30年越しの手紙

星の書庫

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異変(2)

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 次の日、彼女は学校に来なかった。彼女がいない学校は退屈で、僕にとっては意味のないものだった。
 放課後になると、僕は彼女のいる病院へと向かった。
「ひな。来たよ」
「遅いよー!」
「ごめんごめん。さ、帰ろうか」
「うん!」
彼女はにひひと笑う。
「ねぇねぇ。クレープでも食べて行こうよ」
「だめだよ。退院したばかりでしょ?」
「むぅ。ハルキのケチ!」
「もうちょっと元気になってからにしようよ」
「えー!」
「今日はひなを安全に送り届けなきゃ。ね?」
「はぁい……」
「じゃぁ、帰ろっか」
「うん!よろしくお願いします。私の王子様」
 僕が手を差し出すと、彼女は笑って手を握ってくれた。
「ねぇ、ハルキ」
「ん?」
「私が倒れた時の君、かっこよかったね」
「な、なんで!そんな事ないよ!」
「冷静に動いて助けてくれたんだもん。必死になってくれてありがとね!」
いつもと変わらない笑顔で、彼女は話しかけてくれる。
「まあ、可愛い彼女の為だからね」
「言ってくれるねぇ。やっぱかっこいいじゃん!」
「そんな事ないって!」
「それが、そんな事あるんだなぁ」
「言い過ぎだって」
「まだ言うか。このっ!」
僕の頭を小突いてくる彼女の笑顔は、曇りのない綺麗なものだった。

 そうこうしているうちに、彼女の家に着いてしまった。
「ほら、家に着いたよ?」
「もう着いちゃったよー!」
「そうだね。ほら、中に入りな?」
「うー……」
「また明日会えるから。ね?」
「そうだ!夕飯食べていきなよ!おかあさーん!ハルキもご飯食べて良いでしょー⁉︎」
「ちょ、ちょっとひな!」
「んー?」
「僕は帰らないと……!」
「あら、ハルキ君じゃないの!ひなを送ってくれたの?ありがとうねぇ」
 すぐに彼女のお母さんが出てきて、僕を家に迎え入れた。
「ぼ、僕は帰らないと!」
「あら、良いのよ?あなたのお母さんには連絡しておくから」
「いつの間に連絡先を⁉︎」
 母親の連絡網恐るべし。そんなわけで、僕は彼女の家で夕飯を食べることになった。

 前に来た時は気付かなかったが、彼女は三姉妹のようだ。中学生の妹と、一つ上のお姉ちゃんと一緒に食卓を囲むことになった。
「君がひなの彼氏くんか!私はひなのお姉ちゃんのあいはだよ!よろしくね!」
目をキラキラさせて自己紹介してくるあいはさんは、新しいおもちゃを見つけたと言わんばかりの顔をしていた。
「うい。ひなちゃんの妹」
あいはさんとは反対に、妹のういちゃんは冷たかった。
その日の夕飯は、彼女の家族に振りまわされてばかりだった。

 自宅に帰ると、案の定母さんと弟にいじり倒された。
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