのだって、『同じ魔法使いだから』っていう、仲間意識からかもしれないし。それに……」
「わかってる」宮島は、ぼくの言葉をさえぎった。「あたしたちが考えているよりも、あの人はずっと若い、っていうんでしょ?」
 うん。ぼくはうなずいた。
「……そうなのよねぇ」宮島は小さく苦笑し、「うーん、でもさ、魔法使いの数は、それほど多くはない、っていうのも、事実よ。……賭けてみる?」
「じゃあ、彼が公園の魔法使いじゃない、ってほうに百円」
 何となく分の悪そうな賭けだったけれども、話の成りゆきを考えれば、ぼくがそっちにかけるほうが自然な気がした。
「じゃああたしは、その反対に百円ね」
 ひとまず賭けが成立して、ぼくらはここで、この話を打ち切った。

 翌朝。めずらしく宮島が、駅でぼくを待っていた。ぼくが彼女の姿を確認するのとほぼ同時に、彼女もまた、ぼくの姿を見つけたようだった。大きく手をふって……よくまあ、恥ずかしげもなくあんなことができるものだ……ぼくのほうへ駆け寄ってくる。
「おはよ」
「あ……おはよう。……どうしたの?」
 ぼくの問いに、「ええと、ね」わずかにいいよどんだあと、「昨日の賭けだけど……、あれ、やめない?」
「百円が惜しくなった?」
「そんなんじゃないわよ」宮島は、頬をふくらませた。「よくよく考えてみたら、あの人にもう一度あえる、って保証があるわけじゃないし。仮にもう一度あえたって、いくらなんでもいきなり『あなたは公園の魔法使いですか』なんて訊くわけにもいかないでしょ?」
 なるほど。確かに彼女のいうとおりだ。もう一度あえるかどうかわからない相手では、結果を確認できるかどうかもわからないし。
「うん、わかった。じゃあ、賭けはなかった、ってことで」ぼくは応え、そしてぼくらは、歩き出した。

 校門が見えてきたところで、突然宮島が立ち止まった。つられてぼくも立ち止まり、彼女に目を向ける。彼女の目が驚きに見開いていることに、ぼくは気づいた。その視線を追いはじめるのと同時に、宮島は一点……校門の前で立っている、一人の男子生徒……を指さした。「峰岸くん、あれ……」
 いわれるまでもなく、ぼくも気づいていた。その人は……ぼくの記憶違いでなければ、昨日、花屋であった、公園の魔法使いとおぼしき人だったのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

処理中です...